「伊賀の四鬼」 司馬遼太郎 著

 全集2所載の忍者物の短編である。戦国の頃に名を知られた四人の伊賀者がいたと伝わる。音羽の城戸、柘植の四貫目、湯船の耳無、岩尾の愛染明王である。
 音羽の城戸は信長が伊賀平定した時に、信長を狙撃して、跡に来夏参上と書いて去る。その来夏に本能寺の変がおこり信長は殺される。もちろん明智の仕業だが、そこに音羽の城戸がいた可能性もあるのではと書く。
 柘植の四貫目は武田信玄に傭われた忍者知道軒のことで、信玄がある城を攻略しようとした時に、事前に忍び入り、20日間絶食して潜み、攻撃とともに城に放火して落城させると伝わる。

 この小説は、湯船の耳無と岩尾の愛染明王の話である。湯船の耳無は秀吉に傭われている。賤ヶ岳の戦いの前に、戦場の地形を探りに出した伊賀者が帰ってこないから、その様子を確認してくると同時に、戦場の地形把握を命じられる。
 一方、岩尾の愛染明王は柴田勝家に傭われていた。湯船の耳無が探っていくと、秀吉配下の伊賀忍者が消えたのは岩尾の愛染明王の仕業だったことがわかる。湯船の耳無が賤ヶ岳で探索しながら、その一味を斃し、岩尾の愛染明王が潜むところを突き止める。一方、 岩尾の愛染明王も耳無が来ていることを知る。最期の2人の戦いは、突き止めた場所が火が燃え盛る中、愛染明王の姿が浮き出るような幻影に耐えて、耳無が耐えながら、仕留める物語になる。こうして愛染明王を斃すが、耳無も火傷が酷く、事後に命を絶つという話である。

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