テーマ:幕末史

「黒船以降」 山内昌之、中村彰彦 著

副題に「政治家と官僚の条件」とあるように、幕末の各人物の事績・人柄を著者2人の対談で浮かび上がらせている本である。内容豊富な面白い本であった。山内氏はイスラム史など世界史の権威であり、幅広い視点も面白い。中村氏は歴史小説家で幕末の会津のことなどを書いて、幕末の歴史全体に豊富な知識を持つ。 本は「徳川官僚の遺産」「徳川斉昭と水戸学」…
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「幕末会津藩 松平容保の慟哭」 鈴木荘一 著

知人の鈴木氏が次々と著述をすすめている。この本は幕末の会津藩の動向を会津藩に同情的に記述している。同情的と書いたが、鈴木氏は今の通説が歪められた薩長による歴史であり、ここで書かれたことが歴史の真実だと確信して書かれている。 私がはじめて知る北方領土に関する会津藩の関与(樺太警備)が詳しく述べられていて参考になる。寒さとビタミンCの欠乏…
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「幕末狂乱 コレラがやって来た!」 高橋敏 著

幕末に、コレラが伝染した時の騒ぎを、当時のヒトの日記などで明らかにしている本である。まず、三島宿に近い伊豆田方郡桑原村の森家に伝わる「森年代記」の記述を紹介しているが、幕末はなるほど大変な時代であることが理解できる。この中の記述から年代順に列挙すると次のようになる。地元の情報と江戸の情報がある。 1847年に善光寺大地震と大火(地元の…
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「欧米人の見た開国期日本」石川榮吉 著

著者は文化人類学者、民族学者であり、幕末・維新期に来日した欧米人の旅行記や日記を分析して、彼等に当時の日本がいかに映ったかを検証し、異文化理解のあり方を考えているような内容である。だから一つの事象に対する多様な見方を紹介している。全部で9章に分けている。 日本人の容姿は、スイスの使節団の主席全権のアンベールが、身体は中ぐらい、頭で…
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「江戸300藩の意外な「その後」」 日本博学倶楽部 著

いただいた本だが、面白かった。時代小説を書こうと考えている人には良いネタを提供してくれるような本である。幕末から明治になる頃の全国の藩97の話を書いている。97藩の様々な物語が2頁程度に掲載されているから、全体を紹介しにくいが、この時代のことで想像がつくように、各藩内で佐幕(親徳川)と勤皇(親薩長)の争いを中心に次のような話が印象に残っ…
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「オールコックの江戸」 佐野真由子著

なおなか格調の高い文章を書く著者である。初代英国駐在日本公使ラザフォード・オールコックの事跡を紹介している。彼は1859年に総領事、のち公使に昇格。2年の休暇をはさんで1864まで江戸と横浜に駐在した。 日本に来る前に1844年に中国の福州領事になる。アヘン戦争の終結(1842)後である。それから上海領事、広東領事を赴任してから日本に…
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「攘夷の幕末史」 町田明広 著

従来の幕末史が、尊皇攘夷対公武合体の対立を説いていたが、著者は大攘夷対小攘夷の対立とする。大攘夷とは今は欧米に対して力が無いから通商をして国力を増してから攘夷をするという立場である。一方、小攘夷とは今すぐに攘夷をすべきという論である。すなわち、幕府方の要人も攘夷という点では同じだったということを説いており、なるほどと思う。 18世…
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「幕臣たちの明治維新」 安藤優一郎 著

この著者の本は、何冊か読んでいるが、この本はあまりピンとこなかった。明治維新時の薩長が改革、近代化、それに反して幕府側は旧習、頑迷固陋の旧体制維持派というような歴史観が今でも一般的である。 このような歴史観に対して、著者は旧幕臣たちが、どのように明治維新の激動を乗り越えたかを古記録を紹介しながら見直しを提案しているのだろう。 この本…
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「勝海舟と幕末外交」 上垣外憲一著

この本は、万延2年=文久元年にロシア船のポサドニック号が対馬の浅茅湾(あそうわん)を占拠した事件を中心に書いているが、幕末日本を廻る欧米列強の外交史であり、なかなかに興味深い。 結果的にはイギリスの圧力で、ロシアは対馬の占拠を解いて、対馬がロシア領(あるいは租借地)になるのが防がれたわけであるが、この解決に至る過程での勝海舟の尽力…
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「女たちの幕末京都」 辻ミチ子 著

幕末に京都で名が知られた女性の生き方を調べ、定説を覆したりしている書である。次のような女性が取り上げられている。知らなかった人物が多く、それなりに面白かった。いつか誰かが小説の主人公にしそうである。 近衛殿老女村岡、島津篤姫、幾嶋、梁川紅蘭、梅田信、梅田千代、村山可寿江、皇女和宮、松尾多勢子、太田垣蓮月、高畠式部、長尾照、楢崎龍、…
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「日本の歴史十三 幕末から明治前期 文明国をめざして」 牧原憲夫著

小学館の日本の歴史シリーズの一冊で、幕末から明治前期を取り上げている。従来の歴史書では、この時代は戊辰戦争や士族の反乱、西南戦争に多くの紙面が使われるが、この本では、そられについてはほとんど触れておらず、珍しい。日本国民の意識の変化を探っていくような歴史書で、それはそれで興味深い。 西洋でも、昔は手で食べていたのが、宮廷でナイフと…
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「洋船建造」吉村昭 著

この作品は、幕末にロシアが日本との領土条約、通商条約を結ぼうと考えてプチャーチンが来航した時、安政の大地震でロシアの船が大破し、その代替となる船(西洋式)を日本の伊豆戸田で建造した時の物語である。 ロシアは嘉永6年にプチャーチン中将を乗せて、長崎に来航、翌年に再来航。この時、ロシアはイギリス、フランスと戦っており、それとの接触を恐…
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「軍艦奉行木村摂津守 近代海軍誕生の陰の立役者」 土居良三 著

幕末の幕臣木村摂津守喜毅の伝記であり、それが日本の近代海軍を誕生させた歴史でもある。咸臨丸がアメリカに行った時に勝海舟が艦長だが、船酔いでダメ、一方、木村は軍艦奉行として咸臨丸の司令官として遣米副使として、福沢諭吉は非常に高く評価している人物である。 アメリカでも、木村は貴公子として、温厚仁慈として彼の地の人間にも尊敬された。人柄…
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「黒船」 吉村昭 著

この小説は、黒船が来航した時に通訳として立ち会った幕府通詞堀達之助の物語である。吉村昭の歴史小説は重厚で、対象人物の一生を共に辿るというか、生きていくような良さがあり、しみじみした読後感を持つ。 黒船が来た時に、その船隊を目撃した漁師などの動きから物語は導入される。この時堀達之助は、小通詞という役で浦賀奉行所に勤めていた。当時の幕…
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「集英社版日本の歴史⑮ 開国と倒幕」 田中彰 著

集英社版の日本の歴史シリーズの幕末の部である。第1章は「海に囲まれた幕藩制国家」として、江戸時代の漂流民の歴史を書いている。私が知っている漂流民はジョン万次郎、大黒屋光太夫などだが、鎖国時代に多くの漂流民が発生していており、ここに漂流民記録が表としてあり、参考になる。漂流先はアメリカ、メキシコ、アラスカ、ロシア、清国、台湾、東南アジアに…
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「欧米人の見た開国期日本」 石川榮吉 著

副題に異文化としての庶民生活とあるが、開国期に日本に来た外国人の旅行記から、いくつかの項目ごとに日本人の印象をまとめたものである。ちなみに1861年時点に横浜に居た外国人の数をオールコックの『大君の都』から上げているが、イギリス55名、アメリカ38名、オランダ20名、フランス11名、ポルトガル2名の合計126名もいたようだ。 さて…
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「大名屋敷の謎」 安藤優一郎 著

おもしろい本であった。江戸には大名屋敷が多い。江戸の70%を武家地が占め、その過半が大名屋敷。そこは全国300藩の江戸における城=濠のない軍事施設でもあった。だから治外法権であった。 お屋敷は通常は幕府から賜る上屋敷(殿様が住む)、中屋敷(若君や隠居が住む)と、各藩が独自に用意する下屋敷(接待所でもあり、江戸の生活物資の保管場所)…
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「「幕末」15年7大事件で歴史の真相を大整理」 菊地明 著

この著者が取り上げた7大事件とは、「京都連続晒し首事件」、「八月十八日の政変」、「池田屋事件」、「長州藩VS幕府」、「薩長同盟締結」、「坂本龍馬暗殺」、「白虎隊と会津戦争」である。時期としては文久2年(1862)から慶応3年(1867)である。この間は6年間であり、タイトルにある幕末15年ではないが、タイトルの方は嘉永6年(1853)の…
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「幕臣たちの明治維新」 安藤優一郎 著

慶応4年閏4月に維新政府は、徳川宗家の相続人の田安亀之助(後の徳川家達)に、居城や領地は追って沙汰すると申し渡す。実際は静岡県で70万石は決まっていたが、彰義隊などが江戸にはいたから刺激的なことは伝えなかった。そして5月に彰義隊を滅亡させ、10日後に徳川家達に通達。そして8月に家達らは駿府城に入る。 この時、幕府には旗本が6000…
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