「画商のこぼれ話」 種田ひろみ著

おいだ美術を経営している画商のエッセイである。おもしろいのは贋作に関係する話である。中国陶磁器のことや山下清の贋作などの話が紹介されている。山下清の事件は、著者がいない時の画廊に「父親の喜寿の祝いに父が好きな山下清の作品を贈りたいが、お宅にあるか?」との電話がある。価格の方は相場に任せるというような内容である。「生憎、今は無いが、仲間業者にも確認して用意しておく」という返答をする。その後、しばらくしてから、別の人が「山下清の画を持っているが、折り合えば売りたい」との電話があり、来社される。「今は京都に住んでいるが、仕事のトラブルで急にお金が必要となる。千葉に住んでいる両親に相談すると、これで金策の一助になるだろうと渡される。昔、山下清に縁のあった人から両親が直接入手したそうです」との話。この時も著者はいないが、社員が「社長に観てもらってから」と言うと、「京都に帰るから、別の画商のところに行く」と言う。そこで購入。購入後、鑑定に出すとダメ。もちろん売り主にも電話はつながらない。
買いたいと電話をしてきた人物と、売りに来た人物がグルになっていたようで、そちらに電話をしてもつながらない。

私も知人の骨董商から、浮世絵の贋物を掴まされた同様な話を聞いたことがある。売りに来た人は品の良いお婆さんだったそうだ。騙す方もテクニックを駆使しているわけだ。
中国陶磁器の贋物の話も仕掛けの元での詐欺である。

絵の話は私にはあまり参考になることは無かった。昨今の現代美術の話や、昔の人気作家の価格暴落の話などもある。要は絵など美術品は本人が好きで買うもので、金儲け、金の保全の為に買うものではないと言うことだ。騙されるのも欲が動機にあってのことなのであろう。

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