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「司馬遼太郎全集3 竜馬がゆく 1」司馬遼太郎 著

 大作の「竜馬がゆく」である。全集本で3冊に別れているから、1冊ずつ感想を記していく。再読すると、さずがによくできた小説だと感心する。  冒頭は龍馬が江戸へ剣術修行に行くところから始まる。ここで竜馬を取り巻く乙女姉さんをはじめとする家族や富裕な家が紹介される。富裕な家と言っても郷士であり、土佐藩の上士と郷士の身分意識は繰り返し述べられ…
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「兜率天の巡礼」司馬遼太郎著

 全集2所載の不思議な短編である。終戦後に洛西嵯峨野の上品蓮台院に訪れ、その壁画(何度も修復されているものだが)を失火で焼失せしめた大学教授の話である。もちろん小説だから事実がどれだけ含まれているのはわからない。  この教授はポツダム政令で大学を追われたことになっている。教授はここに描かれている天女に執心していた。  その経緯として…
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「伊賀の四鬼」 司馬遼太郎 著

 全集2所載の忍者物の短編である。戦国の頃に名を知られた四人の伊賀者がいたと伝わる。音羽の城戸、柘植の四貫目、湯船の耳無、岩尾の愛染明王である。  音羽の城戸は信長が伊賀平定した時に、信長を狙撃して、跡に来夏参上と書いて去る。その来夏に本能寺の変がおこり信長は殺される。もちろん明智の仕業だが、そこに音羽の城戸がいた可能性もあるのではと…
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「果心居士の幻術」 司馬遼太郎 著

 全集2所載の忍者物の短編である。物語は大和の当麻村の田植え時に、その田植え歌を楽しんでいた領主の弟たちが8人が、周りの人が気が付かない内に殺されることからはじまる。  この土地の領主は筒井順慶の与力であり、これを聞いた順慶は何かを感づき、織田信長に松永弾正が謀反と伝える。信長が何故、そのように判断するのかを問うと、あのような殺人は松…
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「飛び加藤」 司馬遼太郎 著

 全集2所載の忍者物の短編である。「飛び加藤」と称せられる忍者だから、木の枝から枝へと飛び移るのが得意な忍者だと思って読みはじめたが、そうではなく、集団催眠術をかけるのが得意な忍者である。 京の街中で、小男だが釣り上がった目が異常に光りを帯びた武士風体の者が、さまざまな口上を述べて、真言を唱え、これから、この大きな牛を呑み込む…
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「戈壁の匈奴」 司馬遼太郎 著

 全集2所載の短編である。戈壁はゴビと読む。このような難しい言葉が沢山出てきて、司馬遼太郎の学識が窺える。  物語は1920年にイギリスの退役大尉が口径1㍍、高さは人の身丈も超えるような玻璃の壺を発見したことから始まる。半月後に、以前にこのあたりを調査したスタイン探検隊の長に問い合わせると、彼から、これは西夏の遺物ではあるまいか。…
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「最期の伊賀者」 司馬遼太郎 著

 全集2に所載の短編である。江戸幕府が成立し、伊賀忍者も服部半蔵以下、200人が御家人として幕府に傭われる。 その棟梁の服部半蔵正成が逝去し、跡を継いだのが半蔵正就である。正就は忍者というより大身の旗本で五千石の身分に安住し、妻も松平定勝の娘という身分になる。  正就の屋敷に奇異なことが次々に起きる。これらに関して、正就は配下の…
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「風神の門」司馬遼太郎 著

 司馬遼太郎全集2の「風神の門」である。司馬遼太郎が初期に書いていた忍者ものの時代小説である。  主人公は伊賀者の霧隠才蔵で、舞台は関ヶ原の戦いが終わり、これから徳川方と大坂方の争いが想定される時期の京都から始まる。  才蔵は堺の商人の為に情報を取ったりする仕事についており、八瀬の里にある茶屋に郎党と一緒に湯を浴びにいくところから始…
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「理心流異聞」司馬遼太郎 著

 これも全集12所載の短編である。天然理心流の道場にいた北辰一刀流の沖田総司の逸話である。  三多摩地区で、近藤の代稽古に出向いた途中、3人連れの武芸者に出会う。相手は名乗らないが、沖田の名を知っており、試合を申し込まれる。他流試合は禁止だからと言ってその場を去り、近藤、土方にこのことを伝える。  沖田から、これら連中は脛(すね)当…
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「大夫殿坂」 司馬遼太郎 著

 司馬遼太郎全集12所載の短編である。この作品は、作州津山藩の大坂屋敷勤めの武士が死去し、その跡目を剣も使える弟が継ぐことからはじままる。  兄の跡目を継いで大坂に来て見ると、藩邸のものも、何となく兄の死の真相を隠しているように感じる。そこで真相を探るべく、動きだすのだが、藩邸の者はこぞって詮索はやめるように言い、女遊びに誘う。そこで…
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「越後の刀」司馬遼太郎 著

 竹俣兼光を司馬遼太郎が物語にした小説で、全集12所載である。  主人公を栃尾源左衛門(元上杉家の藩士で牢人している)として、京都の借家で「おもよ」という妻と暮らす。生活は「おもよ」が面倒をみていて源左衛門は働かない、京の町を歩き回っているだけの男なので「おもよ」の金も無くなりつつあった。  時代は大坂の陣の後に設定している。あ…
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「岩見重太郎の系図」司馬遼太郎 著

 司馬遼太郎全集12に所載の短編である。面白い小説で傑作だと思う。薄田大蔵という人物が主人公である。大坂で梶派一刀流の道場主として世を送っている。  あるとき、大坂から奈良に出向く用があり、そこで2人の武士が戦っているのに遭遇する。大蔵は剣術道場の主であり、仲裁に入ろうとした。しかし双方から黙殺され、戦いが続き、一人が死に、もう一人の…
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「宮本武蔵」 司馬遼太郎著

 冒頭は「街道をゆく」みたいな調子で、武蔵の故郷、作州讃甘郷(さなも)郷宮本村を訪れ、そこで武蔵と同姓の新免さんに出会ったりする。  播州との境で、母は播州人という想定である。本来は平田が姓で、平田無二斎の子として生まれる。ここ一帯の領主は新免伊賀守という。無二斎は地下牢人だったが、若い時は将軍義昭の御前試合で十手術で吉岡憲法から3本…
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「北斗の人」司馬遼太郎 著

 『司馬遼太郎全集12 北斗の人 宮本武蔵』に所載である。北辰一刀流を立てた江戸時代後期の千葉周作のことを伝記的に書いた小説である。  周作は陸奥の国に生まれる。百姓身分で父は馬医であったが、千葉家の祖父が北辰夢想流という剣術を編み出したとある。父もまた百姓ながら剣術を嗜み北辰夢想流を継いでいた。  父はそれなりの山っ気がある人物と…
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「愛染明王」司馬遼太郎 著

これは福島正則の生涯、性格を描いた短編である。その性格を彼の生涯における逸話を繋げながら、粗暴、短気、勇敢、異常に名誉心が強い、酒乱、だけど愛嬌があって部下思い(病的な人情深さ)、可愛げがあるというように描いている。 この性格を裏付けるように、少年の頃の殺人事件を起こしたことから始まる。酒乱で、酔って正体を失い、その時に部下に切腹…
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「おれは権現」司馬遼太郎 著

これも全集8に収められている短編で、福島家の家臣・可児才蔵の物語である。本人は自分自身には山城愛宕の勝軍地蔵(愛宕権現)が乗り移っていると信じていた。そして最期もこの地蔵の縁日である二十四日に死ぬと預言していていた。 福島家の大身となった現在も妻が無く、子もいない。これまでも多くの女性が側女として仕えるが子に恵まれず、このままでは…
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「花房助兵衛」司馬遼太郎 著

司馬遼太郎全集8に所載の短編で、宇喜多家の家来の花房助兵衛の話である。秀吉にも遠慮しない剛強な侍大将として記述は進む。 小田原の陣の時に、秀吉が滞在しているところに下馬せずに通りかかり、警備のものと揉める。それを見ていたのが出雲の歩き巫女の吉備之助である。この時に花房助兵衛の落とした袋を拾う。中には小壺があり、そこに小さな骨が入ってい…
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「覚兵衛物語」司馬遼太郎 著

この短編も、司馬遼太郎全集8に所載で、加藤清正の家来の飯田覚兵衛の物語である。 飯田覚兵衛が老年になって若い女が側室としてあがってくる。覚兵衛が若い時に馴染んだ女性と似ている。そこで覚兵衛が昔語りをする。 覚兵衛は山城の山﨑村で15まで過ごす。百姓の子でサイ八と呼ばれていた。後に同じく加藤家の家老になった森本儀太夫とも幼友達であった…
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「雨おんな」司馬遼太郎 著

この短編も、司馬遼太郎全集8に所載である。出雲の歩き巫女の「おなん」という女性が主人公である。関ヶ原合戦の時に、たまたま、この地にお供の者(与阿弥、市)と3人と旅をしていた。 夜、西軍に属した宇喜多家の稲目左馬蔵に最初に犯される。朝方には東軍に属した福島家の尾花京兵衛に犯される。ともに戦の前に女と交じると武運があるという言い伝えをつげ…
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「侍大将の胸毛」司馬遼太郎 著

 司馬遼太郎全集8に所載の短編の一つである。この巻の短編は戦国時代の脇役である豪傑を主人公にしたものが続く。これは渡辺勘兵衛のことを書いている。  関ヶ原後に主君藤堂高虎の命を受けて大葉孫六が、勘兵衛に自家への仕官を勧めに行くところから物語りは始まる。この後、司馬遼太郎は藤堂高虎のことに触れるが、世渡りが上手で戦が下手のような印象…
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「売ろう物語」司馬遼太郎 著

 これも司馬遼太郎全集8に所載の短編の一つである。後藤又兵衛と同郷で幼馴染みの同姓同名の商人が主人公であるが、後藤又兵衛のことを書いている。  黒田家が筑前で大封を得た時に又兵衛は一万六千石になる。商人の又兵衛は、又兵衛に連絡して筑前での商売の伝手を得ようとする。幼い頃は、同姓同名なので頭の形から武将の方は「なまず又兵衛」、商人の方は…
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「言い触らし団右衛門」 司馬遼太郎 著

全集8に所載の短編の一つである。大坂の陣で活躍した塙団右衛門(ばん だんえもん)を取り上げている。この人の事績もよくわからないようだが、数少ない良い漢詩が残されているそうだ。戦国乱世にしか生きられない人物で、戦いでは先頭を切って敵陣に突っ込んで槍働きをする人物である。 人柄、風貌などは作者の想像だろうが豪傑らしく描写している。遠州横須…
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「尻啖え孫市」 司馬遼太郎著

司馬遼太郎全集8の「尻啖え孫市」である。読みやすい小説だが、自治会からみの仕事が多く、なかなか時間がとれなかった。 紀州雑賀の鉄砲隊を率いた雑賀孫市を主人公にした痛快な時代小説である。時代小説と書いたが、雑賀孫市は実在した歴史上の人物であるから歴史小説でもいいのだが、ほとんど事績がわからない人物である。それを司馬遼太郎が女好きで鉄砲の…
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「燃えよ剣」司馬遼太郎著

司馬遼太郎全集の第6巻である。以前読んだ時のことはすっかり忘れているが、導入部はこんな小説だったのかと新鮮であった。 私が自分で定義している時代小説と歴史小説の違いは、時代小説は主人公は架空(例えば忍者)ということで、歴史小説は主人公は歴史上の人物で一応の事績は知られている人物というところが違う。この小説は歴史小説であるが、前半の新撰…
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「微光のなかの宇宙-私の美術観-」 司馬遼太郎 著

司馬遼太郎全集1が忍者物の時代小説であり、少し毛色の違ったものを読もうとして、全集の65に収録されているものを選ぶ。これには「街道をゆく 十四」も収録されている。 「微光のなかの宇宙」には司馬遼太郎が美術について書いた次のエッセイが集められているが、私にはあまり面白くなかった。歯切れの悪い評論と感じる。 「裸眼で」「密教の誕生と…
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「上方武士道」 司馬遼太郎 著

これも司馬遼太郎全集の第1巻に収録されているものだ。昔、読んでいるはずなのに、まったく記憶がない小説であった。再読して理由がわかった。要は司馬遼太郎作品の中で最も出来のよくない作品だからだ。 主人公は京都の公家の出身で、剣術がやたらに強い。そして大坂の薬問屋の養子になるのだが、ある門跡から江戸行きの隠密行動を頼まれる。密命を帯びて…
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「江戸・東京の地震と火事」山本純美 著

この著者の「江戸の火事と火消」は以前に読んだことがあるが、この本では現代の東京の火事・防災のことも書いていて、今を生きる人々の防災にも役立つような視点でとりまとめられている。 第1章から第5章までは「江戸の火事」「火消の組織」「江戸の防災組織」「江戸の防災対策」「水との闘い」と江戸時代の話が中心だが、「第6章 地震の恐怖」、「第7章 …
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「武士の日本史」高橋昌明著

この本は、武士は東国ではなく、都で生まれたと最初に唱えた著者の本である。武士誕生の経緯を「1.武士とはなんだろうか」「2.中世の武士と近世の武士」で説き、「3.武器と戦闘」では実際の戦闘の様子を書いている。今のテレビドラマ的な立ち回りの否定である。 「4.「武士道」をめぐって」「5.近代日本に生まれた「武士」」では、今、我々がイメージ…
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「武士の起源を解きあかす」 桃崎有一郎 著

馴染みが無い平安期のことが多く、私には読み難い本であったが面白い本であった。この人が解き明かした武士の起源が本当のような気がする。 武士が東国という地方で生まれたという説が一般的だったが、高橋昌明氏が武具も騎射などは都の衛府(軍事部門の役所)で生まれたのではないかとの魅力的な論を展開している。このブログでも高橋昌明氏の「武士の成立…
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「もっと知りたい茨城県の歴史」小和田哲男 監修

今、ちょっとモノを書いており、読む方は調べることが中心になっている。この本は郷土史的な本であり、興味深いところがある。大きく茨城県の史跡、信仰、事件、人物、文化・生活に分けて記述されている。  「史跡」では、次のようなことが記されている。  古代の常陸は新治、筑波、茨城、那珂、久慈、多那の国に別れていたそうで、筑西市の葦間山古墳…
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