「二人の流通革命」 緒方知行 著

ダイエーの中内氏が99年1月に社長を退陣したことをきっかけに、親交のあった著者がヨーカ堂の鈴木氏と対比させながら書いた本である。この本からダイエー中内さんとヨーカ堂鈴木さんの違いを抜き出すと次のようになる。

中内氏はメーカーの支配体制、売り手市場時代の仕組みを革命の対象。敵はメーカー、規制に守られた従来の業界であり、川上にも支配を伸ばしていった。
鈴木氏はお客様の価値観の変化に対応できる仕組みづくりを革命の対象にしている。敵は古い時代の体制、売り手主導時代。メーカーとか関係先は敵ではなく、アウトソーシング、協業の関係重視となる。
中内氏が進むべき道を示し、理念を掲げて流通革命に邁進し、一方、鈴木氏は時代の変化を常にとらえて結果として流通革命をしているというニュアンスで書かれている。
中内氏は、「拡散のロマン」で、侵攻していくような感じ、競争が激化すると拡散のロマンで広げた事業は維持しにくくなる。相手のプレーヤーが優秀だから。
一方、鈴木氏は「深化のロマン」で深耕していく感じ。他店見学・視察禁止というように、自社でいかにお客様の変化に対応していくかが大切となる。
中内氏は理念を掲げて邁進するだけに、理念の呪縛があったとする。中内氏も晩年に「なまじ志など持つとそれに縛られて重い足かせになる」と述べていたようだ。
ともに流通革命を目指したが、中内氏は、変化創造、目的革命、声高な革命、量の革命なのに対して、鈴木氏は、変化対応、結果革命、静かな革命、質の革命を目指していると書いている。
ダイエーが破綻したが、著者は中内氏に対してやさしい。

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