「倭寇と勘合貿易」 田中健夫 著

前期倭寇は日本の南北朝時代から室町時代にかけて朝鮮半島を主要対象として中国大陸沿岸に行動したもの。後期倭寇は応仁の乱後に、文禄・慶長の役にいたる間、主として東シナ海、南洋方面に活動したものである。
前期倭寇は日本の三島(対馬、壱岐、松浦地方か)の民が食糧を略奪する為に朝鮮半島を荒らす。だから米の運搬船と備蓄倉庫を狙う。人も拐かし奴隷で売る。
後期倭寇は明が海禁政策をしたことに対して、中国沿岸の民も違法の通商に出たものが多く、彼等が倭寇を名乗る面もある。
明代の公式の貿易に勘合貿易があるが、これは日明貿易だけでなく、朝鮮貿易も琉球貿易もあるいはシャムなど東南アジア全体の貿易の中で考えるべき。

前期倭寇の中には兵数3000とか、船数400余隻という規模もあり、大規模な騎馬隊があり、沿岸だけでなく奥地にも侵攻したこともある。日本側には資料がない。13世紀に日本から朝鮮(高麗)に進奉船が行って通商があったが、それが元の侵攻で国力の衰えた高麗が拒否したので海賊になったのではとも推察される。また対馬、壱岐が貧しい地域だった面もあると思われる。
1389年に朝鮮軍が対馬を攻撃する。高麗は室町幕府に交渉するが駄目で、対馬の宗氏や大内氏などと交渉しながら倭寇対策をする。その中で倭寇の根拠地である対馬を1419年に襲う(応永外寇)ことも行う。1419年には望海堝の戦いは明が倭寇の船30隻を撃破し、1000人程度を殺す。また朝鮮側に降伏すれば罪を許し、田地や家財を与えるなどの優遇策(これを受け入れた倭寇は投下倭人と呼ばれる)や、通商を許可して懐柔策を取ることも行う。入港する港を限定する。

元は外国貿易に寛大だったが、徐々に厳しくしてきた。1300年代のはじめに日本商人が慶元で元の役人に乱暴をした。通商条件で衝突。
14世紀半ば以後、山東半島方面で倭寇の活動(朝鮮半島から移ったか)がある。

明は1368年に建国。倭寇は毎年、数件発生していたが、1552年から1563年にかけてひどい。天文、永禄の時代である。これは慶長、元和まで続く。16世紀からの倭寇が後期倭寇で前期倭寇とは構成員も、行動も地域も異なる。
元は世界との交流が活発な国だったが、中央アジアのムガール帝国が明を敵視して、陸路の東西交通が遮断。アラビア人などが中国の東南の海港に来るが中国人が海外に渡航しての貿易は厳禁される。

筑紫商客が足利義満に両国通商の利益を説く。これに義満は乗り、応永8年に明に使節を送る。足利義満が日本国王に1402年に任じられ、日明貿易を始める。
中国の銅銭の輸入が主眼。応永10年の遣明船に義満はじめ諸大名は武器を積んでいく。
応永14年の遣明船が帰った時は利益が20万貫にのぼったという。
勘合とは使者を派遣した場合、使者の真偽を証明するために使用する符節。日本には応永11年にはじめて勘合符が支給。日本は1401~1547の150年間に19回だが、安南89回、チベット78回、琉球171回などとあり、勘合貿易は倭寇対策ではなく、明の世界政策。
遣明船は五山の禅僧が使節として関与。大内氏と細川氏が貿易上で争う。永正16年の勘合船で細川方と大内方が争い、明で争うことになる。これ以降は大内氏が独占するようになる。
日本からの輸出品は金銀や、硫黄、太刀、扇子

琉球船が南蛮貿易などで活躍。暹羅、旧港、ジャワ、マラッカ、スマトラ、スンダ、パタニ、安南などと交易。応永から寛正・文正ころまでは盛ん。永享年間が一番畿内に来た・九州にも来る。琉球使になって博多商人が朝鮮に渡ることも多い。応仁、文明の乱で畿内に来なくなる。堺商人はすすんで琉球に渡航した。琉球には島津氏が特殊な地位。
琉球の貿易活動は16世紀になると衰える。これは中国商船の活動がはじまり、ポルトガルが来たから。

15、16世紀になると密貿易が主流になる。地方の沿海官豪(地方の富農地主層)は商人と結託して、海上活動を黙認し、倭寇も操った。倭寇の頭目の王直が種子島における鉄砲伝来に関与したことも知られている。後期倭寇の中の日本人は30%程度で、出身は薩摩、肥後、長門が多いとされる。

16世紀になるとポルトガル人がくる。1510年にゴアを奪取した。1511年にマラッカを攻略した。1522年に広東で打ち払われるが屈することなく進出。
通貨としての銀は宋代から盛んになるが、明でも銀が必要になる。また国際貿易に銀が大事となる。これをスペイン、ポルトガルが埋める。16世紀以降に銀の出を増やした日本が登場。

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