清水寺 成就院 CONTACTつなぐ・むすぶ・世界のアート

昨日、法事で京都に出向いていたが、朝にホテルのTVで、標記の催し物が9/1~8までの間に清水寺で開催されているというニュースが流れた。京都で開催されている芸術に関する国際会議に連動した催事のようだ。
そこで展示されている芸術はともかくとして、普段は非公開の成就院が公開されていると聞いて、急遽、タクシーで出向く。
当日券は1800円で、成就院と経堂で催事は開催されている。また西門には門に提灯がぶら下がっているように加藤泉の作品が掲げられている。
初日のせいなのか、はじめての開催のせいなのかはわからないが、多くのアルバイトのスタッフがいたが、手際が悪く、腹が立つ。チケットの販売所、成就院のそれぞれで長蛇の列で、成就院の中での茶室の入室は8人までだからとして、成就院に入ってから40分後の整理券を渡される。この茶室では森村泰昌のゴッホの映画が上映され、宮沢賢治の「雨にも負けず」の手帖が展観されているとのことだが、法事の予定があり、キャンセルした。
経堂も、そこで40人程度が入室しての音楽ライブに映像というものがあるとのことだが、出向かなかった。目的は成就院の庭である。

成就院の庭は池に石を多く配置し、松や紅葉などの多くの木々を植えている庭園だが、山の斜面を利用して、加えて各植木(密集した枝葉を持つ)の上面をカットするような植栽技術で7~8段くらいの段差を演出していて面白い。遠景には建物は見えずに、高い樹木がそびえる空である。深山幽谷を意識したのかもしれない。月見に良さそうな庭である。
成就院の縁先から眺めるのに丁度良いような広さである。多くの木々の緑の色彩の階調が美しい。池の周り、池の中の石も様々に変化があり、コンパクトで整理・計算された良い庭である。自然を人工的に加工した、あるいは庭師の作意を自然も利用して表現したような庭である。

なお、縁側には三嶋りつ恵の「光の目」というガラスの玉を多く配置している。また床の間にミヒャエル・ボレマンスの墨で軸装された「くちなし(2)」という作品と、ルーシー・リーの「マンガン釉を施した台鉢」があり、横にマティスの「ばら色のドレスを着た婦人」の油彩が懸かっている。この絵は専門家に洗ってもらうと、もっと色彩が鮮明になるのではないか。

また棟方志功の襖絵「群鯉図」が襖のように室と室の間にセットされて展示されていたが、寺に合うような作品ではない。鴨居の上には猪熊弦一郎の「無題」(マティスのようなダンスの絵)が掲げてあった。

このように違和感も感じるように置くのが、演出した原田マハ氏の狙いであり、それは驚きも感じさせていいのだが、昔から美術品を置くべき所(床の間、襖絵、鴨居の上)にあるのはいいのだが、床に置いた机の上に河井寛次郎、濱田庄司、バーナード・リーチ、ロダンなどの作品が並べておいてあったり、小津安二郎の絵コンテ、手塚治虫のブッダの原画、川端康成の原稿に東山魁夷が挿絵を入れたものなどが廊下や室に置かれているのは成功とは言えない。照明も悪いし。

清水寺の舞台は改修中であり、それでも、こちらに入る時は別途料金が必要とのことである。京都の親戚も「清水はんは、ようけ取らはります」と言っていた。

昔を思い出して、清水寺から三年坂、八坂の塔、下河原、円山公園、知恩院、青蓮院から、法事のある蹴上の仏光寺まで歩く。