「日本美術読みとき事典」 瀬木慎一 著

日本美術の仏像と絵画について、その形式、様式、技法などを解説した本である。 仏像については仏の位階や仏の役割や、仏を守る天部、神将などの役割を解説している。簡単に述べると、阿弥陀如来などの如来が最高位で、次いで菩薩。天部とは吉祥天とか○○天と付く仏像で、神将は十二神将である。 絵は巻子、絵巻、掛軸、障壁画、屏風から錦絵(続き絵、…
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「ギリシャ人の物語Ⅲ」塩野七生 著

第Ⅲ巻は「第1部 都市国家ギリシャの終焉」、「第2部 新しき力」の構成である。 「第1部」ではスパルタがペロポネソス戦役に勝つが、スパルタの覇権はギリシャに前向きな影響を何ももたらさなかったことを書いている。 スパルタは軍事最優先の国、その軍事は最上位の階級のもので、階級制をあくまでも維持する国である。そして軍事以外の文化的なことは…
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「古文書返却の旅」網野善彦 著

著者は網野史学と言われるような斬新な中世史観を提供した歴史学者だが、この本は著者の研究が数多くの古文書を読むことで生まれた背景をエッセイ風に書いている。 著者は戦後1949年に東京月島の東海区水産研究所の仕事に従事する。その仕事は漁業制度改革の資料とする名目で、全国各地の漁村の古文書を借用・寄贈で集めることである。 主唱者は宇野脩平…
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「ギリシャ人の物語Ⅱ」塩野七生 著

しばらく間が開いたが、第Ⅱ巻を読む。副題に「民主政の成熟と崩壊」とあるが、成熟が「第1部 ペリクレス時代」で崩壊が「第2部 ペリクレス以後(26年間)」だ。 (第Ⅰ巻の読後ブログhttps://mirakudokuraku.at.webry.info/201807/article_3.html) ペリクレス時代とはギリシャ民主政…
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「山本五十六 戦後70年の真実」 NHK取材班 渡邊裕鴻 著

平成26年に大分県立先哲史料館で、山本五十六が自らしたためた書簡や極秘資料が公開された。これは山本の生涯の友であった海軍軍人堀悌吉が保管していたもので、堀の資料も同時に公開された。 これをもとにNHKで「山本五十六の真実」という番組を放送し、それを基にした書籍である。だから番組でインタビューした有識者の声も含まれている。 私がは…
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「巨大アートビジネスの裏側」 石坂泰章 著

著者はサザビーズジャパンの代表取締役も勤めたことがあり、サザビー、クリスティーズの2大オークション会社の実態や、オークションで巨額で絵画を競り落とす人々のことや、美術業界のことなどを興味深く記している。オークションの場におけるセリ人とも言うべきオークショニアについても詳しく、やはり、この人の腕もオークション成功の一つであることを認識する…
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「偽書『武功夜話』の研究」 藤本正行・鈴木眞哉 著

ある方から『武功夜話』が全巻あるので読まないかと薦められる。内容に問題があるとの噂を知っていたので、標記の本を読む。 著者の藤本氏、鈴木氏は在野の研究者だが、私はお二人の御著書は参考にさせていただいている。 そもそも『武功夜話』は原本が公開されておらず、そのあたりも胡散臭い。伊勢湾台風の時に土蔵が壊れて発見というストーリーも物…
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「染付」 於出光美術館

刀の方の畏友H氏のお誘いで出向く。氏は高麗青磁なども御持ちであり、焼き物にも造詣が深い。染付とは白地に酸化コバルトで文様を描き、透明釉薬をかけて焼くと、文様が青色に発色する磁器である。 今回の展覧会では「青」色が中東の人に非常に好まれた色であるので、中東の青色の容器(磁器だけでなくガラスなども含む)と中国の明、清の染付、それに日本の肥…
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「日本銃砲の歴史と技術」 宇田川武久 編

この本は日本銃砲史学会が会員の種々の論文を集めて刊行した本である。だから多くの人(19人)の論文が掲載されている。大きく2部構成になっていて、「銃砲通史編」と「銃砲技術編」である。 「銃砲通史編」では日本における砲術武芸の歴史や鉄砲伝来の諸ルートと幕末事情、それに郵便配達人が所持した短銃や西南戦争の銃砲陣地のテーマまで幅広い。ここ…
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「房総ゆかりの作家展」 於千葉市美術館

千葉に行く用事があり、その用事の前に知人と千葉市美術館に出向く。房総ゆかりの作家として、千葉中の美術(図画)教師でもあった堀江正章の指導を受けた菅谷元三郎、大野隆徳、柳敬助、板倉鼎、三宅策郎、無縁寺心澄などの作品が並ぶ。そして無縁寺の指導あるいは影響を受けた国松伽耶、山谷鍈一、遠藤健郎、武内和夫などの作品もある。 これらの中で山谷鍈一…
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「刀鍛冶考」 小笠原信夫 著

小笠原信夫先生が東京国立博物館の「MUSEUM」(ミュージアム)や展示会カタログ、「東京国立博物館紀要」などに寄稿された論文をまとめたものである。 「江戸の新刀鍛冶」の章では小笠原先生のご指示で、私が先生の近著などの記述を生かして加筆している。 収められているのは「大坂新刀鍛冶・河内守国助考」「江戸の新刀鍛冶」「備前長船鍛冶 右…
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「新聞記者 司馬遼太郎」(産経新聞社)

司馬遼太郎は産経新聞社に勤めたことがあり、その時の逸話を集めた本である。司馬遼太郎こと福田定一は、22歳で復員し、大阪の新世界新聞に入社。それから京都の新日本新聞社に入るがつぶれ、昭和23年6月に産経新聞の京都支局に入る。そこから地方部、文化部を経て、直木賞を受賞後の昭和36年に出版局次長を最後に退職して作家活動に専念している。38、9…
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「後鳥羽院 第二版」 丸谷才一 著

立派な評論であり、頭が下がる。こういう評論は和歌、古文などに素養のある人間がじっくりと読んで感想を記すべきもので、私のような人間の感想は参考にしないで欲しい。 この評論は後鳥羽上皇の和歌について、高く評価して、色々な視点から分析している。上皇の詠まれた和歌を一つずつ解釈し、その本歌取りをした本歌や、同時代(藤原定家など)の評価や、後代…
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「享徳の乱」 峰岸純夫 著

副題に「中世東国の「三十年戦争」」とあるように、応仁の乱に先んじて東国で生じた大乱のことを記している。応仁の乱でも同じだが、乱の経緯、個々の戦闘などはわかりにくい。同名字の者(一族)が敵味方になって戦い、時に裏切ったりするから人名をたどるだけでも紛らわしい。 私は相川司氏の本で教えられたのだが、室町時代は京都中心の政権(室町幕府)…
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「更級日記」 池田利夫 訳・注

菅原孝標の娘が平安時代の半ば(1050年代頃)に書いた更級日記を読む。読むと言っても、古文であり、大半は現代語訳である。 上総国の介(親王国であり、実質は国司)となった父親の任国で少女時代を送り、その当時は都で源氏物語などを読みたいと思っていた文学少女が、13歳の時に上総から京に上る紀行文を日記形式に書き、それは後年の都での生活にまで…
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「刀剣書事典」得能一男著

「刀剣春秋」という新聞誌上に発表された「古書遍歴」を改めてまとめたものである。次のような南北朝~江戸時代の刀剣関係古書について、その内容、意義などを解題的にとりまとめている。今の時代にこれらの刀剣古書を紐解く人はほとんどいないと思うが、著者の得能一男氏はこのような古書を読まれていたわけで立派だと思う。 得能氏と同様に村上孝介氏や福永酔…
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「神に捧げた刀」 於國學院大學博物館

知人から、こんな展覧会が開催されていると聞き、刀剣の畏友H氏をお誘いして出向く。展示は「1章.神・死者へ刀剣を捧げる」、「2章.神剣、あらわる」、「3章.中世東国武士の神社信仰と刀剣」、「4章.近世の神社と刀剣、それから」に分かれている。 各章ともに、展示品は多くなく、「1章.神・死者へ刀剣を捧げる」では出土した銅剣、銅矛、直刀である…
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「名前とは何か なぜ羽柴筑前守は筑前と関係がないのか」小谷野敦 著

この本は、歴史学者の本ではなく、名前と言うものに興味を持った作家の随筆である。昨今、話題になっている夫婦別姓、ウェブの発達によるウェブ上の匿名問題などにも触れている。 次の章に分かれている。著者が名前に興味を持ち、色々と考察した結果をまとめている。 「武家官位について」「氏と姓」「諱と訓み」「外国人の名前」「一苗字、一名の近代日本」…
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「刀の明治維新」 尾脇秀和 著

この本は副題に「帯刀は武士の特権か?」とあるように、帯刀ということに焦点を当てて、江戸時代から明治初年までのことを記している。 江戸時代の帯刀のことは拙著『江戸の日本刀』で記したが、私が当たれていなかった史料にも言及しており参考になる。 要旨は、江戸時代のことは拙著と同様であるが、次のようなことである。 ①帯刀(二本差し)が武士身…
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「日本人の名前の歴史」 奥富敬之 著

勉強になる本であった。皇親が皇籍離脱して臣籍に降下する時には必ず賜姓(すなわち姓名が与えられる)がある。皇室財政が豊かな時は臣籍降下が遅い(例えば5代目に降下)が、厳しいとすぐに降下。自分で喰っていけということだ。 四姓(源平藤橘)では、669年に大化の改新の功績で中臣から藤原姓を賜る。橘は県犬養氏の娘三千代が授かる。敏達天皇の四世美…
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