「秘録 島原の乱」 加藤廣 著

「信長の棺」でデビューした小説家の遺作とのことである。
豊臣秀頼が大坂の陣後にも生きていて、明石掃部とともに薩摩に隠れ、島津維新入道義弘の力添えで住むところから小説ははじまる。福島正則の無念の最期に立ち会った女剣士小笛と忍者小猿が、「秀頼公の命は助ける」というような家康から福島正則への文書(実は偽書)を携えて薩摩の秀頼の元に来る。
その女剣士に片目をつぶされたのが柳生十兵衛と設定されていて、最期の島原の乱の時に登場する。この女剣士小笛は元の豊臣方の有力者、例えば雑賀孫市(子の世代)や伊達家の真田の娘が縁づいているところなどに、いざという時の援助を頼む。寛永御前試合に薩摩示現流の代表として益田四郎として登場して、鮮やかな剣をみせて、柳生家の者と対戦する。その姿に柳生刑部なる美少年が惹かれる。また衆道趣味のあった家光も見初める。
そして秀頼の側室となって女子3人を産む。3人ともに母親似で、その子が天草四郎となる。3人が天草四郎の分身の術として現われるというわけである。
細川家で廃嫡されたキリシタンの御曹司も登場したりして、島原の乱を起こし、そこに家光をおびき出して、その間に薩摩と島津(真田の娘が匿われている)の両軍と挟み撃ちで江戸の家光を斃そうとする陰謀となる。知恵伊豆こと松平伊豆守信綱が見破っていき、一揆軍は敗れるという荒唐無稽なストーリーの時代小説である。敗軍後に琉球に逃れるという筋もついている。
雑賀孫市の子孫や宮本武蔵、東郷重位、柳生一族に、忍者が出て、わけのわからん小説である。サービス精神が旺盛な時代小説だが、ここまで荒唐無稽だと読者を馬鹿にしているような本である。


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