「ルーシー・リー展」 於千葉市美術館

暑い日だが、千葉市美術館に妻と出向き、ルーシー・リーの展覧会を観た。彼女はオーストリア生まれの陶芸家で、裕福なユダヤ人家庭に生まれたが、ナチに追われてロンドンに出向き、そこで陶芸を続けた。1902年生まれで1995年まで生きた人である。解説によると人気が出たのは60歳を過ぎてからのようだ。陶器で食えない時期は、ボタンなども造っており、その作品も展示されている。これが色の研究(釉薬の研究)に役だったようだ。

形は優しいものが多い。また薄手のものが多い。色も普通の陶芸家に比べればカラフルである。その色は淡い感じで、パステルカラーというと軽い感じだが、そんなに軽くはない。淡い感じの色合いが印象に残るが、縁や外側に銅色(ブロンズ・カラー)など濃い色も使っており、淡い色ばかりではない。
白は純白ではないが、暖かみのある白で、私はこの人の白は好きである。

器の用途は花器、鉢、それにコーヒー・紅茶のカップとソーサーなどであるが、鉢は日本人の私は抹茶用の茶碗をイメージしてしまうが、それに合致するものもあるが、茶碗にしては薄手過ぎる感じ、あるいは深すぎる感じなどで違和感もある。薄過ぎて、お茶の温度が手に伝わり過ぎるのではと心配もする。妻も「何に使ったのかしら」と考え込む。

鉢、茶碗の中には、口の部分を歪めているものや、波を打たせたようなものもあるが、織部の歪みとはやはり違う感じで、もっと繊細で、女性らしい感じである。

花器には、部分ごとに継いで、複雑な形を造形したものもある。複雑と言っても、基本はシンプルであり、装飾的にゴテゴテしたものではない。すっきりして美しいものである。

薄手のもの以外に、溶岩のような肌合いをもった陶器も作っている。これも面白い。色などは違うが志野焼きみたいなものである。

また色だけでなく、線を陶器表面を引っ掻くようにして描いているものもあり、それを陶器の肌合いにしているものもある。中には線が網目のように見えるものもあるが、面白いものである。

製作時代による違いはあるが、私は1978~1980年頃の作品が好ましかった。

ルーシー・リーの作品は多いだろうから、そんなに高くはないと思うが、私が買いたいと思うものではない。コーヒーカップとソーサーはあってもいいかなと思うのだが。
繰り返しになるが、この展覧会で認識したのは、私の場合は陶磁器は鑑賞するという視点だけでなく、使ってみるという視点がベースに出てくることを認識できたことだ。もっとも、南宋青磁、高麗青磁などを観て、使って見るという視点が出てくるわけでないから、ルーシー・リーの作品に、実用性を意識させるところがあるということだろう。

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