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「石油に頼らない 森から始める日本再生」養老孟司+日本に健全な森をつくり直す委員会

 この本は、民主党政権になった時に森林行政についての政策を、標記の委員会として提言したものをベースに、その委員か関係者が、主張、意見を個別に書いている本ではないかと想像する。  森を通しての環境問題と、日本の林業再生の2つの視点が含まれている。後者の視点は、ある程度、林業を知らないとわからない内容であり、私には読み難い。  各章…
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「「マツ」の話 -防災からみた一つの日本史-」(池谷浩著)

 著者は建設省で砂防に携わってきた専門家である。「なるほど」と思える話もあり、興味深かった。  章立ては「1.日本のマツ」「2.土砂災害とマツ」「3.天井川とマツ」「4.土砂災害対策のはじまり」「5.21世紀の防災を考える」「6.マツはどこから来てどこへいくのか」である。  まず序章として、日本の森林率(国土面積に対する森林面積)は…
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「有職の文様」池修著

調べ物をしている過程で、この本を見つけ、読んだ。 有職(ゆうそく)と宮中や公家の官職や儀式、装束や調度を指す。そして、これらの装束や調度には特有の文様が使用される。公家などは、このような古くからの決まり事で権威を保ってきたことが理解できる。 これらの文様は大陸からのものもあるし、平安時代以降に和風化して伝えられたものもある。 …
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「天正伊賀の乱」和田裕弘著

この本は、織田軍によって殲滅されたという天正伊賀の乱を、上質な史料が少ない中で、公家など周辺の者の日記などから説き明かそうとしている。  構成は、「序章 伊賀国の特殊性」「1.乱勃発前夜」「2.織田信長と伊賀衆の関係」「3.北畠信雄の独断と挫折」-第一次天正伊賀の乱「4.織田軍の大侵攻-第二次天正伊賀の乱」「5.伊賀衆残党の蜂起-第三…
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「森林異変」田中淳夫 著

 この本は森という植物・環境の視点ではなく、産業としての林業という視点で書かれた本である。著者は林業という産業に、かなり詳しい人で、森林ジャーナリストとして幾つかの本を上梓している。だから私のような門外漢には内容が難しい。  21世紀になると、国産材の需要が高まる。現場に大型の機械が入って大規模な伐採も行われている。しかし造林がなされ…
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「いちからわかる円山応挙」岡田秀之 著

 円山応挙は写生で一世を風靡したことは知られている。それまでの狩野派などの絵は型があり、画家はその型を摸写するのが修業であり、世の人も型を評価して楽しんだ。  応挙も狩野派の画家に入門する。その後、円満院門跡の祐常門主に出会い、描く対象をそのまま描く写生になるとある。門跡の没後は、三井家などの支援者を得て人気は高まる。  著者は…
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「花粉症は環境問題である」奥野修司著

 この本は花粉症患者でもある著者が、その元兇は、スギの過大な植林にあると結論づけた経緯を書いている。  まず「1.ぼくの花粉症戦争」で、著者が花粉症対策として、様々なことを試みた経緯が記されている。印象的なのは沖縄に出向くと、花粉症がまったく出なくなるという経験談である。まず「減感作療法」というアレルゲンエキスを注射する方法を試み、民…
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「森の力」(宮脇昭著)

 高名な植物生態学者であり、「森づくり」そのものを実践している宮脇昭氏の著作である。次のような章立てになっている。「プロローグ 30年後の「ふるさとの森」に入ってみよう」「1.原点の森」「2.始まりは雑草から」「3.日本の森の真実」「4.木を植える」「5.”宮脇方式”」「6.「天敵」と呼ばれた男」「7.いのちと森」「8.自然の掟」「エピ…
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「水俣の海辺に「いのちの森」を」(宮脇昭、石牟礼道子著)

 植物生態学者で、災害に備えて「鎮守の森」を全国に作ろうと運動されている宮脇昭氏と、水俣病の惨状を書いた作家の石牟礼道子氏の対談である。  水俣に、「大廻りの塘(うまわりのとも)」と言われている場所(広い、土手に囲まれた地帯でヤブツバキやアコウなどが生えていた)や、その周辺を「いのちの森」として復活させようとする石牟礼氏の要請に応えて…
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「日本史小百科 宿場」児玉幸多編

 江戸時代の宿場のことを色々と調べている。他に『日本の道路がわかる事典』(浅井建爾著)、『道と路がわかる事典』(浅井建爾著)、『地図と写真から見える日本の街道 歴史を巡る』(街道めぐりの会編集)、『近世の東海道』(本多隆成著)、『道が語る日本古代史』(近江俊秀著)、『ものと人間の文化史 道Ⅱ』(武部健一著)、『宿場と街道-五街道入門-』…
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「司馬遼太郎全集44 菜の花の沖3」司馬遼太郎著

 全集の「菜の花の沖」も、この巻で最後であり。この巻は冒頭に「ロシア事情」が2章にわたって記されている。これまでの各巻のブログは次の通りである。 司馬遼太郎全集42 https://mirakudokuraku.at.webry.info/202201/article_4.html 司馬遼太郎全集43 https://mirakud…
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「オランダ商館長が見た江戸の災害」フレデリック・クレインス著

江戸時代に長崎に来たオランダ商館長は、業務の為に日記を書いていた。商館長は赴任すると一度は江戸に参府して将軍に挨拶をする。だからその道中のことや、江戸でのことなども記録として残っている。その日記から、江戸時代の災害のことが書かれている部分を訳して、紹介した本である。磯田道史氏が適宜注釈的文章を挿入している。  この本は「1.明…
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「司馬遼太郎全集43 菜の花の沖2」司馬遼太郎著

 高田屋嘉兵衛を主人公にした司馬遼太郎の長編(全集で3巻)の2巻めである。 (1巻めのブログ、https://mirakudokuraku.at.webry.info/202201/article_4.html) いよいよ自分の持船として1500石積みの船:辰悦丸(船具の装備も含めて1400両の費用がかかる)で蝦夷地交易に本格的…
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「鎖国の正体」鈴木荘一 著

 明治維新、昭和史に関して、多くの著作を上梓されてきた鈴木氏が安土桃山時代から江戸時代初期までを、「キリスト教の伝来と普及、そして禁教・弾圧の流れ」を書いたものである。その結果としての鎖国に言及されている。  伝来してきたキリスト教に関して、詳しく、かつわかりやすく、私であれば本のタイトルを「日本にきたキリスト教の正体」の方がふさ…
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「板谷峠の死闘」日暮高則著

 私の知人が初めて書いた時代小説である。副題に「赤穂浪士異聞」とあるが、大石内蔵助と対比して語られる家老・大野九郎兵衛に、実はこんな隠れた役割・物語があったのだと言うことを書いた小説である。  ストーリーの詳細は敢えて記さないが、赤穂浪士の物語における悪役大野九郎兵衛のイメージを覆すような著者の筋立てはストーリー・テラーとしての才能を…
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「折口信夫」植村和秀著

 折口信夫の評伝だが、折口の様々な分野における思想・発想・考え方を著者なりに分析した本である。  折(おり)口(くち)信夫(しのぶ)は民俗学者、国文学者、神道学者であり、釈迢空(しやくちようくう)の名前で歌人である。そして國學院と慶応義塾大学の教授を務めている。このように幅広い学問・文芸分野で業績をあげた巨人である。だから我々のような…
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「意匠の天才 小村雪岱」原田治、平田雅樹、山下裕二ほか

 画家であり、本の装幀家であり、挿絵画家であり、舞台美術家の小村雪岱を取り上げた本である。  泉鏡花との縁が深い人である。本の装幀で才能を開花させたのだが、それは泉鏡花の推奨があった。それまで泉鏡花の本の装幀は鏑木清方が行っていた。雪岱という画号も泉鏡花が名付けたとある。妻も泉鏡花の世話で娶るとある。雪岱は鏑木清方も大事にしていた。 …
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「西郷隆盛と大久保利通の明治維新」鈴木荘一著

 この本はなかなか興味深い内容である。本のタイトルだけ見ると西郷と大久保の事績を辿ったもののように思えるが、著者鈴木氏なりの明治維新の真相追究の研究結果が著されている。  本の構成は、第1章から第4章までは、明治維新後の西郷隆盛の業績と、西郷が唱えたという征韓論の本当の内容と、西南戦争までを記述する。そして第5章からの後半は若い時期の…
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葛飾地誌3部作(『葛飾記』『葛飾誌略』『勝鹿図誌手繰舟』)

 今、郷土史関係の調べものをしており、葛飾地区(具体的には市川市)のことを書いた江戸期の本に当たる。  葛飾地誌3部作とも言われているのが『葛飾記』『葛飾誌略』『勝鹿図誌手繰舟』であり、私が今回、紐解いたのは、それぞれの解説本の次ぎの書籍である。調べものが主眼であり、全部を読んだわけではない。  『『葛飾記』の世界』(鈴木和明著) …
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「戦国武将の肖像画」二木謙一、須藤茂樹 著

 肖像画には寿像(生前に描かれたもの)と「遺像」(死後に描かれたもの)があり、もちろん信頼性が高いのは寿像である。寿像には本人の思いがこめられているが、遺像は追善、顕彰などの目的がある。  肖像画は平安時代からある。鎌倉時代には中国から禅宗の肖像画形式(頂相(ちんそう)が伝わる。武将の肖像画では神護寺の「伝・源頼朝」がある。この絵…
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「司馬遼太郎全集42 菜の花の沖1」司馬遼太郎著

 高田屋嘉兵衛の物語である。淡路島の貧しい農家に生まれ、兵庫で船乗りになり、後に船を入手して蝦夷地貿易に携わり、廻船問屋として財をなす。函館の開発、千島航路の開拓などに貢献し、ゴローニン事件が起きた時に、ロシア側に拿捕されたが、解決に尽力する。晩年は郷里の港の整備など社会資本充実にも貢献した偉人である。  司馬遼太郎全集で3巻にもなる…
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「明暦の大火 「都市改造」という神話」岩本馨著

著者は建築、都市設計の視点から研究されているようで、興味深い内容であった。大火前と大火後の江戸の地図、大名屋敷の位置などを史料から細かく分析して、明暦の大火の焼失範囲や、大火後の復興状況の実際を明らかにしている。 有名な「むさしあぶみ」は、大火の実情を表す史料として評価されているが、この本は著者浅井了意が誰かに聞いてまとめた物語で…
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「維新の後始末」野口武彦著

 幕末の歴史を書いている著者の新書である。週刊新潮に連載したものを本にしたと「はしがき」にある。だから一話が短いから読みやすい。言い換えると、読み流してしまい、後に印象が残らないきらいがある。  「第一部明治夢幻録」として22の物語が収録されていて、「第二部明治反乱録」として22の物語である。大きく2つに分けているが、収録されている物…
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「和歌文学大系75 左千夫歌集」永塚功著

 伊藤左千夫は『野菊の墓』の小説が有名だが、本質は歌人であることを知る。上総の国の出身で、この頃は豪農であったが、父親は東金藩の士族で、上総の地で江戸後期に興った上総道学(山崎闇斎の儒学が基本)の学者であった。そういうことで漢学や儒学、和歌などの勉強もしていたようだ。若い頃は政治家志望だったが、眼病で法律の勉強ができずに、牛乳搾乳業を東…
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「城と隠物の戦国誌」藤木久志著

 戦乱の世では、洋の東西を問わずに、民衆は自分や家族の身を守る為に領主の城に逃げ込み、領主は民衆を守り、民衆はそこで雑兵となって戦い、また普請の手伝いをしたり、食事の支度などで手伝ったことが記されている。そして戦乱の世では自分の大切なものを寺社や穴蔵に隠すということをやっていたことを史料から明らかにしている。  はじめに中国の古代…
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「<武家の王>足利氏」」谷口雄太 著

 この本は、戦国末期まで、に力も無い足利将軍が存立しえたのは何故かということを考察した本である。  将軍としての足利氏が、利用する側に利益があったから活用されたと言う説(山田康弘氏が唱える)がある。この本の著者は、足利氏に武家の王として価値(武家の王としての秩序意識、序列意識)があったということを述べている。  一般に政治学では支配…
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「美術展の不都合な真実」古賀太 著

日本の美術館は、企画展に多くの入場者が集まるが、平常時の展示(常設展)は人がまばらというのが現実である。それは世界(西洋)とは違うということを書いて、今後の美術館の展示に問題意識を呈している。 1日当たりの入場者数が多い世界の展覧会(2018)に、日本では6位に国立新美術館の「東山魁夷展」6819人、9位に東京国立博物館の「縄文展…
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「明治、このフシギな時代」矢内賢二編

 この本は,、このような講座が開かれ、その内容を書籍化した本である。次の5章に分かれており、章ごとの執筆者が異なる。「第1章<演劇>市川団十郎は大根役者だったのか」、「第2章<美術>三井(三越)呉服店と美術」、「第3章<文学>恋人たちの明治文学史」、「第3章<文学>恋人たちの明治文学史」「第4章<音楽>明治のうたごえ」「第5章<暮らし…
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「日本美術の底力」山下裕二 著

 面白い本である。まずはじめに、日本の美術の底流に縄文土器の意匠の流れと弥生土器の意匠の流れがあるとする。縄文とは「装飾的」「動的」「過剰」という流れである。弥生とは「洗練」「シンプル」「静的」「淡泊」とする。  そしてこれまで日本美術では弥生の美が、日本の美として評価されてきた。建築における日光東照宮と桂離宮の評価の差を見れば理解で…
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「ベイリィさんのみゆき画廊」牛尾京美著

 この本は銀座にあった「みゆき画廊」の主人であった加賀谷澄江氏の思い出を記した本である。加賀谷氏は東芝の重役で、後に東芝の不動産会社の共同建物の社長を務めた加賀谷小太氏の娘である。加賀谷小太氏は早稲田の政経の出身だが、建築にも造詣が深く、また絵画が好きで香月泰男などの絵画を多く買っていたようだ。  加賀谷澄江氏は戦後に一時、アメリカ軍…
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