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「江戸時代の「格付け」がわかる本」 大石学 著

江戸時代は身分がやかましい世界であった。この本は、大名、武家、農民、町人などの身分格付けや、食べ物などの番付などを紹介して興味深い。新書であり、読みやすく、簡潔にまとめている。 官位は古代の律令制が基本だが、時代が下がると、当初の令になかった官職(これを令外官と呼ぶ)が増え、征夷大将軍もそうである。正一位、従一位に太政官の太政大臣、二…
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「気象で見直す日本史の合戦」松嶋憲昭 著

日本史の出来事を当日の天気と照らし、考察するという本であるが、読み難くいと感じるのは天候のこと以外のことに触れているからであろうか。 取り上げた事件は桶狭間の戦い、本能寺の変、備中高松城の水攻め、中国大返し、関ヶ原の戦い、文永・弘安の役、稲村ヶ﨑の伝説である。 天候のことがわかる資料は少なく、また不完全なものが多い。一方で著者は天気…
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「軍事の日本史」 本郷和人 著

歴史学は軍事のことをまともに研究してこなかったと本郷氏は述べる。そして日本人が好きな軍事は「鵯越の逆落とし」や「桶狭間の奇襲」などだとして、小人数で大軍を破るような話が取り上げられるおかしさを説く。 そして戦いは①戦術、②戦略、③兵站の3つが鍵。そして戦いに勝つ為には、④兵力、⑤装備、⑥大義名分が大事になると真っ当な議論をしていくのだ…
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「歴史の余白」浅見雅男 著

副題に「日本近現代こぼれ話」とあるが、明治から昭和にかけての様々な分野の有名人に関するこぼれ話を幅広く集めた本である。 著者は、戦前の要職にあった人物の日記のことについても詳しく、そのような日記資料から得た話も多い。また日記に関して、公開された時の意図、校訂ミスのことなどの指摘も興味深い。 皇族の話も多く、例えば明治天皇には5人…
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「正社員が没落する」堤未果、湯浅誠 著

昔、読んだ本だが、調べ物があり、再読する。湯浅氏は「年越し派遣村」の村長をつとめた人物で、堤氏はアメリカの実情を『ルポ 貧困大国アメリカ』に著したジャーナリストである。 この2人で、日本でも格差社会が拡大している実情を述べ、対談している本である。2009年の出版であるが、現在の方がオリンピック需要もあり、景気も好転しているが、状況は大…
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「バテレンの世紀」 渡辺京二 著

この本は、日本と西洋がはじめて出会った戦国時代後期から、キリシタン禁教令でオランダ以外との交流が絶えるまでの間の壮大な交流物語を書いている。倭寇や、日本の朱印船のことや、東南アジア各地にできた日本人町のことなどの記述は少ない。ポルトガル、オランダなどの西洋との交流が中心である。 ポルトガルが国王権力を社会各層の力も得て確立し、15…
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「美の猟犬 安宅コレクション余聞」伊藤郁太郎 著

この本は安宅産業で、安宅英一氏に仕え、安宅氏が美術品を蒐集する時に補佐していた著者が、安宅氏の思い出、人柄、蒐集態度、蒐集の裏話などを書いた本である。実際の安宅氏のコレクションである中国陶磁、朝鮮陶磁の名品の写真と解説もあり、そこは美しく楽しい。 「美の猟犬」とは安宅英一氏のことかと思い、違和感を感じていたが、著者の伊藤氏のことな…
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「武士道 侍社会の文化と倫理」笠谷和比古 著

興味深く、読みやすく、内容が豊富な本である。武士道に関する本としては、新渡戸稲造の名著「Bushido」が有名だが、学会からは「武士道は明治になってから作られた造語である」とか、津田左右吉のように武士道賛美論に反対する意味も含めて、武士道とは裏切りと下克上の暴力的行動だと述べる向きもあった。 この本で著者は「武士道」という言葉が出てい…
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「黒船以降」 山内昌之、中村彰彦 著

副題に「政治家と官僚の条件」とあるように、幕末の各人物の事績・人柄を著者2人の対談で浮かび上がらせている本である。内容豊富な面白い本であった。山内氏はイスラム史など世界史の権威であり、幅広い視点も面白い。中村氏は歴史小説家で幕末の会津のことなどを書いて、幕末の歴史全体に豊富な知識を持つ。 本は「徳川官僚の遺産」「徳川斉昭と水戸学」…
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「語り継ぐこの国のかたち」半藤一利 著

この本は著者が色々な雑誌等で発表したものを取りまとめた本である。表題に含まれる「この国のかたち」とは司馬遼太郎の造語であり、評論である。それを借りて、老齢になった著者の思いを書いたものをまとめている。 著者の言わんとするところは次の通りである。「2度と戦争をするような国になるな」、「政治家は正しく、国の現在及び将来の本当に為になること…
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「真田丸の謎」千田嘉博 著

この本は大河ドラマ「真田丸」開始の2ヶ月前に出版されており、便乗本の一つである。 従来、真田丸は大坂城の外側に張り出していたと考えられていたが、広島浅野家の文書に「摂津 真田丸」というものがあり、それは大坂城とは離れた場所にあって、当時の地形を生かした出城であったことが判明した。 このことも、NHKの番組でも取り上げており、それを本…
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「興津彌五右衛門の遺書」「阿部一族」「堺事件」 森鴎外 著

森鴎外の時代小説である。「興津彌五右衛門の遺書」は細川三斎の臣で、長崎で安南からの船が輸入した珍しい品を購入するように同僚と派遣された主人公が、一番良い香木を買おうとする。伊達家も、それを狙っていて、値が釣り上がる。同僚はそこまで高い値で買うようなものでなく、一ランク落ちたものでもいいのではと言うが、主人公は主命だからと譲らず、結局、こ…
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「いちまき」 中野翠 著

「いちまき」とは同一の血族集団という意味だそうであり、この書は著者の曾祖母にあたる中野みわ氏が遺した『大夢 中野みわ自叙伝』という和紙に筆書きの書物と出会ったことから著者が自分の一族のことを調べていった本である。 中野みや氏は安政6年に生まれ、その実家は関宿藩久世家の江戸家老を務めていた木村家である。父の木村正右衛門正則は佐倉藩の岩瀧…
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「負け組の日本史」山本博文 著

日本史において、ある局面で敗者となった人物に焦点を当てて、その人物や子孫が、後に復活したとか言うエピソードを簡単に取りまとめたものである。 全部で70の話題を取り上げている。だから、当然に1つの挿話は短く、読みやすい。その70を「1.「節目の大戦」で敗れた負け組」、「2.しぶとく「生きのびた」負け組の執念」、「3.意外と「出世した」負…
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「戦乱と民衆」磯田道史、倉本一宏、F・クレインス、呉座勇一

この本は、国際日本文化研究センター(日文研)に所属する学者が、一般公開シンポジウム「日本史の戦乱と民衆」を開催し、その時の講演録・議事録等をまとめたものである。 倉本一宏が白村江の戦いに駆り出された民衆のことを、呉座勇一が土一揆と応仁の乱での民衆のことを、F・クレインスが大坂の陣における民衆の動向を、磯田道史が幕末の禁門の変の時の京都…
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「戦争の日本史16 文禄・慶長の役」中野等 著

何で秀吉が朝鮮出兵をしたのかは、この本を読んでもよくわからなかった。誇大妄想の果てなのだろうか。 また講和交渉は朝鮮ではなく、明が前面に出ているが、これは今の米軍と中国軍と同様な朝鮮半島の宿命であることが理解できた。明は朝鮮のことなど本当には思っておらず、自国第一なのだ。 また講和交渉ではトップ(秀吉、明の皇帝)の考えとは別に交渉担…
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「日本史の内幕」磯田道史 著

この本は、わかりやすい文章、わかりやすい語り口で人気の歴史学者磯田道史氏が、雑誌や新聞などに投稿した歴史小話(こういう表現でいいのかは疑問であるが)を一冊の本にまとめたものである。 だから全部で64ほどの話が収められており、「1.古文書発掘・遺跡も発掘」、「2.家康の出世街道」、「3.戦国女性の素顔」、「4.この国を支える文化の話」、…
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「現代語訳 家忠日記」中川三平編

徳川家康の家臣松平家忠(後に伏見城で鳥居元忠とともに戦死)の日記の現代語訳である。一次史料としてよく使われるものであり、興味を持っていたが、現代語訳ということで紐解いた。 我々の日常がどうと言うことのない日々が続くように、この日記も大半はどうと言うことのない日常が簡単に記述されている日記である。現存するのは天正五年十月十六日から文禄三…
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「鉄の文化誌」島立利貞著

世界における製鉄の歴史を中心に、鉄に関わる日本刀や鉄道やエッフェル塔などのことを幅広く書いている。日本刀のことは刀の作り方で、私には既知のことである。製鉄の話はこの本も含めて色々の本を読むが今一つ理解できない。理科系の話になるからか、言葉が専門用語になるためか、私の理解力不足かはわからないが。ただし書中において提示されたデータの中には面…
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「戦国武器甲冑事典」中西豪・大山格監修

副題に「戦術、時代背景がよくわかる」とあるが、日本の武器や甲冑などについてカラーでの図解中心にまとめたものである。 大きく武具と甲冑に分け、武具は刀、槍・薙刀、弓、鉄砲、忍具の5章である。甲冑は甲冑の変遷、胴、小具足、着用次第、兜、陣羽織、馬具、合戦武具、武将甲冑、家紋の10章に分かれている。 刀のことは当方がわかっていることが…
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「西洋美術史から日本が見える」木村泰司 著

表題は標記の通りの本だが、内容は西洋美術史を学び、ヨーロッパのエスタブリッシュメントと交友がある著者が、日本の軽薄な欧州模倣文化を批判するといった本である。 著者の日本人風潮批判には共感できるところも多いが、西洋美術史のことなどほとんど出てこない本であり、私にとっては内容が薄い、時間潰しの本だった。
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「考える江戸の人々」柴田純 著

江戸時代における大名から庶民(書いたものが残っている庄屋クラスまで)までの生き方、考え方を説き明かした本である。 中世は神仏がこの世界を支配しており、人が英雄的行為をしても、それは人の功績ではなく神仏の加護と認識されていた。蒙古襲来でも神仏に祈るのが基本であった。 応仁の乱以降、社会が混乱。神仏の権威に懐疑心が生まれる。またヨーロッ…
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「楽市楽座はあったのか」長澤伸樹 著

良い本である。著者は楽市楽座に関して現存する全史料に当たり、それが発布された背景や、その後のことまで詳しく分析している。また先行する研究者の論も幅広く紹介している。そして参考文献における参考とした部分までキチンと載せている。 このような本だけに読みやすくはない。またタイトルは売る為だと思うが、センセーショナルな表現となっている。我々の…
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「武士道と日本型能力主義」笠谷和比古 著

興味深く、面白く参考になる知見に富んだ面白い本である。著者は武士道とは何か、そして武士道が江戸時代においてどのように具体的に運用されたかを明らかにする。そして身分制社会の中で工夫された足高の制などによる人材登用制度が日本的な年功序列制度につながり、欧米とは違った日本の経済発展を支えたことを明らかにしている。 そして、その制度を欧米の能…
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「甦る画家たち」 堀晃著

絵が好きな著者が、世の中にはあまり知られていないが、評価に値すると思った画家を取り上げて簡単に紹介している。著者が住んでいる名古屋を中心とした東海地方の画家が多く、44人ほど取り上げている。 私が名前を知っている画家は真野紀太郎、菅野圭介、野口謙蔵、片多徳郎、加賀孝一郎、伊藤久三郎などくらいである。もちろん名前だけをチラッとということ…
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「竹内栖鳳 芸苑余話」 平野重光 著

竹内栖鳳は「東の大観、西の栖鳳」と称された巨匠である。先年、国立近代美術館で展覧会があり、その時にライオンを描いた屏風などの大作で、かつ西洋画的な屏風などを拝見し、「なるほど、凄いものだな」と感じた記憶がある。時に見かける小品とは格段の差があった。 著者は竹内栖鳳に関する本を共著も含めて2冊上梓しているようだが、この本は執筆の過程…
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「最期の絵 絶筆をめぐる旅」 窪島誠一郎 著

画家を20人取り上げ、その絶筆=最期に発表したとされる絵画を紹介しながら、その画家についてのエピソードを記している本である。 この中では野田英夫の「野尻の花」は信濃デッサン館で観て、実にいい絵だなと印象に残っている。この本で野田英夫のアメリカ人の妻は野田の最期を見届けずにアメリカに帰国するが、共産党員であって、野田の死も何か組織が関係…
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「江戸の外交戦略」 大石学 著

標記のテーマに即して、わかりやすくまとめられている本である。章ごとの終わりに参考文献が明記されていているのもありがたい。 全10章は「1.鎖国前史ー東アジア世界の変動と第一次グローバリゼーション」「2.豊臣秀吉のグローバリゼーション対応」「3.戦後処理と鎖国の道」「4.鎖国体制-「四つの口」と琉球・蝦夷」「5.通信使外交の展開」「6.…
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「戦争の日本史17 関ヶ原合戦と大坂の陣」笠谷和比古 著

視点が斬新で、かつ興味深く、また著者の頭脳が整理されていることを証明するように読みやすい本である。 著者の言わんとするところを私なりに整理すると次の通りである。 ①関ヶ原の前に、豊臣政権内で石田三成方と加藤・福島など七将の間で、朝鮮の陣に起因する対立がある。これで三成襲撃事件が起きる。なお三成は家康屋敷ではなく、自分の伏見の屋敷に逃…
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「戦国武将を育てた禅僧たち」小和田哲男 著

「なるほど」と思った書物である。この本によると、禅の教えは儒学と結びついていて、儒学は人間の道、政治のあり方などを教示してくれる。すなわち禅で戦国武将は統治者としての心構え、思想を学んだということが記されている。 禅門で学ぶ学問には兵法の書も含まれている。また易学とも強い結びつきがあり、この結果として禅僧から、戦国武将の軍師と呼ばれる…
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