「史上最強カラー図解 江戸時代のすべてがわかる本」大石学編著

タイトルの頭に「史上最強カラー図解」と入れているように、図が多く取り入れられながら、江戸時代のことを記している本である。図が多いから軽く読めるが、説明はしっかりしている。

図には家系図、職制図、年表、当時の街区、家の様子、江戸城、吉原の中や店の構造、ちょんまげ、女性の髪型の説明図、火消しの配置図など様々だ。江戸の風俗を描いた浮世絵も取り入れられている。

図の中では、江戸の町作りの初期に、神田山を切り崩して駿河台を造り、その土で日比谷の入り江を埋めた様子などはなるほどと思う。また江戸城の中にある紅葉山は、昔から山だったことを知る。

江戸の上水網の図も面白い。玉川上水から北の方には千川上水、南の方は青山上水と三田上水が分かれる。神田上水は、これとは別に井の頭池と善福寺池から取水している。ともかく大した工事であり、頭が下がる。

「御府内までは江戸の内」という言葉があるが、江戸の町がどの範囲なのかを明確には知っていなかった。それを、この本では幕府が文政元年に御府内の範囲を定めた「朱引図」で図解してくれている。その境は言葉で書くと、東から砂村新田、亀戸村、三ノ輪、三河島村、王子村(入っているか外が判別としないが)、上板橋村、内藤新宿、代々木村、渋谷、目黒、品川だ。
「江戸の四宿」の中山道の板橋宿、甲州街道の内藤新宿、東海道の品川宿までを取り込み、日光街道(奥州街道)の千住宿は手前までが御府内のようだ。東は荒川までのようだ。

火消しの配置図もあり、大川から先の本所・深川は「いろは四十八組」とは別に、「本所・深川十六組」というのがあったことを知る。ちなみに町火消しの人数は、18世紀の前半には1万人を超えていると記されている。

寛政以降は江戸の地回り経済圏も発達したようで、その産地別の生産物の図もなるほどと思う。

文化4年8月19日の永代橋崩落事件は、深川富岡八幡の祭礼の日で、永代橋の下を一橋齊敦の船が通過するので、一時、通行を禁止。それが解除されて大勢が渡り、崩落したようだ。溺死者は736名、半死半生の者が200名、行方不明が123名になったとある。この事件は他の歴史書には載っておらず、参考になる。

ちなみに、江戸時代に大川にかかっていた橋は、千住大橋、吾妻橋、両国橋、新大橋、永代橋の5つだった。



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