「江戸の家計簿」磯田道史 著

江戸時代の武士、農民、商人や芸人、職人の収入や、食品の物価、料理・嗜好品・雑貨などの価格を現代の価格に換算して示し、その江戸時代の生活実態やリサイクル社会の実情、江戸の出版事情などを記述している。
私も拙著『江戸の日本刀』の「29章 江戸時代の貨幣・収入単位と物価水準、新々刀の価格」で江戸時代の物価を現在価格に換算したが、その時は米の価格などではなく、人件費を比較して1両30万円で換算した。
この本も1両30万円で換算している。江戸時代と現代では嗜好も異なり、製造方法や生産量も大きく違うから、分野によっては1両30万円の換算が合わないこともあるが、それは仕方が無い。
この本は幅広い分野で、江戸時代の物価を網羅していて興味深い。

農民の収支を『江戸物価事典』(小野武雄編著)から示している。耕作面積水田一町歩の農民の例である。米20石、畑作5反でダイコン売上135貫文、麦収穫6石で13両750文(395万円6250円)の収入で、支出は11両で差し引き2両とある。

大工が比較的高収入(年収800万円)であることが記されている。また髪結い職人も月収60万円とのことである。日本橋から吉原までの駕籠料金は500文で現在価格で3万7500円とある。千両役者はほとんどいなかったようだが500両(1億5000万円)程度の年収をとる役者はいたようだ。

また江戸時代は美味として三鳥二魚として、鶴、ヒバリ、鷭、鯛、アンコウがもて囃されたようだ。
雑誌に連載していたものを加筆して出版されたようで、途中、途中に他の人のエッセイが織り込まれている。作家のあさのあつこ氏、シーボルト研究者の宮坂正英氏、発酵学者の小泉武夫氏、歴史学者の北原進氏がそれぞれの分野で記したものである。

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