「ハプスブルク展」於国立西洋美術館

オーストリアと国交樹立150周年記念ということで、ウィーン美術史美術館に収蔵されているハプスブルク家に伝わった武具、工芸品、調度品、絵画などの美術品を展観するものである。
ハプスブルク家はライン川上流の豪族であったが、13世紀末にオーストリアに進出。そこを拠点にして15世紀以降は神聖ローマ帝国の皇帝の位を世襲し、スペインにも勢力を伸ばし、欧州各国の王家とも姻戚関係を結ぶ。ナポレオンによって神聖ローマ帝国解体後はオーストリア=ハンガリー2重帝国の皇帝として第一次世界大戦まで君臨した。

この展覧会では、ハプスブルグ家の皇帝一族としてマクシミリアン1世(15世紀)、ルドルフ2世(16世紀)、フェリペ4世(17世紀)、マルガリータ・テレサ(17世紀)、マリア・テレジア(18世紀)、マリー・アントワネット(18世紀)、フランツ・ヨーゼフ1世(19世紀)、エリザベト(19世紀)に脚光を当てて、その蒐集品などを展示している。

これら人物の肖像画が展示されているが、ディエゴ・ベラスケスの有名なお人形さんのようなマルガリータ・テレサの像や、女傑と称せられるにふさわしいマリア・テレジアの像、肌が美しく、髪型も華やかなマリー・アントワネットの像、現代にも通じる美人のエリザベトなどの女性像が目立つ。
美術史的にはベラスケス以外はあまり有名でない作家だが、当時にもて囃された肖像画家の渾身の作品である。美術史の分類ではバロック美術(均衡のルネサンス絵画から、躍動感があり、明暗がはっきりするようになる。画題はルネサンス期と同様にキリスト関係、ギリシャ神話関係、王族の肖像画など)の系列であろうか。

クレオパトラの絵(作者チェザーレ・ダンディーニ)なども真に迫った迫真性があり、カラヴァッジョの絵のようだ。

皇帝蒐集の絵画であり、一族の肖像画や古典的な画題(キリスト関係、ギリシャ神話関係)が多い。自分達の統治が優れていることを立証する民衆の絵も存在する。
肖像画は似ていなくてはいけないし、立派に見えることも大事だろう。背景で人物を暗示することが必要などでの制約もあるが、この過程で写実画は進歩したのだろう。

絵画以外の作品では、マクシミリアン1世の甲冑などの甲冑コレクションが目を惹く。材質は鉄、皮などだが、鉄は錆びておらず、今、作ったように健全で驚く。機能的ながら豪華である。槍試合用などの用途別に造りが少し違うようで16世紀頃のものだ。
金線細工の小籠、フォークやスプーン(セイロンで作られた水晶に金、宝石で装飾)や十字架型の日時計は緻密で豪華な細工である。また法螺貝や、椰子の実などの自然のものをを取り込んだ水差なども面白い。

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