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「戦国 武士と忍者の戦い図鑑」小和田哲男、山田雄司 監修

 図解の簡単な本である。ただし忍者の話はともかくとして、武士の方ではなるほどと認識した記述もあった。  戦いにおける動員では、陣鐘を背中に背負った人物と、それを後ろから叩く人物が領内をまわって、合戦の有無を伝えたことや、同様に合戦時には太鼓を背負い(背負い太鼓)、それを後ろから叩き、進退の合図をすること、背負い太鼓の代わりに陣鐘、陣太…
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「一目置かれる知的教養日本美術鑑賞」秋元雄史 著

 軽薄なタイトルは編集部が売る為に付けたのだろうが、ポイントを押さえた日本美術の入門書で良い本である。ただし、校正が十分に出来ていないと感じるところもある。  まずはじめに西洋美術と比較しての日本美術の特徴をあげている。西洋美術が革命の美術(既存の芸術を壊して新しい芸術価値を生み出す)に対して、日本美術は継承の美術で、伝統が重んじられ…
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「司馬遼太郎全集22 妖怪」司馬遼太郎著

 時代を応仁の前に設定して、6代将軍足利義教が熊野詣に来た時に、現地の遊び女(元は熊野本宮の巫女らしいと設定)との間に出来たという出生の伝承を持つ源四郎を主人公にして、物語は展開する。  源四郎は、その出生の秘密から、京に出て将軍家に取り入ろうとする。京に向かう途中で腹大夫という山伏と出会う。山伏は京で印地(やくざ集団)の長にでもなろ…
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「蜜蜂と遠雷」恩田陸 著

 意欲的で面白い小説だ。芳ケ江国際ピアノコンクールに参加する天才的な3人の若者(カザマ・ジン、栄伝亜夜、マサル・カルロス・レヴィ・アナトール)を主人公に、そこに少し歳を取った28歳の男性音楽家(高島明石)を脇の主人公にして、天才達が競うピアノコンクールの世界を描いている。  小説家の作者は、天才達の音楽を語りながら、そこに「そもそも音…
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「司馬遼太郎全集21 義経」司馬遼太郎著

 義経の生涯を、幼時から頼朝から追われる身になって京都から九州に向かうところ(結局は九州に行くことができないのだが)まで書いて終えている。さすがに司馬遼太郎であり、よく知られた話を面白く小説にしている。  各登場人物の性格を、裏付けるエピソードに基づいて明確に書いて、物語の伏線にして厚みを出している。後白河法皇の権謀好きで変な好奇心(…
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「名将乃木希典と帝国陸軍の陥穽」鈴木荘一著

 この本は、司馬遼太郎が『坂の上の雲』で無能な乃木希典将軍、頑迷な伊地知幸介参謀長と評価したことに対して、逆に高く評価すべきと書いていて興味深い。そして児玉源太郎総参謀長は軍政家としては評価すべきだが、軍事能力は劣るとし、その作戦参謀の松川敏胤は優れているが、井口省吾は愚将と書いている。  鈴木氏は、これまでも国民文学になって愛されて…
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「司馬遼太郎全集20 加茂の水」司馬遼太郎著

 この物語の主人公は玉松操。岩倉具視の活動を文書起草で助けた人物である。鳥羽伏見の戦いの途中で登場した錦旗の考案者でもある。  下級公家の山本家(家禄150石)に生まれ、醍醐寺に入れられ、一山きっての学僧になったが、狷介な性格で堕落した僧を棒で打つなどして寺を出て、還俗した。50過ぎてのことである。  もちろん妻帯はせず、儒者のよう…
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「司馬遼太郎全集20 鬼謀の人」司馬遼太郎著

 大村益次郎(村田蔵六)の話である。長州の鋳銭村(すせんじ:今の山口市)の村医の出で、緒方洪庵の塾に学ぶ。そこで塾長までになったが27歳時に祖父の言いつけで村に戻り医者となる。塾の頃から医学だけでなく西洋の軍学の書を読んでいた。  蔵六は合理的な発想に終始したから愛想も言えず、医者としては流行らなかった。この性癖は生涯続き、反感も持た…
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「司馬遼太郎全集20 王城の護衛者」司馬遼太郎著

 会津藩の松平容保の物語である。はじめに会津松平家の歴史を語る。秀忠は妻を恐れたが、一度だけ侍女に手を付け、子が生まれる。信州高遠の保科家に預けられ成人する。秀忠には18歳時に目通りし、その死後、会津23万石を拝領する。家光の弟だが、家光をたて、実直に仕えて信頼される。家光の死に際して「宗家を頼む」と言われ、それを元に家訓を定める。その…
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「司馬遼太郎全集20 最期の将軍」司馬遼太郎著

 徳川慶喜の話である。慶喜は水戸の徳川斉昭と、正室の有栖川宮家の登美宮吉子との間で3男として生まれる。ちなみに徳川斉昭は藩政改革で業績を上げたが、優れているだけに独断的で、女色に卑しく、この面でも大奥から嫌われた。  慶喜は少年時代は七郎麿と呼ばれ、武芸に熱心だったが読書はきらいであり、斉昭から座敷牢に入れられたこともある。少年時代か…
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「司馬遼太郎全集20 酔って候」司馬遼太郎著

この小説には以下の4つの短編が含まれている。「酔って候」「きつね馬」「伊達の黒船」「肥前の妖怪」である。いずれも幕末に大名ながら活躍した人物を取り上げている。全体のタイトルにしている「酔って候」は土佐の山内容堂、「きつね馬」は薩摩の島津久光、「伊達の黒船」は伊予宇和島の伊達宗城、「肥前の妖怪」は肥前の鍋島閑叟の話である。もっとも「伊達の…
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「司馬遼太郎全集19、20 峠」司馬遼太郎著

 いい小説である。私は司馬遼太郎の小説の中で一番好きである。幕末に越後長岡藩士として誕生した河井継之助の物語である。  継之助の家は勘定奉行や新潟奉行などを務めたことがある上士で百二十石程度の家系である。代々の役職柄で、金銭の蓄えのある家で裕福であった。この冨が全国を遊学し、同時に芸者遊び、吉原での遊びも好きな人物像を作り上げる。 …
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「司馬遼太郎全集18 戦雲の夢」司馬遼太郎著

長宗我部元親の息子の長宗我部盛親の物語である。私の好きな小説である。元親は晩年に嫡子信親を島津との戸次川の戦いで亡くした後は気力が衰え、秀吉亡き後を探る政局にも無関心となって秀吉没後に死ぬ。 元親には二男、三男がいたが、末子の盛親が跡をとるように元親生前に定める。次男は病死したが、三男は津野家に入り津野孫次郎親忠となる。盛親を家老の久…
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「はじめて読む人のための人間学」藤尾秀昭 著

いただいた本である。雑誌「致知」の編集長が執筆した本であり、この雑誌が取り上げる孔子から二宮尊徳、松下幸之助、安岡正篤などの言を紹介しながら、要は人間は環境や他人のせいにしないで、自分自身の心の成長を常にはかりながら生きていくことが大切ということをくりかえし説いている。 当たり前のことだから、以上のように書くと、何の面白みも感じぜ…
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「源氏物語 時代が見える 人物が解る」谷沢永一解説 風巻景次郎・清水好子

刀剣に関する論文を次から次へと書いていたから、アウトプットに追われ、インプットの読書などは、関係する資料の渉猟・読み込みに終始していた。 この本は、久し振りに谷沢永一氏の名前をみたので読んだ。私は谷沢氏の著作は好きであり、この本は谷沢氏が書いた部分は解説だけだが、碩学の谷沢氏が選択した風巻景次郎と清水好子の文章を取り入れて、良い本…
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「司馬遼太郎全集18 夏草の賦」司馬遼太郎著

長宗我部元親の物語である。元親の妻となった美濃の斎藤内蔵助利三(後に明智光秀の重臣)の妹の菜々も主人公並みに物語に登場させている。この一族には石谷光政(兄弟)や春日局(斎藤利三の娘)などが出ている。そして当時の岐阜城下での絶世の美人として描いている。元親は長宗我部家に外部の優秀な血を入れようとして、土佐と商売をしていた堺の商人に頼み、彼…
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「<通訳>たちの幕末維新」木村直樹 著

 長崎のオランダ通詞が、幕末・維新期の時代の変革に応じて、対応してきたかを書いている。幕末・維新期だけでなく、この制度が出来た時から解説し、通詞が関係する事件(シーボルト事件など)のことにも触れている。  通詞は町人身分で、大通詞、小通詞の身分があり、家は世襲である。医者としての副業を持つか、貿易に参与するとか、長崎の諸藩の蔵屋敷…
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「関ヶ原前夜」光成準治 著

 副題に「西軍大名たちの戦い」とあるように、毛利家、宇喜多家、上杉家、島津家の当時の動きを、できるだけ一次資料に準拠して明らかにしようとしている。精読するのが大変な内容のある書物である。  西軍に属した大名の史料は、徳川時代になって編纂されたものだと、どうしても幕府への遠慮が入る。そして、それが通説になっていると著者は述べる。この通り…
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「秘録 島原の乱」 加藤廣 著

「信長の棺」でデビューした小説家の遺作とのことである。 豊臣秀頼が大坂の陣後にも生きていて、明石掃部とともに薩摩に隠れ、島津維新入道義弘の力添えで住むところから小説ははじまる。福島正則の無念の最期に立ち会った女剣士小笛と忍者小猿が、「秀頼公の命は助ける」というような家康から福島正則への文書(実は偽書)を携えて薩摩の秀頼の元に来る。 …
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「古代出雲を歩く」平野芳英 著

出雲風土記などを参考に、出雲地方を散策する人には興味深い本だと思うが、私は出雲に土地勘がまったくなく、読んでも頭に入らなかったというのが実情である。 興味深く読んだのは、「第6章 銅剣と銅鐸と谷神の地を歩く」であった。銅剣が4列、358本と銅鐸6個と銅矛16本も出土した荒神谷遺跡(出雲市斐川町町神庭西谷)のことである。 荒神谷遺跡は…
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「信長軍の合戦史」渡邊大門編 日本史史料研究会監修

織田信長が関与した戦いを取り上げ、その一ずつを日本史史料研究会に所属する学者が分担執筆したものである。 各著者の執筆姿勢には僅かな違いがあるが、自分の主張(説)を述べると言うスタンスではなく、その戦いに関する現在の歴史研究者の様々な見解を客観的に整理している。通説に毒された頭には良い本である。 桶狭間の戦いでは、まず義元が尾張に…
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「司馬遼太郎全集17 新史太閤記」司馬遼太郎 著

 司馬遼太郎らしい解釈で豊臣秀吉の性格、魅力を書いた本で面白かった。秀吉は寺の稚児であったとして物語ははじまる。確かに秀吉の基礎的教養(文字を知り、書く能力)などは単なる百姓の倅だけでは説明できないもので、寺で身に付けたと言う解釈は自然である。そして、銭勘定の計数感覚に長けていて、商人的な感覚を持っていたとする。  なお、この物語…
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「本当はブラックな江戸時代」永井義男著

表題や装幀は軽い感じの本であるが、中味はしっかりした本である。江戸時代をリサイクル社会だったとか、治安が良かったとかと賛美する風潮もあるが、やはり前近代であり、色々と問題があったと指摘している。 確かに私の世代は汲み取り式便所を知っていて、その悪臭を知っているが、今の人には想像もつかないのかもしれない。 まず、江戸時代の商家への就職…
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「司馬遼太郎全集16 風の武士」司馬遼太郎 著

 全集16に「十一番目の志士」と一緒に収録されている「風の武士」という時代小説である。  司馬遼太郎が大衆時代小説家であった初期の作品である。舞台は幕末で、主人公は幕府御家人の次男で柘植信吾である。御家人と言っても伊賀者の末裔である。時代小説らしく主人公は剣(居合)の達人で父から忍術の初歩も教わっている。司馬の小説らしく魅力的な女性が…
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「司馬遼太郎全集16 十一番目の志士」司馬遼太郎 著

 全集16は「十一番目の志士」と「風の武士」という時代小説が収録されている。「十一番目の志士」は幕末の長州で、高杉晋作に見出された周防国鋳銭司村の百姓の子で、家伝の二天一流(宮本武蔵創出)の達人という天堂晋助を主人公にしている。鋳銭司村は聞いたことがあると思う。大村益次郎の出身地である。ただし、大村益次郎は一切出て来ない。  高杉の意…
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「徳川がつくった先進国日本」磯田道史著

この本は著者がNHK教育テレビで「さかのぼり日本史 江戸 ”天下泰平”の礎」の番組を企画した時の放送内容をまとめたものである。だから読みやすいが、江戸時代を大きく4つに分けている。それが磯田氏が本当に分けたかったのか、テレビの都合によるのかはわからないが、一つの考え方として興味深い。宝永地震を時代の区切りとしているのは東日本大震災を意識…
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「所持銘のある末古刀」横田孝雄 著

調べものがあり、標記の本を読んだ。一部に時代が室町中期にまで上がる刀工のも所載されているが、全国の末古刀期の刀工作品から、中心(なかご)に所持銘(為打ち銘)のある刀を網羅されている労作である。 ただし、銘鑑的に網羅されていて、それぞれの所持銘についての考察は少ない。他の方が考察した論文のタイトルを案内した箇所もある。 その代わり…
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「江戸の画家たち」小林忠 著

江戸時代の絵画を、「得意の技法」「好みの主題」「画賛物の楽しみ」「見立絵の鑑賞」の4章に分けて述べている。  そして、各章においても、何人かの画家を取り上げ、その画家の一つの作品(中には複数)を取り上げて、各章のテーマに即して解説している。これは、それぞれの篇が連載物として発表したことによる。だから一話で完結していて読みやすく、内容も…
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「司馬遼太郎全集15 豊臣家の人々」司馬遼太郎 著

 全集15に「関ヶ原 2」と一緒に収録されている小説である。文字通り、豊臣家の親族や養子、猶子であった殺生関白こと豊臣秀次、金吾中納言こと小早川秀秋、宇喜多秀家、北政所、大和大納言こと豊臣秀長、駿河御前、結城秀康、八条宮、淀殿・その子に章は分かれている。  秀次は秀吉の姉「おとも」の子である。阿波の名族三好家の名跡を継いで三好秀次…
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「倭寇と勘合貿易」 田中健夫 著

前期倭寇は日本の南北朝時代から室町時代にかけて朝鮮半島を主要対象として中国大陸沿岸に行動したもの。後期倭寇は応仁の乱後に、文禄・慶長の役にいたる間、主として東シナ海、南洋方面に活動したものである。 前期倭寇は日本の三島(対馬、壱岐、松浦地方か)の民が食糧を略奪する為に朝鮮半島を荒らす。だから米の運搬船と備蓄倉庫を狙う。人も拐かし奴隷で…
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