「べんけい飛脚」 山本一力 著

加賀藩の御用飛脚問屋の浅田屋の当主を主人公にしているのだが、少し込み入った筋立てにしており、読み難いところもある。
加賀藩前田家と幕府との軋轢を、前の時代における加賀藩主前田綱紀と徳川吉宗の暖かい交友関係を幕府にも思い出していただくことで、丸く納めようという意図で、吉宗と前田綱紀の信頼関係があったからこそ、問題が生じなかった参勤交代時のエピソードを書くように、飛脚問屋の浅田屋の当主が戯作者に頼むという筋立てである。
長寿でもあった前田綱紀について、庶民の生活にも目配りをしたとかのエピソードを紹介している。

その戯作者が書いた前田綱紀の参勤交代時の物語において、飛脚が活躍するということである。題名の「べんけい飛脚」とは、弁慶と義経の関係のように、弁慶は主君の為に尽くすということを、飛脚問屋の浅田屋が加賀藩の為に働くこと、そして加賀藩は幕府の為に働くこと、もちろん老中も同様に幕府の為に働くという暗喩で用いている。

以上のあらすじを書いても、読んだ人はピンと来ないと思うが、かように変な筋立ての小説である。それなりの筆力で読ますところもあるが、著者の失敗作の一つであろう。
暑い中、気楽に読もうと思って選択した小説であるが、仕方がない。



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