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zoom RSS 「日本の歴史19 文明としての江戸システム」鬼頭宏 著

<<   作成日時 : 2019/05/20 08:40   >>

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講談社の日本の歴史シリーズである。表題のように、江戸時代を政治的事象、人物の事績、文化・芸術などは取り上げずに、江戸時代といものを全体システムととらえようとしている意欲的な本である。具体的には人口の推移、生産量の推移と生産品目の変化や、それをもたらした耕地面積の推移、働き手である当時の農村の家庭事情、結婚、離婚、出生率なども調べて明らかにしようとしている。この一つとして、貨幣経済下で勤勉に働けば収入になって豊かになるという意識も大きかったと説く。
また人口の伸びや経済成長が停滞した時は資源が限界に達していたこと、その中でも日本は西欧に比べてリサイクル社会ができていたことなどを明らかにしている。

人口、結婚などは日本独自の宗門人別帳の分析結果などを提示している。東海、北陸の農村は男が25〜28歳、女が18〜24歳。東北の農村が最も早婚男20歳、女15歳。濃尾平野から畿内が最も晩婚であるとする。

人口は1600年時点では説によって異なるが、著者は1500〜1600万人程度とみている。そして享保6年の吉宗による人口調査が2607万人だが、この値には蝦夷地は松前氏の支配地域まで、また琉球は含まないことや、武士人口は全て欠落していること。またデータの基礎となる年齢下限は1歳から7歳程度まで除外とかの調査した藩によっての差異があるので、それらを修正して、享保6年は3128万人程度としている。また弘化3年の2691万人のデータも同様に修正して3229万人と推計している。

実収石高は1600年が1973万石、1700年3063万石、1830年が3976万石。1870年4681万石と推計する。幕府の公表の石高よりも多いが、この推計では食用作物だけでなく、急成長してきた商品作物も含めている。

江戸時代の後半はプロト工業化(産業革命に先行する時期に見られた、農村部における手工業生産の拡大という社会現象)の段階に入っていたとしている。

江戸時代の日本列島内での自己完結的な発展は江戸時代中期に成熟を迎え、行き詰まり後に開国の必然性が意識されたとする。

数値データも多く、参考になる本であり、目的意識を持って読むとさらに面白い本であろう。

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