第20回 東美特別展 於東京美術倶楽部

この展覧会は、日本の美術商の中で一流店が3年に一度開催する展示即売会である。豪華な図録が出され、陶器、焼き物、絵画、日本画、書、仏教美術、刀剣、刀装具などが出品される。
刀関係は日本刀剣と杉江美術の2店である。宝満堂も出ていたようだが、立ち寄らなかった。日本刀剣では松平定信が外国使節と会談する時に佩用したと言う豪華な短刀拵(中身は大和大掾正則の彫りのある短刀)が目玉であった。他にも豪華な拵が展示されていた。
松平定信は、寛政の改革において倹約を強いたのに「何だこれは」というものだ。トルコのトプカピ宮殿に所蔵のスルタンの短剣の拵のようだが、もう売れていたようだ。
杉江美術では勝海舟が咸臨丸でアメリカに行った時の佩刀という井上真改の刀である。他に大坂新刀の名品が出ていた。多々良長幸の良いものが出ていた。
刀装具でも大森英昌の豪華な鐔や肥後金工大鑑に所載の林重光の大小鐔などがあった。

驚いたのは入口に団体客が来ていたことだ。会場内にも首からツアー名を書いた札をぶら下げている人も見かけた。中国人が買い付けに来たのだろうか。ある店では万暦赤絵の陶器などに赤札シールが多く付いていた。

川端龍子の鯉の絵のお軸、マティスの素描、刑部人の油彩など「いいなあ」と思う御品もある。川上不白が作ったのか、箱書したのかわからないが、私の目に止まったお茶碗も良いと思う。

お茶碗には志野や織部も多かったが、今回、これらについては何となくわざとらしい歪みや、茶碗の縁が厚いことなどが少し鼻についた。それに引き換え、御本茶碗や、唐津、朝日焼などのシンプルで薄手のお茶碗の方に惹かれた。
楽茶碗では当代の作品が群を抜いた価格で驚いた。

木の狛犬と獅子の一対の像も魅力的であった。像では、木食の作品や円空の作品も展示されていた。

前回にも展示されていて価格に驚いた薩摩切子のグラスが今回も展示されていた。何千万もする高額なものは3年くらい売れなくてもいいのだろう。

井上有一の書だけを展示している店や絹谷幸二の作品だけの店、鳥海青児の作品だけの店などもある。また古九谷だけを並べている店もあり、厚みを感じた。

今回、古染付(明末に中国で作られたもの)というジャンルを知る。線が自由乱雑に引かれた模様や、ラフな感じの絵付けであり、面白い。中国人好みではなく、中国人は好まないが、日本からの注文だっと言われているようだ。

2階は畳敷きの広間において展示されており、一方にはビルの上なのに日本庭園もあり、凄いところである。また履き物を脱ぐタタキには生け花が飾ってあるが、見事である。さすがの格式である。

今回は同行したある美術館の館長の伝手で1階の喫茶・レストランで利用できるサンドイッチの食券をいただくが、美味しいサンドイッチであった。どこのホテルが出している店だろうか。

色々なジャンルの美術品を拝見でき、また価格も知る気になれば知ることができ、面白い展覧会である。


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