「東洋文庫の北斎展」於東洋文庫ミュージアム

東洋文庫ははじめてである。ここは本の博物館であり、東洋学の研究図書館という位置づけで世界5大東洋学研究図書館の一つと言う。蔵書数は国宝5点、重要文化財7点を含む約100万冊とのことだ。
入ると受付と売店があり、そこから館内に入ると、右側の扉が中庭に面したオリエントカフェというレストランになっている。三菱と縁がある小岩井牧場の食材に拘った食事を提供している。ここで妻と食べる。そこに行くまでの壁にアジア各国の有名人の言葉や本の一節が現地の言葉で記されている。

館内は細長いロビー(オリエントホール)があり、20冊ほどの蔵書が展示してある。今回は葛飾北斎が生きた時代というテーマで『ナポレオン・ボナパルトの生涯』、『共産党宣言』、『純粋理性批判』、『ハワイ語辞書』などの書が並んで解説されている。本の言語は様々である。ホールの片面には広開土王拓本レプリカなどがある。この碑文がこんなに大きいとは知らなかった。また画像で、ここに所蔵されている書籍の概要が観られる機器もある。

そこから壁に付着したような階段を上がって2階に行く。この中央には古書が3段の岩場のような本棚にぎしりと収納された本棚が圧倒する。1段目は9棚、その上に2段目が少し奥まって3棚、されにその上には3段目が2棚ほどの書棚である。本も昔の本だから背表紙も立派である。これはモリソン書庫と言って、岩崎久彌氏が当時の金で70億円ほど出して購入したモリソン氏の蔵書である。G. E. モリソン氏が北京駐在中の約20年間に腐心収集したもので、『東方見聞録』、『天正遣欧使節記』や『ペリー提督日本遠征記』、『南洋漂流記』などがある。ペリーが上陸した時の図も展示してあるが、赤い服を着て上陸したようだ。

その左横の部屋が名品室と言うことで国宝の『文選集注』や『イエズス会士書簡集』、『解体新書』、『ターヘルアナトミア』などが展示されている。

その奥から回廊を伝わって戻るような形で2階の右側に行く。ガラスの床面のところがあり怖い。今回はそこで北斎展が開催されている。北斎の浮世絵は少なく、本の挿絵として北斎が画いたものなどの展示が多い。浮世絵は「諸国瀧廻り」の数枚が刷りも保存も良い。この水の表現は迫力がある。

今回は、「葛飾北斎とその時代」というテーマで安村敏信氏の講演があり、拝聴する。
北斎の若い時から、それぞれの時期の代表的な作品と特色を説明される。次のように6期に分けて、()内に記した特色を画像を紹介しながら説明される。次の通りである。
「1.春朗期19~34歳」(役者絵、相撲絵、浮絵)、「2.宗理期35~44歳」(宗理風美人、洋風版画)、「3.葛飾北斎期45~50歳」(鳥羽絵、読本挿絵、美人画の新境地)、「4.戴斗期51~60歳」(『北斎漫画』、鳥瞰図)、「5.為一期61~74歳」(『富嶽三十六景』、花鳥図版画)「6.画狂老人卍期75~90歳」(幻想の世界へ)

その後、北斎の門人とされている人の作品、同時代に活躍した他派の浮世絵師の作品を説明される。筆記具を持参しなかったので講演内容を詳しくメモしなかったが、「なるほど」と思った。