「知識ゼロからの西洋絵画入門」 山田五郎 著

先日、「知識ゼロからの西洋美術史」(http://mirakudokuraku.at.webry.info/201302/article_11.html)を読んだが、同様な本である。西洋美術の潮流ではなく、こちらの本は代表的な作品に即して書いているのが、前作との違いである。たとえばボッティチェリは「ヴィーナスの誕生」、ミレーならば「晩鐘」というように選んでいる。

読者に興味深く読んでもらうための工夫として、軽妙な語り口でわかりやすく説明することを心懸け、言葉を替えると「軽い」語り口である。また本のレイアウトなどもわかりやすく、部分を解説したり、画家ごとに「巨匠の履歴書」をまとめたりして、独特である。

芸術家は複雑な性格であり、ゴヤのように野心家であるが、自己の内面に向き合う絵を描いたり、興味深いものである。
アカデミズムの権化のようなアングルも女性の裸の絵は反古典主義だったが、それは、そういう女性が好きだからという解説も面白い。
レンブラントの「夜警」は集団肖像画というもので、画面に登場するパトロン全てを公平に描くものだったが、レンブラントはそれに反して画いたために不評だったことなども知ったが、面白い。

西洋美術は、ルネサンスのミケランジェロ、ダヴィンチ、ラファエロなどによって絵画の絵画らしいところは、もう完成されてしまっている感を改めて思う。そして、写真が出来たことによって、ありのままに画くことの意味が薄れたところに、印象派が登場してくるというのもわかりやすい。現代になると、マティスが色を開放し、ピカソが形を開放して、何でもありになっていくという説明も頭に入りやすい。

専門家から見れば、割り切った説明すぎるという感を持つだろうが、入門書としてはいいのではないかとも思う。入門書を書くのは難しいものなのだと思う。


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