「東美特別展」 於東京美術倶楽部

刀の畏友H氏のお誘いで東京美術倶楽部が3年に1回開催する「東美特別展」に出向く。この格式だと刀屋さんでは日本刀剣と杉江美術だけであった。このような場でも日本刀・刀装具を展示できるように、これからも頑張って欲しい。宝満堂は刀装具は並べておらず、明治期の細かい金工品や、珍しいところでは刺繍画を陳列してあった。新しい分野を開拓するのは偉いと思う。

茶道具を中心とする陶磁器、書画、西洋絵画、現代絵画、蒔絵等の工芸、仏像など、各店から出品される美術品は幅広い。そして質も凄いものだ。それがガラス越しではなく、場合によっては手に取っての拝見もできるわけであり、貴重な機会である。
東京美術倶楽部の建物は大刀剣市も含めて何回か来ているが、ここの2階に入ったのは初めてである。和室になっており、テラスに和風庭園がしつらえてあり、さすがと感じる。

驚いたのはお香の包みを売っていたことだ。香道を嗜む人が買われるのだろうが、何種類の香の包みがセットで、それぞれが何百万円であり、こういう文化も滅びないで欲しいと切に思う。正倉院にあって織田信長が切らせたという「らんじゃたい」の香木も売られていた。どういう経路で出たものだろうか。

薩摩切り子のカップの完品が3500万円もしており、びっくりした。

中国磁器も多いが、砧青磁の色が美しいものが1000万円。H氏は焼き物にも詳しいが、伺うと、これでも昔に較べれば安くなっているとのこと。破片だけでも10万円はするとのことでたまげる。中国人、台湾人らしい人も見かけ、中国の磁器や青銅器などは売れ行きがいいと感じる。しつらえた床の間に平気で足を踏み入れて掛け軸を見ているのは日本人ではない感じである。
中国磁器は宋の時代を過ぎて、明、清となると、ケバイ感じが私にはする。前の唐の時代の唐三彩もつまらない感じである。

私が好きな桃山期の焼き物は、織部、志野、信楽、備前、古瀬戸など名品が沢山出品されていた。唐津、井戸、御本、三島などの名品もあり、500万、300万のがゴロゴロしている。楽茶碗も多く、感じの良いものだ。

織部などは、こんなにたくさんあるものなのかとH氏も驚いておられた。形の歪み、絵模様なども面白いが、今回、私は織部の歪みがあまりにも目に付き、鼻に付くところも感じた。

唐津、井戸となると、本当に渋い。でも確かにいい。雑器で汚いものなのだが、こういうのに美を感じるのは不思議なものだと思う。H氏も、「こういうぐい飲みで酒を飲むとたまらないんですよ」と嬉しそう。私は酒を飲まず、H氏からも酒席の話を聞かないから、あまり酒好きではないと思っていたが、そう言った時の笑顔を見ると、この人も相当な酒好きではないかと感じた。

慶派の仏像を売っている店もあったが、出来の良い本尊の仏像と脇仏であり、大したものである。運慶などを特集した本(雑誌)に所載のもののようだが圧巻である。

私が好きな絵画で麻生三郎、須田 剋太を多く並べている店もあり、名刺をもらってきた。ユトリロ、ピカソ、マティス、フジタ、クレーなどの西洋絵画もあれば梅原、野口謙三の日本洋画、速水御舟、川合玉堂などの日本画もある。速水御舟は構図も独特で、画題も変わっていて、新味を出そうとしているような意欲も感じ、もちろん絵もいいもので感心する。

今回は浮世絵は出ていなかった。帰りに浮世絵商に出向き、浮世絵オークションの結果を聞くが、やはり私が安いと思っていたのは最低入札価格の倍の値がついたようだ。オークションは好調だったそうで、売上は去年の1.5倍になったとのこと。



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