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「興津彌五右衛門の遺書」「阿部一族」「堺事件」 森鴎外 著

森鴎外の時代小説である。「興津彌五右衛門の遺書」は細川三斎の臣で、長崎で安南からの船が輸入した珍しい品を購入するように同僚と派遣された主人公が、一番良い香木を買おうとする。伊達家も、それを狙っていて、値が釣り上がる。同僚はそこまで高い値で買うようなものでなく、一ランク落ちたものでもいいのではと言うが、主人公は主命だからと譲らず、結局、こ…
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「いちまき」 中野翠 著

「いちまき」とは同一の血族集団という意味だそうであり、この書は著者の曾祖母にあたる中野みわ氏が遺した『大夢 中野みわ自叙伝』という和紙に筆書きの書物と出会ったことから著者が自分の一族のことを調べていった本である。 中野みや氏は安政6年に生まれ、その実家は関宿藩久世家の江戸家老を務めていた木村家である。父の木村正右衛門正則は佐倉藩の岩瀧…
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「負け組の日本史」山本博文 著

日本史において、ある局面で敗者となった人物に焦点を当てて、その人物や子孫が、後に復活したとか言うエピソードを簡単に取りまとめたものである。 全部で70の話題を取り上げている。だから、当然に1つの挿話は短く、読みやすい。その70を「1.「節目の大戦」で敗れた負け組」、「2.しぶとく「生きのびた」負け組の執念」、「3.意外と「出世した」負…
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「戦乱と民衆」磯田道史、倉本一宏、F・クレインス、呉座勇一

この本は、国際日本文化研究センター(日文研)に所属する学者が、一般公開シンポジウム「日本史の戦乱と民衆」を開催し、その時の講演録・議事録等をまとめたものである。 倉本一宏が白村江の戦いに駆り出された民衆のことを、呉座勇一が土一揆と応仁の乱での民衆のことを、F・クレインスが大坂の陣における民衆の動向を、磯田道史が幕末の禁門の変の時の京都…
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「戦争の日本史16 文禄・慶長の役」中野等 著

何で秀吉が朝鮮出兵をしたのかは、この本を読んでもよくわからなかった。誇大妄想の果てなのだろうか。 また講和交渉は朝鮮ではなく、明が前面に出ているが、これは今の米軍と中国軍と同様な朝鮮半島の宿命であることが理解できた。明は朝鮮のことなど本当には思っておらず、自国第一なのだ。 また講和交渉ではトップ(秀吉、明の皇帝)の考えとは別に交渉担…
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「日本史の内幕」磯田道史 著

この本は、わかりやすい文章、わかりやすい語り口で人気の歴史学者磯田道史氏が、雑誌や新聞などに投稿した歴史小話(こういう表現でいいのかは疑問であるが)を一冊の本にまとめたものである。 だから全部で64ほどの話が収められており、「1.古文書発掘・遺跡も発掘」、「2.家康の出世街道」、「3.戦国女性の素顔」、「4.この国を支える文化の話」、…
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「現代語訳 家忠日記」中川三平編

徳川家康の家臣松平家忠(後に伏見城で鳥居元忠とともに戦死)の日記の現代語訳である。一次史料としてよく使われるものであり、興味を持っていたが、現代語訳ということで紐解いた。 我々の日常がどうと言うことのない日々が続くように、この日記も大半はどうと言うことのない日常が簡単に記述されている日記である。現存するのは天正五年十月十六日から文禄三…
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「鉄の文化誌」島立利貞著

世界における製鉄の歴史を中心に、鉄に関わる日本刀や鉄道やエッフェル塔などのことを幅広く書いている。日本刀のことは刀の作り方で、私には既知のことである。製鉄の話はこの本も含めて色々の本を読むが今一つ理解できない。理科系の話になるからか、言葉が専門用語になるためか、私の理解力不足かはわからないが。ただし書中において提示されたデータの中には面…
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「戦国武器甲冑事典」中西豪・大山格監修

副題に「戦術、時代背景がよくわかる」とあるが、日本の武器や甲冑などについてカラーでの図解中心にまとめたものである。 大きく武具と甲冑に分け、武具は刀、槍・薙刀、弓、鉄砲、忍具の5章である。甲冑は甲冑の変遷、胴、小具足、着用次第、兜、陣羽織、馬具、合戦武具、武将甲冑、家紋の10章に分かれている。 刀のことは当方がわかっていることが…
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「西洋美術史から日本が見える」木村泰司 著

表題は標記の通りの本だが、内容は西洋美術史を学び、ヨーロッパのエスタブリッシュメントと交友がある著者が、日本の軽薄な欧州模倣文化を批判するといった本である。 著者の日本人風潮批判には共感できるところも多いが、西洋美術史のことなどほとんど出てこない本であり、私にとっては内容が薄い、時間潰しの本だった。
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「考える江戸の人々」柴田純 著

江戸時代における大名から庶民(書いたものが残っている庄屋クラスまで)までの生き方、考え方を説き明かした本である。 中世は神仏がこの世界を支配しており、人が英雄的行為をしても、それは人の功績ではなく神仏の加護と認識されていた。蒙古襲来でも神仏に祈るのが基本であった。 応仁の乱以降、社会が混乱。神仏の権威に懐疑心が生まれる。またヨーロッ…
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「楽市楽座はあったのか」長澤伸樹 著

良い本である。著者は楽市楽座に関して現存する全史料に当たり、それが発布された背景や、その後のことまで詳しく分析している。また先行する研究者の論も幅広く紹介している。そして参考文献における参考とした部分までキチンと載せている。 このような本だけに読みやすくはない。またタイトルは売る為だと思うが、センセーショナルな表現となっている。我々の…
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「武士道と日本型能力主義」笠谷和比古 著

興味深く、面白く参考になる知見に富んだ面白い本である。著者は武士道とは何か、そして武士道が江戸時代においてどのように具体的に運用されたかを明らかにする。そして身分制社会の中で工夫された足高の制などによる人材登用制度が日本的な年功序列制度につながり、欧米とは違った日本の経済発展を支えたことを明らかにしている。 そして、その制度を欧米の能…
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「甦る画家たち」 堀晃著

絵が好きな著者が、世の中にはあまり知られていないが、評価に値すると思った画家を取り上げて簡単に紹介している。著者が住んでいる名古屋を中心とした東海地方の画家が多く、44人ほど取り上げている。 私が名前を知っている画家は真野紀太郎、菅野圭介、野口謙蔵、片多徳郎、加賀孝一郎、伊藤久三郎などくらいである。もちろん名前だけをチラッとということ…
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「竹内栖鳳 芸苑余話」 平野重光 著

竹内栖鳳は「東の大観、西の栖鳳」と称された巨匠である。先年、国立近代美術館で展覧会があり、その時にライオンを描いた屏風などの大作で、かつ西洋画的な屏風などを拝見し、「なるほど、凄いものだな」と感じた記憶がある。時に見かける小品とは格段の差があった。 著者は竹内栖鳳に関する本を共著も含めて2冊上梓しているようだが、この本は執筆の過程…
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「最期の絵 絶筆をめぐる旅」 窪島誠一郎 著

画家を20人取り上げ、その絶筆=最期に発表したとされる絵画を紹介しながら、その画家についてのエピソードを記している本である。 この中では野田英夫の「野尻の花」は信濃デッサン館で観て、実にいい絵だなと印象に残っている。この本で野田英夫のアメリカ人の妻は野田の最期を見届けずにアメリカに帰国するが、共産党員であって、野田の死も何か組織が関係…
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「江戸の外交戦略」 大石学 著

標記のテーマに即して、わかりやすくまとめられている本である。章ごとの終わりに参考文献が明記されていているのもありがたい。 全10章は「1.鎖国前史ー東アジア世界の変動と第一次グローバリゼーション」「2.豊臣秀吉のグローバリゼーション対応」「3.戦後処理と鎖国の道」「4.鎖国体制-「四つの口」と琉球・蝦夷」「5.通信使外交の展開」「6.…
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「戦争の日本史17 関ヶ原合戦と大坂の陣」笠谷和比古 著

視点が斬新で、かつ興味深く、また著者の頭脳が整理されていることを証明するように読みやすい本である。 著者の言わんとするところを私なりに整理すると次の通りである。 ①関ヶ原の前に、豊臣政権内で石田三成方と加藤・福島など七将の間で、朝鮮の陣に起因する対立がある。これで三成襲撃事件が起きる。なお三成は家康屋敷ではなく、自分の伏見の屋敷に逃…
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「戦国武将を育てた禅僧たち」小和田哲男 著

「なるほど」と思った書物である。この本によると、禅の教えは儒学と結びついていて、儒学は人間の道、政治のあり方などを教示してくれる。すなわち禅で戦国武将は統治者としての心構え、思想を学んだということが記されている。 禅門で学ぶ学問には兵法の書も含まれている。また易学とも強い結びつきがあり、この結果として禅僧から、戦国武将の軍師と呼ばれる…
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「日本の金」彌永芳子 著

著者は「彌永北海道博物館」を運営しており、特に北海道の産金の歴史やアイヌ文化を研究している人と著者紹介にある。なんとなく脈絡が通らない展覧会のカタログ的な本である。 北海道の産金の歴史は文書が残っている範囲では江戸時代の松前藩政からになるが、それ以前の日本の産金史についても触れている。 まず陸奥の産金があり、それは天平21年(749…
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「ペンシルワーク 生の深い闇から」 木下晋 著

鉛筆を使い、精緻と言う表現を超えて、内面まで刻み込み、抉るような絵を画く木下晋の画文集である。木下氏が折に触れて、新聞、カタログ、雑誌などの発表した文章をまとめ、それに書き下ろしの文章も織り込んで編集されている。 絵の方は、厚手の紙質のページで、多く掲載されている。木下氏がモデルとして取り上げた人は、最後の瞽女として人間国宝にもな…
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「日本の歴史19 文明としての江戸システム」鬼頭宏 著

講談社の日本の歴史シリーズである。表題のように、江戸時代を政治的事象、人物の事績、文化・芸術などは取り上げずに、江戸時代といものを全体システムととらえようとしている意欲的な本である。具体的には人口の推移、生産量の推移と生産品目の変化や、それをもたらした耕地面積の推移、働き手である当時の農村の家庭事情、結婚、離婚、出生率なども調べて明らか…
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「もっと知りたい 千葉県の歴史」小和田哲男 監修

この本は千葉県に関する歴史的事項を「史跡篇」「信仰篇」「事件篇」「人物篇」「文化・生活篇」に分けて簡単に説明している。簡単だけに断片的であるが、こんなことがあったのとか、こんな人物がいたんだということがわかる。 「史跡篇」では縄文時代の貝塚の遺跡が約700と多いこと、また古墳も1300も確認さrていて兵庫に次いで全国2位であること…
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「戦国京都の大路小路」 河内将芳 著

戦国時代の京都は上京と下京の2つに分かれていたとの話は知っていたが、この本は具体的に地図に落とし込んでおり、よく理解できた。 また洛中洛外図などの絵を駆使して、それら市街地を廻らせていた土塀や堀の様子もよくわかる。堀を掘った土で、土塀を作り、要所に門があるが、その門のいくつかには櫓がある。土塀で囲まれた全体が惣構となる。 堀の中には…
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「私家版 大きな時計」 舟越保武 著

昨日、本箱を整理していたら、標記の本が出てきた。外箱に入っていて、中の本にはパラフィン紙もかかったままで、読んだような痕跡も無い本である。 私は舟越保武の良いデッサンを所有しており、その縁で購入して読んだ本だと思うが、改めて再読した。この人は彫刻家が本業であるが、文章においても、「巨岩と花びら」というエッセイで、日本エッセイスト・クラ…
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「細川忠利」 稲葉継陽 著

細川忠利とは細川忠興(三斎)の跡を継いだ大名である。この本で認識を新たにしたところがあり、興味深い本であった。副題に「ポスト戦国時代の国づくり」とあるが、戦国期の細川忠興(三斎)の時代から、天下泰平の時代=徳川幕府に気を遣う時代に、どのように国づくりを行い、対処していたのかを明らかにしている。今は永青文庫に伝わる細川家の膨大な文書をもと…
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「日本の色を知る」吉岡幸雄 著

江戸時代から続く家業の染色屋を営んでいる著者の本であり、季節ごとの色にちなんだ風物を取り上げ、季節の情景を身の周りから浮かび上がらせ、これらのことが詠われている昔の物語や和歌などを紹介している。 その中で、昔ながらの染色方法などの話が出てくるが、それが興味深い。 最終的に鮮やかに染め上がるのだが、その元となる植物を選定し、それを…
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「落日の豊臣政権」 河内将芳 著

副題に「秀吉の憂鬱、不穏な京都」とあるが、文禄年中の京都を中心とする地方の世情を記していて、なるほどと思うところがある。 秀吉の時代は 「慶長見聞集」に「弥勒の世」と記されたり、「大かうさまくんきのうち(太閤様軍記のうち)」に「太閤秀吉公御出生よりのこのかた、日本国々に金銀山野に湧き出て」とあるように、豪華絢爛な桃山時代と思われている…
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「日本美術読みとき事典」 瀬木慎一 著

日本美術の仏像と絵画について、その形式、様式、技法などを解説した本である。 仏像については仏の位階や仏の役割や、仏を守る天部、神将などの役割を解説している。簡単に述べると、阿弥陀如来などの如来が最高位で、次いで菩薩。天部とは吉祥天とか○○天と付く仏像で、神将は十二神将である。 絵は巻子、絵巻、掛軸、障壁画、屏風から錦絵(続き絵、…
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「ギリシャ人の物語Ⅲ」塩野七生 著

第Ⅲ巻は「第1部 都市国家ギリシャの終焉」、「第2部 新しき力」の構成である。 「第1部」ではスパルタがペロポネソス戦役に勝つが、スパルタの覇権はギリシャに前向きな影響を何ももたらさなかったことを書いている。 スパルタは軍事最優先の国、その軍事は最上位の階級のもので、階級制をあくまでも維持する国である。そして軍事以外の文化的なことは…
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