「ウィレム・デ・クーニング展」 於ブリヂストン美術館

ウィレム・デ・クーニング(1904~1997)は、よく知らない画家であった。展覧会に行くと、知っている画家の別な側面がわかったり、知らなかった画家で認識を新たにすることもある。
この画家は解説によると、オランダで生まれ、22歳でアメリカに渡り、初期は商業美術で生計をたてていたそうである。それから、半具象的な絵画を制作しはじめ、1950年代には激しい筆触と強烈な色彩を特色とする女性像の連作を発表して脚光を浴びる。第二次世界大戦後にアメリカで開花した抽象表現主義を先導した画家のひとりとして有名と解説にある。

具象と抽象の間と言っても、抽象に近く、何となく女性を画いていることがわかる程度である。それも肌の色や口紅の色などで想起されるというものだ。色は暖色系の色が多い。もちろん買えもしないが、自分が買いたいと思うようなものを見つけるのは展覧会での楽しみである。今回の展示では「青い眼の女」という輪郭がオレンジで太い女性のデッサン的な絵が面白かった。妻とともに「ようわからん。こういう絵がいいと思って集めた人がえらい」とつぶやく。

今回は、クーニングにちなんで、抽象画の展示も多い。そういう中ではパウル・クレーの「島」が一番好きだが、菅井汲の作品や、吉原治良なども面白い。特に堂本尚郎の追悼ということでの展示がザオ・ウーキーとともに一室が与えられており、なるほどと思った。堂本は日本画から出発して、作風をどんどん変えてきており、こういう姿勢も素晴らしい。

抽象画を描く画家は、そのようにモノが見えてくるのだろうか。不思議である。

ブリヂストン美術館は常設展がいいから楽しい。セザンヌの「帽子をかぶった自画像」「サント=ヴィクトワール山とシャトー・ノワール」などはいつ見ても素晴らしい。ピカソの「腕を組んですわるサルタンバンク」も好きな絵だ。日本の画家の黒田清輝の「ブレハの少女」(貧しげなフランスの少女で哀愁もある)、藤島武二の「黒扇」(石田あゆみに似ている女性だ)、フジタの「猫のいる静物」(捕まえ損なった猫の表情、逃げる鳥のあわてぶりもいいし、雑然と置かれたものも目を見張る上手さだ)も凄い。

これまでは、絵に見とれていて、良さが気が付かなかったが、古代美術も素晴らしいことを発見した。シュメールの「女の胸像」、エジプトの「聖猫」、「彩色木棺」、ローマの「モザイク断面<牧神頭部>」なども見事な作品だ。

展示室の一つに、パナソニックの4Kでのデジタル画像が見られるコーナーがある。特に精細に見られるもので、該当の絵(そんなに種類は多くない)をタッチして、拡大すると、キャンパス地の目も見え、そこに乗せた絵の具の各色までわかり、驚いた。絵を画く人には参考になるのではなかろうか。




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