『小柄百選』クロード・チュオー・コレクション

古書の再読である。フランス人のクロード・チュオー氏が集めた100本の小柄を紹介し、一本ずつに対する彼なりの簡単な感想と、小笠原信夫氏との対談を収めた本である。
小笠原氏は西洋人の感性を、蒐集したものから導きだそうと対談において質問している。あるいは日本人と西洋人の美術に対する見方の違いを、浮き立たせようとされているのだろう。日本人だと知らず知らずに身についた伝統文化の中でモノを観るが、そのようなことに毒されていない人の見方を確認したかったのだろう。
ただし、チュオー氏が日本の小柄に造詣が深くなればなるほど(彫られた対象の故事を知る)、日本人的な見方になっていき、小笠原氏のこの狙いは達成できなかったかもしれない。
小笠原氏とチュオー氏の出逢いは、1978年のパリのチェルヌスキー美術館で展観された日本の武器・武具展だったと記されている。

小柄の作者には、日本では名前の知られていない作者のものも多い。日本だと有名工の名作集になるところだが、それからは逃れている。西村直勝、奈良春親、浜野春随、新井英随、秀民、友利、前島盛周、弘貞、親随、貞随、直広、勝文、義之、輝山、沢美卿、光成、一徳斎、信随、保広、美章、孝輝、広常、重行、英忠、英茂、知昆、倫常、守親、連行、興吉、英勝、泰乗、元重、光英、元晴、保誠などは、よく知られていない金工である。

写真はあまり良くない。加えて原寸であり、小さ過ぎてよくわからないものが多い。掲載された作品の中では、春親の三国志玄徳の図、堀江興成の予譲図、直時の芦葉達磨図、河野春明の寿老図、園部芳英の児落獅子図、岩本昆寛の片切彫の雲龍図、石黒政美の猛禽追雁図、石黒政明の金鶏鳥図、紋栄乗(光美)の鶉に秋草図、池田孝輝の魚尽図、野村正秀の海老図、紋宗乗(光美)馬具図、京後藤の泰乗の網さし図、伝乗の川中島合戦図などは実際に拝見したいと思う。

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