「日本史の内幕」磯田道史 著

この本は、わかりやすい文章、わかりやすい語り口で人気の歴史学者磯田道史氏が、雑誌や新聞などに投稿した歴史小話(こういう表現でいいのかは疑問であるが)を一冊の本にまとめたものである。
だから全部で64ほどの話が収められており、「1.古文書発掘・遺跡も発掘」、「2.家康の出世街道」、「3.戦国女性の素顔」、「4.この国を支える文化の話」、「5.幕末維新の裏側」、「6.ルーツをたどる」、「7.災害から立ち上がる日本人」に分類して収録している。
一話は短いから読みやすい。だからと言って内容が軽いものではなく、大半の話には史料に裏打ちされているので興味深い。

以下、断片的に気になった話をメモしておく。
沼津の高尾山古墳は卑弥呼時代の巨大古墳。秀吉は薩摩攻めで本願寺の協力を得、そのため島津は後に本願寺を弾圧した。城の便所は武者が旗指物を背負ったままでも入りやすいように天井を高くしていた。映画「殿、利息でござる」にもなった話の仙台藩の穀田屋十三郎などの民を救う姿勢は感動であり、こういう話を発掘されたのも偉いと思う。昭和天皇の教育システムを作った桑野鋭の話もはじめて知る。

家康の負け戦で名高い三方原の戦いも、織田の援軍を加味すれば、それほど無謀な戦いではなかったことを実証している。だから信玄も追撃できなかったわけである。
水戸藩には雑賀の孫市こと鈴木重朝の子孫など、敗者復活組が仕官している。

細川藩の毒味役は、調理をしたものなどに毒味をすることを命じ、監視した役として実在した。江戸期の生け花には花を長持ちさせる工夫なども含まれていた。日本では寺子屋で庶民まで知識レベルが高かったことが植民地を免れた大きな理由。そして日本は本の国であり、その文化が亡びつつあることを嘆いている。松蔭は野山獄中も含め3年ほどに500冊の本を読破している。

山田方谷の素晴らしさ。江戸の元禄頃の日本人は世界で6億人、日本で3000万人と世界の5%を占め、世界有数の国だった。日本の軍事のピークは日露~満州事変、経済のピークは1970~2000年頃。それ以降は質で勝負していかないとと書いている。

栃木県佐野市にいた中根東里という学者は知られていないが凄い人物と紹介している。1611年に慶長三陸地震があり、8年後の1619年に熊本八代地震、1625年に肥後熊本地震であり、今回の東日本大震災と熊本地震のパターンと同じ。だから歴史は大切。

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!

ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。

→ログインへ

なるほど(納得、参考になった、ヘー)
驚いた
面白い
ナイス
ガッツ(がんばれ!)
かわいい

気持玉数 : 0

この記事へのコメント