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「司馬遼太郎全集18 戦雲の夢」司馬遼太郎著

長宗我部元親の息子の長宗我部盛親の物語である。私の好きな小説である。元親は晩年に嫡子信親を島津との戸次川の戦いで亡くした後は気力が衰え、秀吉亡き後を探る政局にも無関心となって秀吉没後に死ぬ。 元親には二男、三男がいたが、末子の盛親が跡をとるように元親生前に定める。次男は病死したが、三男は津野家に入り津野孫次郎親忠となる。盛親を家老の久…
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「はじめて読む人のための人間学」藤尾秀昭 著

いただいた本である。雑誌「致知」の編集長が執筆した本であり、この雑誌が取り上げる孔子から二宮尊徳、松下幸之助、安岡正篤などの言を紹介しながら、要は人間は環境や他人のせいにしないで、自分自身の心の成長を常にはかりながら生きていくことが大切ということをくりかえし説いている。 当たり前のことだから、以上のように書くと、何の面白みも感じぜ…
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「源氏物語 時代が見える 人物が解る」谷沢永一解説 風巻景次郎・清水好子

刀剣に関する論文を次から次へと書いていたから、アウトプットに追われ、インプットの読書などは、関係する資料の渉猟・読み込みに終始していた。 この本は、久し振りに谷沢永一氏の名前をみたので読んだ。私は谷沢氏の著作は好きであり、この本は谷沢氏が書いた部分は解説だけだが、碩学の谷沢氏が選択した風巻景次郎と清水好子の文章を取り入れて、良い本…
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「司馬遼太郎全集18 夏草の賦」司馬遼太郎著

長宗我部元親の物語である。元親の妻となった美濃の斎藤内蔵助利三(後に明智光秀の重臣)の妹の菜々も主人公並みに物語に登場させている。この一族には石谷光政(兄弟)や春日局(斎藤利三の娘)などが出ている。そして当時の岐阜城下での絶世の美人として描いている。元親は長宗我部家に外部の優秀な血を入れようとして、土佐と商売をしていた堺の商人に頼み、彼…
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「<通訳>たちの幕末維新」木村直樹 著

 長崎のオランダ通詞が、幕末・維新期の時代の変革に応じて、対応してきたかを書いている。幕末・維新期だけでなく、この制度が出来た時から解説し、通詞が関係する事件(シーボルト事件など)のことにも触れている。  通詞は町人身分で、大通詞、小通詞の身分があり、家は世襲である。医者としての副業を持つか、貿易に参与するとか、長崎の諸藩の蔵屋敷…
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「関ヶ原前夜」光成準治 著

 副題に「西軍大名たちの戦い」とあるように、毛利家、宇喜多家、上杉家、島津家の当時の動きを、できるだけ一次資料に準拠して明らかにしようとしている。精読するのが大変な内容のある書物である。  西軍に属した大名の史料は、徳川時代になって編纂されたものだと、どうしても幕府への遠慮が入る。そして、それが通説になっていると著者は述べる。この通り…
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「秘録 島原の乱」 加藤廣 著

「信長の棺」でデビューした小説家の遺作とのことである。 豊臣秀頼が大坂の陣後にも生きていて、明石掃部とともに薩摩に隠れ、島津維新入道義弘の力添えで住むところから小説ははじまる。福島正則の無念の最期に立ち会った女剣士小笛と忍者小猿が、「秀頼公の命は助ける」というような家康から福島正則への文書(実は偽書)を携えて薩摩の秀頼の元に来る。 …
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「古代出雲を歩く」平野芳英 著

出雲風土記などを参考に、出雲地方を散策する人には興味深い本だと思うが、私は出雲に土地勘がまったくなく、読んでも頭に入らなかったというのが実情である。 興味深く読んだのは、「第6章 銅剣と銅鐸と谷神の地を歩く」であった。銅剣が4列、358本と銅鐸6個と銅矛16本も出土した荒神谷遺跡(出雲市斐川町町神庭西谷)のことである。 荒神谷遺跡は…
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「信長軍の合戦史」渡邊大門編 日本史史料研究会監修

織田信長が関与した戦いを取り上げ、その一ずつを日本史史料研究会に所属する学者が分担執筆したものである。 各著者の執筆姿勢には僅かな違いがあるが、自分の主張(説)を述べると言うスタンスではなく、その戦いに関する現在の歴史研究者の様々な見解を客観的に整理している。通説に毒された頭には良い本である。 桶狭間の戦いでは、まず義元が尾張に…
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「司馬遼太郎全集17 新史太閤記」司馬遼太郎 著

 司馬遼太郎らしい解釈で豊臣秀吉の性格、魅力を書いた本で面白かった。秀吉は寺の稚児であったとして物語ははじまる。確かに秀吉の基礎的教養(文字を知り、書く能力)などは単なる百姓の倅だけでは説明できないもので、寺で身に付けたと言う解釈は自然である。そして、銭勘定の計数感覚に長けていて、商人的な感覚を持っていたとする。  なお、この物語…
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「本当はブラックな江戸時代」永井義男著

表題や装幀は軽い感じの本であるが、中味はしっかりした本である。江戸時代をリサイクル社会だったとか、治安が良かったとかと賛美する風潮もあるが、やはり前近代であり、色々と問題があったと指摘している。 確かに私の世代は汲み取り式便所を知っていて、その悪臭を知っているが、今の人には想像もつかないのかもしれない。 まず、江戸時代の商家への就職…
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「司馬遼太郎全集16 風の武士」司馬遼太郎 著

 全集16に「十一番目の志士」と一緒に収録されている「風の武士」という時代小説である。  司馬遼太郎が大衆時代小説家であった初期の作品である。舞台は幕末で、主人公は幕府御家人の次男で柘植信吾である。御家人と言っても伊賀者の末裔である。時代小説らしく主人公は剣(居合)の達人で父から忍術の初歩も教わっている。司馬の小説らしく魅力的な女性が…
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「司馬遼太郎全集16 十一番目の志士」司馬遼太郎 著

 全集16は「十一番目の志士」と「風の武士」という時代小説が収録されている。「十一番目の志士」は幕末の長州で、高杉晋作に見出された周防国鋳銭司村の百姓の子で、家伝の二天一流(宮本武蔵創出)の達人という天堂晋助を主人公にしている。鋳銭司村は聞いたことがあると思う。大村益次郎の出身地である。ただし、大村益次郎は一切出て来ない。  高杉の意…
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「徳川がつくった先進国日本」磯田道史著

この本は著者がNHK教育テレビで「さかのぼり日本史 江戸 ”天下泰平”の礎」の番組を企画した時の放送内容をまとめたものである。だから読みやすいが、江戸時代を大きく4つに分けている。それが磯田氏が本当に分けたかったのか、テレビの都合によるのかはわからないが、一つの考え方として興味深い。宝永地震を時代の区切りとしているのは東日本大震災を意識…
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「所持銘のある末古刀」横田孝雄 著

調べものがあり、標記の本を読んだ。一部に時代が室町中期にまで上がる刀工のも所載されているが、全国の末古刀期の刀工作品から、中心(なかご)に所持銘(為打ち銘)のある刀を網羅されている労作である。 ただし、銘鑑的に網羅されていて、それぞれの所持銘についての考察は少ない。他の方が考察した論文のタイトルを案内した箇所もある。 その代わり…
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「江戸の画家たち」小林忠 著

江戸時代の絵画を、「得意の技法」「好みの主題」「画賛物の楽しみ」「見立絵の鑑賞」の4章に分けて述べている。  そして、各章においても、何人かの画家を取り上げ、その画家の一つの作品(中には複数)を取り上げて、各章のテーマに即して解説している。これは、それぞれの篇が連載物として発表したことによる。だから一話で完結していて読みやすく、内容も…
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「司馬遼太郎全集15 豊臣家の人々」司馬遼太郎 著

 全集15に「関ヶ原 2」と一緒に収録されている小説である。文字通り、豊臣家の親族や養子、猶子であった殺生関白こと豊臣秀次、金吾中納言こと小早川秀秋、宇喜多秀家、北政所、大和大納言こと豊臣秀長、駿河御前、結城秀康、八条宮、淀殿・その子に章は分かれている。  秀次は秀吉の姉「おとも」の子である。阿波の名族三好家の名跡を継いで三好秀次…
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「倭寇と勘合貿易」 田中健夫 著

前期倭寇は日本の南北朝時代から室町時代にかけて朝鮮半島を主要対象として中国大陸沿岸に行動したもの。後期倭寇は応仁の乱後に、文禄・慶長の役にいたる間、主として東シナ海、南洋方面に活動したものである。 前期倭寇は日本の三島(対馬、壱岐、松浦地方か)の民が食糧を略奪する為に朝鮮半島を荒らす。だから米の運搬船と備蓄倉庫を狙う。人も拐かし奴隷で…
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「司馬遼太郎全集14、15 関ヶ原」司馬遼太郎 著

 以前に読んだ時は非常に面白いと感じたが、今回の再読では、それほどとは思わなかった。以前の読書での知識が、新鮮さを奪っているのかもしれない。あるいは他の資料で関ヶ原の戦いのことを何度も目にしているからなのだろうか。  天下分け目の関ヶ原の戦いと言っても「戦争は政治・外交の一手段」だから、戦いそのものよりも、戦いに至るまでの、それぞれの…
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「明治維新とは何だったのか」半藤一利・出口治明 著

2人の対談集であり、ペリー来航から西南戦争頃までを、「1.幕末の動乱を生み出したもの」「2.御一新は革命か内乱か」「3.幕末の志士たちは何を見ていたのか」「4.近代日本とは何か」と言う章立てで論じている。 1章では、ペリーの最大の目的は南北戦争後に急成長をしたアメリカ経済の受け皿にアジア市場が大事となり、その為の太平洋航路の開拓とある…
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「画商のこぼれ話」 種田ひろみ著

おいだ美術を経営している画商のエッセイである。おもしろいのは贋作に関係する話である。中国陶磁器のことや山下清の贋作などの話が紹介されている。山下清の事件は、著者がいない時の画廊に「父親の喜寿の祝いに父が好きな山下清の作品を贈りたいが、お宅にあるか?」との電話がある。価格の方は相場に任せるというような内容である。「生憎、今は無いが、仲間業…
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「アジアのなかの戦国大名」鹿毛敏夫 著

「なるほど」と思った本である。室町時代から戦国時代にかけて西国の大名は中国、朝鮮、東南アジア諸国との貿易に目を向けていた。日本の天下取りよりも、そちらの方が関心事だったのかもしれないと思うようになる。 周防の大内氏は朝鮮との通交が大半だったが、宝徳3年(1451)の遣明船派遣において足利義政が幕府が船を仕立てることができないから諸…
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「大坂侍」「泥棒名人」「けろりの道頓」 司馬遼太郎 著

 「司馬遼太郎全集13 俄 浪華遊侠伝」に所載の3つの短編である。「大坂侍」は大坂人の気質をうまく書いていると言うか、少し極端に描いていると言うべきか、興味深いものである。  主人公は幕末の大坂の川同心で十石三人扶持である鳥居又七である。同心は一代限りの雇いだが、子を推薦することで代々と家を繋いできている。鳥居の家は長篠合戦で勇名を馳…
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「司馬遼太郎全集13 俄 浪華遊侠伝」 司馬遼太郎 著

 幕末~明治にかけて大坂で活躍した明石屋万吉の物語である。面白い小説である。明石屋万吉の父は幕府隠密の明井采女である。十一代将軍家斉の内命を受けて、大坂の高級幕吏の身辺を探っていたが、家斉が死去した為に復命の機会を失って浪人したという設定である。北野村の百姓の娘を妻として、明石屋儀左衛門の養子となり、名も九兵衛と改める。万吉はその長男で…
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「北斎漫畫」永田生慈 監修・解説

葛飾北斎の「北斎漫画」の初編から十五編までを一冊にまとめ、解説を加えた分厚い本(959頁)である。金工村上如竹の馬の姿態が、ここに描かれているかと思い、全ページを概観した。 解説によると、早くから西洋の人に高い評価を受けていたのが、富嶽三十六景ではなく、この北斎漫画だったと言うことだ。 いずれも巧みなデッサンであり、動植物図譜であり…
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「司馬遼太郎全集11 国盗り物語(後編)」 司馬遼太郎 著

 後編は織田信長の物語となっているが、明智光秀のウェイトも高く、2人の物語である。それは斎藤道三の衣鉢を継ぐのが娘婿の信長と道三の妻の縁戚の光秀という位置づけで、光秀は道三に可愛がられ薫陶を受けていたという設定だからである。  昔、読んだ時は織田信長中心の物語だったという印象が強かったが、今回、再読すると明智光秀のウェイトがかなり高い…
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「渡来人とは何者だったか」武光誠 著

古代史では渡来人という言葉が出てくる。これは歴史学の用語で「飛鳥時代以前に、朝鮮半島から日本へ移住してきた人々」のことである。だから鑑真のように奈良時代に唐から来た人には使わない。 渡来人で有力だったのが、飛鳥地方南部を本拠とした東漢(やまとのあや)氏で、蘇我氏の全盛時代に軍事面で助けて活躍する。 もう一つの集団は京都の太秦を本…
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「名画の読み方」木村泰司 著

この本は西洋美術を理解する上で大事なことが書いてあるが、一通りの西洋絵画の基礎知識が無いと理解するのは難しい本だ。同時に当時の西洋絵画がキリスト教の宗教画がメインであることから、キリスト教の知識(画題の理解)が無いと読みにくい。さらに言うと宗教画のもう一つのギリシャ神話の知識が必要だ。 19世紀までは、絵画は見るものではなく読むも…
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「司馬遼太郎全集10 国盗り物語(前編)」 司馬遼太郎 著

美濃の斎藤道三の物語である。後編がその娘婿の織田信長の話となる。さて斎藤道三は近年の研究によって、斎藤道三一代で美濃の国主になったのではなく、古文書「六角承禎条書写」によって、その父の長井新左衛門尉(別名:法蓮房・松波庄五郎・松波庄九郎・西村勘九郎正利)との父2代にわたるものではないかという説が有力となっている。 司馬遼太郎がこの…
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「司馬遼太郎全集9 功名が辻」 司馬遼太郎 著

山内一豊の妻千代と、山内一豊の物語である。織田信長の家臣で50石という小禄で「ぼろぼろ伊右衛門」と異名を持っていた山内一豊が、美濃で評判の美人という千代を嫁にもらって、千代の内助の功もあって土佐24万石の一国一城の主となった経緯を小説にしている。 冒頭は結婚式の当日からはじまる。千代の父は浅井家家来の若宮喜助で、千代が4歳の時に戦…
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