「司馬遼太郎全集16 十一番目の志士」司馬遼太郎 著 全集16は「十一番目の志士」と「風の武士」という時代小説が収録されている。「十一番目の志士」は幕末の長州で、高杉晋作に見出された周防国鋳銭司村の百姓の子で、家伝の二天一流(宮本武蔵創出)の達人という天堂晋助を主人公にしている。鋳銭司村は聞いたことがあると思う。大村益次郎の出身地である。ただし、大村益次郎は一切出て来ない。 高杉の意… トラックバック:0 コメント:0 2020年09月26日 続きを読むread more
「司馬遼太郎全集7 幕末」 司馬遼太郎 著 司馬遼太郎全集7に収録のもう一編である「幕末」である。幕末に生じた暗殺事件を12取り上げている。当初は「幕末暗殺史」というタイトルで発表されたようだ。司馬遼太郎はこれらの物語を書く中で、運良く維新後まで生き延びた人物にシニカルな目を向けている。三流が生き延びて、栄爵を受けたという感じである。 冒頭は「桜田門外の変」である。水戸藩以… トラックバック:0 コメント:0 2020年06月29日 続きを読むread more
「幕末史 かく流れゆく」中村彰彦 著 著者は学者ではないが、会津藩のことや幕末史で多くの著書を上梓されている。この本は幕末に起きた事件を105の章に分けてわかりやすい文章で記されている。章ごとの文章は短いが、その短い文章の中で、要点を記されていて、幕末史を網羅的に知るのにはいい本である。もちろん、著者が大事と思う事件、関心を持った事件が中心であり、人によっては違和感を持つ… トラックバック:0 コメント:1 2020年01月27日 続きを読むread more
「レンズが撮らえた外国人カメラマンの見た幕末日本」 三井圭司・小沢健志監修 これはⅠとⅡの2冊本である。写真集的な感覚で紐解いたら、内容が豊富であった。「永久保存版」と印刷してあるが、確かに幕末、明治期の写真についての基礎資料だ。 多くの著者がいくつかの視点から寄稿している。中には外国人の研究者もいる。Ⅰ、Ⅱで16人の研究者の論文が掲載されている。 日本の幕末期は世界的な写真史からみて、技術が普及しはじ… トラックバック:0 コメント:0 2017年03月21日 続きを読むread more
「レンズが撮らえたF・ベアトの幕末」 小沢健志・高橋則英監修 フェリーチェ・ベアドは英領コルフ島(イオニア海…現ギリシャ)出身で幕末から明治にかけて日本の姿を写した報道写真家である。長州への四カ国艦隊砲撃後の占領写真はよく見るが、彼の作品の一枚である。 妹がイギリス人写真家ジェームス・ロバートソンと結婚し、その関係で写真を学ぶ。1855年にはロバートソンと一緒にクリミア戦争に従軍(ベアトは助手)… トラックバック:0 コメント:1 2017年03月14日 続きを読むread more
「もう一つの「幕末史」」 半藤一利 著 はじめは、現在の薩長史観の歴史を正すというような感じで入ったが、最後の方は司馬遼太郎が「龍馬がいく」で取り上げた坂本龍馬、それから「峠」で取り上げた河井継之助に関する論を述べていて、著者の言わんとするところがわかりにくい点がある。「あとがき」に色々なところで書いたり、書き溜めていたものを編集したようなことを書いているから、そのような編集… トラックバック:0 コメント:0 2016年01月22日 続きを読むread more
「物語日本の歴史26 新しい時代と若き志士」 笠原一男編 このシリーズは、当時の人々の物語、日記、古文書から、生身の人間の歴史をまとめたものである。だから面白いところもある。この号は、日米通商条約、安政の大獄、桜田門外の変、幕末の尊皇攘夷志士の起こした事件を取り上げている。 この時期の歴史事象には、水戸の徳川斉昭の強烈な個性が震源となっている事件も多い。斉昭は強硬な攘夷論者で論客である。… トラックバック:0 コメント:0 2015年12月25日 続きを読むread more
「花燃ゆ」展 於江戸東京博物館 & 相撲博物館 NHKの大河ドラマに合わせた展覧会である。毎年、大河ドラマにちなんだ展覧会を、江戸東京博物館で開催している。いただいたチケットでの観覧である。 いつもは美術的に優れたものが展示されているが、今回はそのようなものが無く、吉田松陰の書簡、書とか、高杉晋作、久坂玄瑞など松下村塾関係者や当時の長州藩関係者の写真、書簡、書、遺品などが多い。… トラックバック:0 コメント:0 2015年07月18日 続きを読むread more
「司馬遼太郎全集27 世に棲む日日」 司馬遼太郎著 これは吉田松陰と高杉晋作のことを書いた小説である。前半は吉田松陰のこと、そして後半は高杉晋作のことである。今回は一気に読むのではなく、長い時間をかけて読んだ。 司馬遼太郎の後半の小説らしく、タクシーに乗って萩を走っている中で吉田松陰の血縁者のことを聞いたりという文章から小説に入り込んでいく。 この小説の中に、次の一節があり、なる… トラックバック:0 コメント:0 2014年10月21日 続きを読むread more