第23回浮世絵オークション

今回のオークションでは、保存の状態はあまりよくないが、写楽の「佐野川市松の祇園町の白人おなよ」と「嵐竜蔵の金貸石部金吉」が出品されている。写楽は、対象としているその人自身の顔を描いているという感じがしていいなと感じる。他の浮世絵師は、それぞれごとに浮世絵師特有の顔のイメージがあり、誰を書いても同じ顔的なワンパターンが多い。その点、写楽は対象ごとに顔や表情を変えて画いている。

私の好きな廣重の「名所江戸百景」には目を惹くものは出ていなかった。広重では木曾街道の「洗馬」が良い摺りのもので良かった。また東海道の「庄野」にも摺りと保存の良い1枚があった。良いものは当然に高い。

今回は、新版画の橋口五葉の「化粧の女」が、素晴らしかった。構図、絵も良いし、摺りの技法も雲英摺りや型を押したりなど様々な技法を効果的に駆使しており、また保存も良く、見事なものだった。入札最低価格も見事なもの。
また伊東深水の「吹雪」も良い絵だと改めて思う。紫の着物の地に蝋を塗ってその上から印刷したと思われるような技法も見受けられる(正確かは識者に聞かないとわからない)

川瀬巴水も、多く出ていた。これまで値を上げてきたから、手放す人も出てきたのであろうか。

肉筆では志村立美の「芸者」という小品が、髪の毛が艶まで見事に画かれていて感心する。肉筆の軸装にもおもしろいものがあった。

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