テーマ:近世史

「教科書には書かれていない江戸時代」山本博文 著

面白い本であり、本当に教科書には出てこないような江戸時代に暮らした人の生活、行動、考え方などをわかりやすい文章で記述されている。私はこの人の文章は好きだ。 本の構成は”第1編 武家の世界”では、章が「1.武士の稼業も楽じゃない」、「2.参勤交代の経済学」、「3.武士の黄昏-幕末期の武家」になり、”第2編 庶民の世界”では「1.多様性の…
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「日本の近世 1 世界史のなかの近世」 朝尾直弘 編

この本は、江戸時代初期の海外との交流や貿易のことが中心に書かれている本だと思ったのだが、もっと幅広く記述されていてとまどった。 「1.「近世」とはなにか」「2.東アジアにおける幕藩体制」「.「鎖国」日本の海外貿易」「4.近世民衆仏教の形成」「5.日本語の近世」「6.近世文学に現れた異国像」「7.東南アジア「近世」の開始」「8.近世イギ…
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「逃げる公家、媚びる公家」渡邊大門 著

戦国時代の公家の実態を、具体的に何人かを抽出して記している。各地の公家の所領が武士に奪われ、きちんとした年貢が入らなくなり、公家の生活は窮乏していくことが背景にある。 そういう状況下に、自分の所領に自ら出向いて管理する公家、歌や学問の知識を武家に教授することでお礼を得ようとして地方有力者の元に下向する公家などの姿である。 一条兼…
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「江戸の長者番付」菅野俊輔 著

江戸時代の主な職業の年収を、現代価格に換算して興味深く並べ直した本である。 ここでは金1両=米1石=約16万2000円という換算率を用いている。また金1両=金4分=金16朱=銀60匁=4分銀=銭6500文としている。 私の本『江戸の日本刀』では金1両は40万円としている。何と比較するかで異なるが私は収入ベースを元にした日銀資料を用い…
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「歴史の愉しみ方」 磯田道史 著

先日、読んだ『歴史の読み解き方』と同様に、著者の磯田氏がいくつかの雑誌に寄稿した文章を集めて構成された本である。だから読みやすく、また著者の身辺(子供の頃や現在の歴史オタクぶり、家の状況、古本屋、骨董商とのやりとり)のことから書きはじめるなど興味深い。 大きく「忍者の実像を探る」「歴史と出会う」「先人に驚く」「震災の歴史に学ぶ」「…
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「歴史の読み解き方」 磯田道史 著

この本は、テレビにも登場する歴史学者の磯田氏の本であり、読みやすく、面白い。章立ては「江戸の武士生活から考える」「甲賀忍者の真実」「江戸の治安文化」「長州という熱源」「幕末薩摩の「郷中教育」に学ぶ」「歴史に学ぶ地震と津波」「司馬文学を解剖する」になっている。 「江戸の武士生活から考える」では、江戸時代が今の日本人の行動パターンの…
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「身分差社会の真実」 斎藤洋一+大石慎三郎 著

この本は「新書・江戸時代②」とも副題としてあるから、一連のものとして読んだ方がいいのかもしれないが、取りあえず、この本だけを読む。 プロローグに大石氏が江戸時代の差別社会の実態を概括的に述べ、以下の章は被差別部落のことを中心に述べている。 江戸時代は士農工商と言われるが、武士と町人(商人、農民)の区別はあるが、四民の区別は特に無かっ…
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「武士の町 大坂」藪田貫 著

私は『江戸の日本刀』を上梓したばかりだが、次は”大坂の日本刀”を書こうとしているのではないが、標記の本を読む。 大坂は”町人の町”、”天下の台所”と呼ばれ、司馬遼太郎も著者の中で大坂の町人は約200人程度で書いている。これに対して、著者は大坂にいた武士を再確認して約8000人はいたとしている。この書に限らず、歴史家は司馬遼太郎の影…
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「戦国夜話」 本郷和人 著

著者は東大史料編纂所の教授だが、くだけた文章でわかりやすく書いている。「週刊新潮」に連載された「戦国武将のROE」というコラムに書いたものだから、このように書いているわけだ。 新鮮な視点で論じており、驚かされることも多い。足利時代までは日本は統一されていたという概念よりも、近畿一円は幕府の支配が及ぶが、他地域は各地の守護大名まかせ的だ…
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「江戸日本の転換点 水田の激増は何をもたらしたか」 武井弘一 著

江戸時代の前期に、新田開発が全国的に盛んになる。そこにおける水田のある暮らしと、周りの生態環境の影響などを書いている本で変わった視点で興味深い。 加賀藩で村の有力百姓だった土屋又三郎の著作『耕稼春秋』などから、当時の農作業の実態を紹介しながら論を進めている。また別途、田中丘隅の著作も引用している。 加賀藩は公式には百二万石余だが…
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「なぜ、地形と地理がわかると江戸時代がこんなに面白くなるのか」 大石学監修

軽く読める本だが、認識を新たにするところもあった。この本で「なるほど」と思ったのは、家康が入る前、江戸はある程度栄えていたということが研究が進んでわかってきたということだ。家康に江戸が良いと秀吉が勧めたとか、家康の先見の明で選んだとかの言い伝えがあるが、当時は芦原が覆っていた寒村的なイメージなどがこれまでの説だが、確かにある程度の便利さ…
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「花の忠臣蔵」 野口武彦 著

忠臣蔵は、今は映画やドラマなどに取り上げられることは少ないが、日本人として共感できる心情が溢れた叙事詩である。 内匠頭への吉良の虐め的要素、それに耐えて耐えて暴発する心の動き。吉良に対しては、自分達の側にもいる金さえだせば便宜をはかる人間を投影でき、共感する。物語の解釈としては、吉良側に立って、浅野家の配慮の無さを指摘することも可能で…
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「日本近世の歴史2 将軍権力の確立」杣田善雄 著

家光と家綱時代のことが記されているが、私にとって特に目新しい視点はなかった。家光が「生まれながらの将軍」と述べたと言う逸話は確たる証拠は無いようだが、実際にはこの言葉のように将軍権力を確立していく。 家光は20歳の時に将軍宣下を受ける。その時、秀忠は45歳であり、秀忠が亡くなり名実ともに3代将軍になるのは家光29歳の時である。家光…
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「日本の近世 14 文化の大衆化」 竹内誠 編

江戸時代後期における文化面の出来事、状況を書いている。出版文化の隆盛、浮世絵・多色摺りの発達、俳諧の隆盛、旅・巡礼・遊山が盛んになる。遊郭も発達し、蘭学は広まり、ご開帳などの行事に江戸の住民が目を輝かすという状況について書かれている。 天明期=田沼時代だが、このあたりで江戸の知識人(旗本・御家人、江戸定府の藩士、上層町人)の文化が発達…
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「江戸の旅文化」 神崎宣武 著

江戸時代の後期は庶民が旅を楽しんだ時代である。この本では伊勢参りの実態を詳しく紹介し、他に大山詣、富士登山、善光寺参り、厳島参拝、京見物のことや、温泉旅行=湯治の習俗などを紹介している。 江戸時代の旅行ブームについては、これまでもいくつかの歴史書から把握していたが、その実態(旅の服装、宿の様子など)が詳しく書かれている。 旅…
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「鳥羽伏見の戦い」 野口武彦 著

鳥羽伏見の戦い(慶応四年の1月の4日間の戦い)は、関ヶ原に匹敵する政権交代の戦いだった。それにしては各書に取り上げられている機会は少ない。両軍合わせて約2万人が戦うが、死者は新政府軍で約100人、旧幕府軍から約290人である。 慶応三年十月に徳川慶喜は大政奉還を打ち出す。十二月に小御所会議で慶喜が将軍を罷免される。だが維新政府は予…
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「江戸三〇〇藩物語藩史 九州編」 山本博文 監修

このシリーズは九州編で最後だ。簡潔にまとめられていて、面白い。九州は福岡、久留米、佐賀、平戸、中津、熊本、延岡、鹿児島、琉球の諸藩にその他だ。 琉球藩ははじめて知る。琉球王国として1429年に第一尚氏の王統ができる。七代続くが、クーデターで重臣だった金丸が王位に就き、尚円王を1469年に名乗る。これが第二尚氏であり、十九代続く。15世…
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「日本の歴史19 文明としての江戸システム」 鬼頭宏 著

この歴史書は網野善彦氏が中心となって企画した講談社の日本の歴史シリーズの1冊である。この編は従来の歴史書と違って、江戸時代の人々のライフサイクル、人口、環境、産業、経済システム(貨幣、産業構造など)、生活のリズムなどの視点で記されている。 簡単に読める本ではないが、興味深い内容である。冒頭に永井荷風が江戸の風情を亡くした江戸に幻滅…
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「馬と人の江戸時代」 兼平賢治 著

江戸時代の、特に南部藩、仙台藩という馬産地の史料をもとにまとめられた本である。一般向けに書かれているが、歴史の専門書でもあり、読みやすいものではない。 馬は江戸時代に、上級武士にとっては身分の象徴として大事なものであった。現に下級武士は徒士(かち)、足軽と自分の足で歩くような名称が付けられている。刀を愛好する者だから、馬のことも知って…
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「集英社版日本の歴史⑮ 開国と倒幕」 田中彰 著

集英社版の日本の歴史シリーズの幕末の部である。第1章は「海に囲まれた幕藩制国家」として、江戸時代の漂流民の歴史を書いている。私が知っている漂流民はジョン万次郎、大黒屋光太夫などだが、鎖国時代に多くの漂流民が発生していており、ここに漂流民記録が表としてあり、参考になる。漂流先はアメリカ、メキシコ、アラスカ、ロシア、清国、台湾、東南アジアに…
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「旗本・御家人の就職事情」 山本英貴 著

読み難い本で、内容もかなり専門的である。江戸幕府の五代から一二代頃の幕府の人事制度の研究書である。御家人の家格の違いなども理解していないと、読んでも理解できない。 吉宗の代に御家人、定信の時代に旗本に関する人事制度の変更がある。吉宗の代に御家人の中でも格が高い譜代に、その下の抱席という身分の御家人が昇格するのを制限し、一方で家格の高い…
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「日本の歴史 別巻 日本文化の原型」 青木美智男著

小学館の日本の歴史シリーズの別巻として刊行された本である。「近世庶民文化史 日本文化の原型」とタイトルが付けられている。別巻と言っても薄い本ではなく、他のシリーズと同等以上の頁があり、読みごたえはある。なかなか意欲的な本で興味深い内容であり、折に触れて再読したい本である。先人の引用に当たっては「○○さんの研究では」という表現であり、新鮮…
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「物語日本の歴史22 キリシタン一揆と信仰の悲劇」 笠原一男編

この本は、「キリシタンの迫害」、「島原の乱」、「鎖国政策」、「大名の取りつぶし」、「江戸前期の社会とくらし」、「江戸前期の産業」という章に分かれている。 キリシタンの迫害は慶長2年に秀吉による長崎での26人磔殺からはじまる。この理由として、一向一揆のようなことを恐れたこと、キリシタン大名による勝手な貿易の禁止、慶長元年に土佐に漂着した…
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「物語日本の歴史26 新しい時代と若き志士」 笠原一男編

このシリーズは、当時の人々の物語、日記、古文書から、生身の人間の歴史をまとめたものである。だから面白いところもある。この号は、日米通商条約、安政の大獄、桜田門外の変、幕末の尊皇攘夷志士の起こした事件を取り上げている。 この時期の歴史事象には、水戸の徳川斉昭の強烈な個性が震源となっている事件も多い。斉昭は強硬な攘夷論者で論客である。…
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「江戸三〇〇藩物語藩史 中国・四国編」 山本博文 監修

このシリーズを読んでいるが、知らなかったことが書かれていて面白いシリーズである。こんどは中国・四国である。鳥取藩は池田家だが、宮部継潤の跡を継いだのは池田輝政の弟の長吉。池田輝政の系統は姫路を領しており、その系統で当主が幼かったりすると、姫路は山陽道の要衝だから、鳥取池田家と交代することもあった。池田光仲の時代に重臣の荒尾成利(米子に配…
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「参勤交代」 山本博文著

歴史学者でありながら読みやすい山本博文氏の著書で、江戸時代の参勤交代を様々の視点から取り上げている。 大坂の陣で豊臣氏が滅ぶと、諸大名は競って江戸に参勤して徳川家に忠勤を励むようになる。元和3、4年頃から隔年の参勤に変化していくが、当時は江戸に滞在する期間は短かった。そして、元和期に大名の妻子も江戸に来るように要請される。これは人質で…
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「史上最強カラー図解 江戸時代のすべてがわかる本」大石学編著

タイトルの頭に「史上最強カラー図解」と入れているように、図が多く取り入れられながら、江戸時代のことを記している本である。図が多いから軽く読めるが、説明はしっかりしている。 図には家系図、職制図、年表、当時の街区、家の様子、江戸城、吉原の中や店の構造、ちょんまげ、女性の髪型の説明図、火消しの配置図など様々だ。江戸の風俗を描いた浮世絵…
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「数字と図表で読み解く徳川幕府の実力と統治のしくみ」 蒲生眞紗雄 著

この本は、徳川幕府のことを、数値化、図表化してまとめている。断片的に知っていることだが、改めて、この本で認識を新たにした点もある。 徳川幕府の御三家、御三卿の仕組み、親藩、譜代、外様の大名の区分と実態、それに応じた江戸城での詰め間なども書かれている。他の本でも読んだことはあるが、この本にも書かれている一橋家の二代目の一橋治済(はるさだ…
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「刀狩りー武器を封印した民衆ー」 藤木久志 著

この本は、以前にも読み、このブログにもアップしている。今回は調べものもあり、再読した。日本には3回の刀狩りがあったとし、第1回めは秀吉による刀狩り、2回目は明治維新後の廃刀令、そして3回目が戦後の進駐軍による刀狩りだ。 刀狩りで武士以外は刀を持てなくなったと思われているが、そうではなく庶民は帯刀に制限が加えられただけで、所持については…
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「新しい江戸時代が見えてくる」 大石学著

副題に「平和」と「文明化」の265年とあるように、江戸時代の平和、文明に焦点を当てて書いている本である。江戸や江戸時代に関して、新しい知見も得ることができる。 秀吉の時代に、戦争をやめれば領地を安堵するという平和的な方法(惣無事令)によって、戦国騒乱は終焉した。そして、庶民は刀、鑓、弓などの武器をもつことが禁止され、鉄砲は農具とし…
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