「甦る画家たち」 堀晃著

絵が好きな著者が、世の中にはあまり知られていないが、評価に値すると思った画家を取り上げて簡単に紹介している。著者が住んでいる名古屋を中心とした東海地方の画家が多く、44人ほど取り上げている。 私が名前を知っている画家は真野紀太郎、菅野圭介、野口謙蔵、片多徳郎、加賀孝一郎、伊藤久三郎などくらいである。もちろん名前だけをチラッとということ…
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ティモシー・リダウト、ベンジャミン・フリス デュオ・リサイタル

ティモシー・リダウトとは1995年生まれという若手のヴィオラ奏者である。ベンジャミン・フリスはピアノ演奏家で名高い。昨日、トリフォニーホールの小ホールで演奏会があり、妻と出向く。 音楽に造詣の深い人は、誰々の演奏として、前売り券を購入して出向くのだろうが、私は心地よい音の世界に浸りたいだけだから、直前になっての割引き券の案内で出向…
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「大江戸武士の作法」小和田哲男監修

時代劇に出てくる武士ではなく、本当の武士の姿を図解で示すという本である。図が多く、内容も軽いものかと思っていたが、読んでみるとそれなりに面白く、参考になる。 大きく次の5章に分かれている。「1.暮らしの作法」「2.武術の作法」「3.行事の作法」「4.仕事の作法」「5.軍事・警備の作法」である。 「1.暮らしの作法」では、年貢米の…
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「印象派への旅 海運王の夢」展

スコットランドのグラスゴーで海運業、船舶の売買で財をなしたウィリアム・バレルのコレクションである。9000点以上のコレクションがあるそうだが、この展覧会では73点ほどの陳列である。そもそもバレルは寄贈に当たって国外で陳列することは許さなかったそうだが、現在は所蔵の美術館の改装工事中で、特別とのことである。数が少ないから、観てまわるのに時…
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「竹内栖鳳 芸苑余話」 平野重光 著

竹内栖鳳は「東の大観、西の栖鳳」と称された巨匠である。先年、国立近代美術館で展覧会があり、その時にライオンを描いた屏風などの大作で、かつ西洋画的な屏風などを拝見し、「なるほど、凄いものだな」と感じた記憶がある。時に見かける小品とは格段の差があった。 著者は竹内栖鳳に関する本を共著も含めて2冊上梓しているようだが、この本は執筆の過程…
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「最期の絵 絶筆をめぐる旅」 窪島誠一郎 著

画家を20人取り上げ、その絶筆=最期に発表したとされる絵画を紹介しながら、その画家についてのエピソードを記している本である。 この中では野田英夫の「野尻の花」は信濃デッサン館で観て、実にいい絵だなと印象に残っている。この本で野田英夫のアメリカ人の妻は野田の最期を見届けずにアメリカに帰国するが、共産党員であって、野田の死も何か組織が関係…
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「江戸の外交戦略」 大石学 著

標記のテーマに即して、わかりやすくまとめられている本である。章ごとの終わりに参考文献が明記されていているのもありがたい。 全10章は「1.鎖国前史ー東アジア世界の変動と第一次グローバリゼーション」「2.豊臣秀吉のグローバリゼーション対応」「3.戦後処理と鎖国の道」「4.鎖国体制-「四つの口」と琉球・蝦夷」「5.通信使外交の展開」「6.…
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「戦争の日本史17 関ヶ原合戦と大坂の陣」笠谷和比古 著

視点が斬新で、かつ興味深く、また著者の頭脳が整理されていることを証明するように読みやすい本である。 著者の言わんとするところを私なりに整理すると次の通りである。 ①関ヶ原の前に、豊臣政権内で石田三成方と加藤・福島など七将の間で、朝鮮の陣に起因する対立がある。これで三成襲撃事件が起きる。なお三成は家康屋敷ではなく、自分の伏見の屋敷に逃…
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「戦国武将を育てた禅僧たち」小和田哲男 著

「なるほど」と思った書物である。この本によると、禅の教えは儒学と結びついていて、儒学は人間の道、政治のあり方などを教示してくれる。すなわち禅で戦国武将は統治者としての心構え、思想を学んだということが記されている。 禅門で学ぶ学問には兵法の書も含まれている。また易学とも強い結びつきがあり、この結果として禅僧から、戦国武将の軍師と呼ばれる…
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「日本の金」彌永芳子 著

著者は「彌永北海道博物館」を運営しており、特に北海道の産金の歴史やアイヌ文化を研究している人と著者紹介にある。なんとなく脈絡が通らない展覧会のカタログ的な本である。 北海道の産金の歴史は文書が残っている範囲では江戸時代の松前藩政からになるが、それ以前の日本の産金史についても触れている。 まず陸奥の産金があり、それは天平21年(749…
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「ペンシルワーク 生の深い闇から」 木下晋 著

鉛筆を使い、精緻と言う表現を超えて、内面まで刻み込み、抉るような絵を画く木下晋の画文集である。木下氏が折に触れて、新聞、カタログ、雑誌などの発表した文章をまとめ、それに書き下ろしの文章も織り込んで編集されている。 絵の方は、厚手の紙質のページで、多く掲載されている。木下氏がモデルとして取り上げた人は、最後の瞽女として人間国宝にもな…
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「日本の歴史19 文明としての江戸システム」鬼頭宏 著

講談社の日本の歴史シリーズである。表題のように、江戸時代を政治的事象、人物の事績、文化・芸術などは取り上げずに、江戸時代といものを全体システムととらえようとしている意欲的な本である。具体的には人口の推移、生産量の推移と生産品目の変化や、それをもたらした耕地面積の推移、働き手である当時の農村の家庭事情、結婚、離婚、出生率なども調べて明らか…
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「メアリー・エインズワース浮世コレクション」展 於千葉市美術館

この展覧会は、明治の後期に来日したアメリカ人女性メアリー・エインズワース(1867~1950)が蒐集した浮世絵の展覧会である。彼女は日本で購入するだけでなく、アメリカのオークションでも買い集めていた。 現在、オハイオ州オーバリン大学のアレン・メモリアル美術館に1500点が寄贈されている。今回里帰りははじめてとのことで200点が展観され…
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「もっと知りたい 千葉県の歴史」小和田哲男 監修

この本は千葉県に関する歴史的事項を「史跡篇」「信仰篇」「事件篇」「人物篇」「文化・生活篇」に分けて簡単に説明している。簡単だけに断片的であるが、こんなことがあったのとか、こんな人物がいたんだということがわかる。 「史跡篇」では縄文時代の貝塚の遺跡が約700と多いこと、また古墳も1300も確認さrていて兵庫に次いで全国2位であること…
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「日本刀の華 備前刀」展 於静嘉堂文庫美術館

刀剣の畏友H氏と標記展覧会に出向く。ここは備前刀に良いものがある。それは明治の大鑑定家今村長賀をアドバイザーとして岩崎家が集めたからである。今村長賀は正宗抹殺論側に与した人物で、備前刀を最上位の刀剣とし顕彰している。 刃文を観るのに苦労した。太刀として、刃を下に展示してあり、H氏としゃがみ込んで拝見した。年寄りに、こんな格好を何度…
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「戦国京都の大路小路」 河内将芳 著

戦国時代の京都は上京と下京の2つに分かれていたとの話は知っていたが、この本は具体的に地図に落とし込んでおり、よく理解できた。 また洛中洛外図などの絵を駆使して、それら市街地を廻らせていた土塀や堀の様子もよくわかる。堀を掘った土で、土塀を作り、要所に門があるが、その門のいくつかには櫓がある。土塀で囲まれた全体が惣構となる。 堀の中には…
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「私家版 大きな時計」 舟越保武 著

昨日、本箱を整理していたら、標記の本が出てきた。外箱に入っていて、中の本にはパラフィン紙もかかったままで、読んだような痕跡も無い本である。 私は舟越保武の良いデッサンを所有しており、その縁で購入して読んだ本だと思うが、改めて再読した。この人は彫刻家が本業であるが、文章においても、「巨岩と花びら」というエッセイで、日本エッセイスト・クラ…
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「細川忠利」 稲葉継陽 著

細川忠利とは細川忠興(三斎)の跡を継いだ大名である。この本で認識を新たにしたところがあり、興味深い本であった。副題に「ポスト戦国時代の国づくり」とあるが、戦国期の細川忠興(三斎)の時代から、天下泰平の時代=徳川幕府に気を遣う時代に、どのように国づくりを行い、対処していたのかを明らかにしている。今は永青文庫に伝わる細川家の膨大な文書をもと…
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「日本の色を知る」吉岡幸雄 著

江戸時代から続く家業の染色屋を営んでいる著者の本であり、季節ごとの色にちなんだ風物を取り上げ、季節の情景を身の周りから浮かび上がらせ、これらのことが詠われている昔の物語や和歌などを紹介している。 その中で、昔ながらの染色方法などの話が出てくるが、それが興味深い。 最終的に鮮やかに染め上がるのだが、その元となる植物を選定し、それを…
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「落日の豊臣政権」 河内将芳 著

副題に「秀吉の憂鬱、不穏な京都」とあるが、文禄年中の京都を中心とする地方の世情を記していて、なるほどと思うところがある。 秀吉の時代は 「慶長見聞集」に「弥勒の世」と記されたり、「大かうさまくんきのうち(太閤様軍記のうち)」に「太閤秀吉公御出生よりのこのかた、日本国々に金銀山野に湧き出て」とあるように、豪華絢爛な桃山時代と思われている…
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