「鐔入門」 柴田光男 著

この頃、鐔、刀装具の古書を刀屋さんから買っている。今は刀剣・刀装具の古書を買う人も少なく、価格が安い。入門書だが、改めて読むと面白いところがある。この本は昭和42年に出版された本で、当時は第一次の刀剣ブームがあった。その時に、鐔に焦点を絞って、刀剣商の柴田光男氏がまとめたものである。

当時の愛鐔家が自慢の一品を出品して、入手の経緯、その鐔に惹かれた点などを投稿している。北海道の大収集家の藤井学氏が、林又七の名品を購入した時の話が面白いから、私のHP(http://www.mane-ana.co.jp/katana/zatu-note.html#zakkan150601)に「昭和23年の刀装具の価格(2015年6月1日)」としてアップしておいた。

入門書と言っても、名鐔、珍鐔、興味深い鐔、資料的に貴重な鐔も掲載されており、写真も楽しめる。この当時は若い愛好家として登場されたが、後には刀剣・刀装具界の重鎮となられている方も、その当時のご自慢の品を出品されている。お名前を存知あげているだけだが、齋藤直芳氏、福士繁雄氏、得能一男氏、池田末松氏、笹野大行氏、益本芦月氏、吉川賢太郎氏、片岡銀作氏、竹ノ内博氏、若山泡沫氏、小窪健一氏などがいる。

「この鐔は今は○○さんが御持ちだ」、「これは売りに出てきたことがある」、「この鐔はどこへ行ったのだろうか」、「長州鐔でもいいものがある」、「平安城長吉の鐔は最近はみない」、「この頃から尾張の良いのはない」、「これは、いいのかな?」などとつぶやきながら楽しんだ。

最後に鐔、金工の価格が掲載されている。信家、金家が150万円、宗珉が150万円、夏雄が150万円、林又七が130万円、一乗が130万円、昆寛が百万円、勝珉が百万円、石黒政常が百万円、勘四郎が50万円、赤坂忠正が50万円などである。
絶対価格は参考にならないが、金工間の相対価格を現代と比べると興味深い。

収集の道しるべとして、「まず楽しむこと(値上がり期待はするな)」「年代順、絵柄別などの収集も一考」「20枚を限度にし、それ以上は1枚買ったら、1枚処分」「一つの流派を集める」などを書いている。そして学ぶ姿勢が大切で、良い商人から買うことなどを書いている。


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