「花房助兵衛」司馬遼太郎 著

司馬遼太郎全集8に所載の短編で、宇喜多家の家来の花房助兵衛の話である。秀吉にも遠慮しない剛強な侍大将として記述は進む。
小田原の陣の時に、秀吉が滞在しているところに下馬せずに通りかかり、警備のものと揉める。それを見ていたのが出雲の歩き巫女の吉備之助である。この時に花房助兵衛の落とした袋を拾う。中には小壺があり、そこに小さな骨が入っていた。すると吉備之助のお付きの巫女に、若い女の亡霊のようなものが取り憑く。そこでこの小壺を花房助兵衛に届けようとするが、花房の陣は軍律が厳しく入れないので、いずれ渡そうということで旅を続ける。

出雲に戻り、備前の花房のことを聞く。助兵衛は朝鮮に出て、活躍していた。
時はたち、宇喜多家で内紛がある。戸川肥後守、岡豊前守、長船紀伊守の重臣が争う。花房は戸川に与し、秀家の寵臣中村次郎兵衛を撃たんと大坂に出る。その騒ぎを徳川家康が調停する。そして戸川と花房は常州佐竹家預けとなる。この時に、吉備之助は花房に会い、例の袋を渡す。いわれは何もいわない。吉備之助ははじめて花房助兵衛に出会った時と同様に、ときめく。

関ヶ原前の小山会議の時に、東軍諸将は佐竹が腹背をつくかが心配になった時に花房は呼ばれ、動向を聞かれる。彼は佐竹は動かないとの観測を述べる。ただし、そのことを誓詞に書けと家康に言われるが断る。武士が言ったことを更に誓詞とはという気持ちである。このことで大名にはなれずに備中高松で七千石となる。なお大坂の陣には病気を押して輿に乗って参陣という逸話を残す。

戦国、豪傑物語の一つである。小壺の謎は解明されずに、小説としては物足りなさを感じる。どうせ小説なのだから、ここで花房助兵衛の若い時の艶っぽい物語を展開してもと、私は思うのだが。

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