「ボストン美術館華麗なるジャポニズム展」於世田谷美術館&向井潤吉アトリエ館

この展覧会はクロード・モネの「ラ・ジャポネーゼ(着物をまとうカミーユ・モネ)」が目玉である。修復ができたということでの展示だが、大きな絵である。もう1枚の妻カミーユの絵と対比させて画いたようだが、顔などは、こちらの方が生き生きしている。キモノを着て、喜んでいる様子が無邪気に描かれている。右の1枚の団扇だけが橙色が目立ち、不思議な感じはする(他の団扇は白地)。赤いキモノに武者絵の刺繍が目立つ。刺繍ではなく、ここに武者の顔を描いたような感じである。バックの緑色っぽい色と赤が補色関係にあるのか、ともかく赤が目立つ。存在感のある絵である。

日本の美が西洋の絵画、装飾品に影響を与えたことを主題にしている展示だから、日本の鐔(七宝の平田派の鐔や、石黒などの浜物的鐔)も展示されている。このような金工品や漆製品が、アールヌーボーに大きな影響を与えたことは間違いがない。

浮世絵の方は、絵画、特に印象派に大きな影響を与えたのだが、その影響の与え方を、構図に学んだもの、色使いに学んだ者、平面的、装飾的な画面を学んだ者、取り上げる題材に学んだ者等と区分して、オリジナル(=日本の浮世絵)と、その者の影響を受けての作品を対比させて展示してあり、それなりに面白い。

浮世絵版画は私も好きで収集している広重の名所江戸百景のシリーズの影響の大きさに改めて驚く。展示の浮世絵も初摺のモノ、色が鮮やかに残っているものなどで、さすがにボストン美術館蔵品である。浮世絵は自分の持っているものも初摺の良いものであり、ここの展示物でも、あまり驚かないが名所江戸百景「愛宕下藪小路」の雪景色は、摺りも保存も非常に良いもので、雪が白く、フワッとしている。もちろん絵の構図もいい。

ゴッホの「子守歌、ゆりかごを揺らすオーギュステーヌ・ルーラン夫人」は、色使いが明るいというか、土俗的な明るさのものだと認識した。こういう絵だと、ゴッホがゴーギャンと一緒に暮らしたというのもわかる気がする。ともかく明るい感じの絵である。

絵ではモネの「睡蓮」が良かった。モネの睡蓮はたくさんあるが、この正方形の画面の睡蓮の絵は水面に映り込んでいる色なども良く、好きな絵だ。
ムンクの「夏の夜の夢(声)」も気持ち悪い感じがする絵で、ムンクらしくていいなと思う。

知らない画家では「アドリア海」のハーマン・ダドリー・マーフィ、「画家の祖母」のエミール・ベルナールなどが記憶に残る。

その後、用賀から駒沢大学前に行って、向井潤吉アトリエ館に出向く。向井潤吉の絵は日本の古民家の絵で有名だが、「6月の田園」は岩手県滝沢村の早春を描いたものだが、いい絵だと思う。その場の風、温度、湿度の感じまで感じさせる絵だ。柿の実がなる農家を描いた秋の絵も好きなものだ。

自宅兼アトリエを美術館に改装したようで、大きな梁が剥き出しの造りの家自体も魅力的である。庭も大きな木を植えているが、空間も大きく、良い庭だ。
私は向井作品は、東京都美術館で観たのだと思うが、戦争画の1枚(飛行機の機影が画かれているもの)を観て、もの凄く感激したのだが、アトリエ館では戦争画のことは触れないようにしているように感じた。あの絵は傑作だ。

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!

ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。

→ログインへ

なるほど(納得、参考になった、ヘー)
驚いた
面白い
ナイス
ガッツ(がんばれ!)
かわいい

気持玉数 : 1

面白い

この記事へのコメント

この記事へのトラックバック