「三井家のおひなさま」於三井記念美術館

知人からチケットをいただき、妻と出向く。広い意味では美術品なのだろうが、ひな人形と御所人形(公家に愛好され、後には民間にも普及)の展示であり、感興の中味は美術とは異なる。

江戸時代後期のものもあるが、近代になって三井家が三井財閥になった時代のひな人形であり、豪華なものである。三井家には明治になると、前田家や浅野家などの旧大名家から輿入れしている。
近代のものだから人形の着物の褪色も少なく、着物の欠損、汚れも少なく、織り、模様、刺繍なども見事である。京都の丸平大木人形店の五世大木平蔵が人形作りの名人だったようで、そこから購入した作品の展示が多い。この人形店のものであろうか、丸平文庫と言う所に所蔵されている御所人形も展示されている。

人形だけでなく、その人形用の調度品も小さいながらもきちんとした作りの調度で、金蒔絵がきちんと施されている。このような調度品も含めてお内裏さま、三人官女、五人囃子、仕丁なども飾ると、8畳間程度が必要となるのではと感じる。いきいきと演奏しているように見える五人囃子の人形が印象に残っている。

大きなひな人形もあり、立ち姿、座り姿と屈伸できるような人形もあった。ひな人形の顔は時代によって流行があるようだ。享保雛という言葉での説明もあった。江戸後期から近代は目が細い品のいい顔で、最近のように目が大きく、ぱっちりは無い。手指は長く、やや不自然である。

調度品では貝桶(”貝合わせ”と言う二枚貝の貝殻を合わせる遊び用の貝が入っている桶である。二枚貝はその片割れしか合わないことから、貞節の象徴として大事にされる)が大名家における女性道具の先頭を飾るものだったことを知る。

御所人形で大名行列を再現したのが展示されていたが、圧巻である。行列の役割に応じた人形が姿態、衣装、持ち物まで整えて展示されている。袋に入れた鉄砲や弓を持つ供侍まで、大名行列の様子がわかる。三井家に嫁いできた前田家や浅野家などの旧大名家の関係だろうか。

なお御所人形は色々な種類があり、鞍馬天狗、橋弁慶を演じているようなものからお花見や大黒、恵比寿や騎馬の武士(宇治川先陣…三井家は佐々木源氏の出という伝承もある)など様々である。御所人形の顔は子どもらしく大きく、同じような顔だ。現代のリカちゃん人形は女性が主だが、御所人形は違うのだ。

この美術館には、茶室仕様の展示スペースがあるが、床の間に円山応挙の水仙図、お茶碗は斗々屋茶碗の銘「かすみ」であった。床の間の掛け軸は、遠く、暗い場所だから水仙は良く見えない。

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