国立近代美術館 通常展

昨日、妻と出向く。先週まで鏑木清方の「幻の《築地明石町》特別公開」で非常な混雑だったようだ。この日は「MOMATガイドスタッフ」によるギャラリー解説に参加する。この解説は、スタッフからの一方的な説明ではなく、そこに参加した人からも意見を聴取するようなもので、こういうのも面白いと感じる。
ただ、私もそうだが、美術に詳しい人から、そうでない人まで参加した人が勝手な意見を言うわけだから、意義を感じない人もいるかもしれない。
そういう形式だから、一つ一つの作品に時間がかかる。今回は菱田春草の作品で明治天皇が愛されたという「雀に烏」の屏風と、写真家の奈良原一高の「無国籍地から」の一連の写真作品と、菱田春草の「蟻」(正確な題かは自信が無い)の掛け軸の3点の作品だ。
「蟻」の作品を紹介する前に、参加者一人一人に蟻の絵を画いてもらう趣向である。私も画いたが、正確には画けない。菱田春草がある人から絵を頼まれたのになかなか画かない。そこで注文主はせめて蟻の一匹でも画いてくださいと言ったら、春草は本当に蟻を小さく一匹画いたという逸話のある掛け軸である。一流画家が常日頃からデッサンを行っていることを、我々素人に画かせることで教えてくれたようだ。

奈良原の作品は廃墟の中で、三角形、四角形、円形などの幾何的な模様が出たところを写真に撮り、そういうことで、どこの国の写真かなどをわからなくしているから「無国籍地から」という表題にしているのであろうか。参加者各人が、作品群の中から自分の好きな1枚を選び、それを選定した理由を述べるというスタイルであった。

「雀に烏」は烏と雀に柳を描いたものである。烏が一羽、中段のやや下部の柳の枝に止まり、寂しげな絵である。明治天皇はこの孤独に共感を感じたのであろうか。柳は老木で、よく見ると細かく色を塗り分けて巧みである。柳の枝は冬の為か葉も無いが、新芽は画かれている。そこに雀がたくさん止まっている。飛んでる鳥はいなかったと思う。

通常展であるから、何度も拝見している絵が多い。だけど名品であり、良い美術館だと思う。中村彝の「エロシェンコ像」、岸田劉生の「自画像」、松本竣介の「Y市の橋」など良い絵である。日本人の作品だけでなく、マティス、セザンヌ、ブラックなどの名品も展示されている。
フジタの戦争画も展示されている。自分の技倆を誇っているような絵である。
今回の展示では、工芸品も展示してあるのが変わったところである。近くの工芸館が金沢に移転する為であろうか。

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