「日本美術読みとき事典」 瀬木慎一 著

日本美術の仏像と絵画について、その形式、様式、技法などを解説した本である。
仏像については仏の位階や仏の役割や、仏を守る天部、神将などの役割を解説している。簡単に述べると、阿弥陀如来などの如来が最高位で、次いで菩薩。天部とは吉祥天とか○○天と付く仏像で、神将は十二神将である。

絵は巻子、絵巻、掛軸、障壁画、屏風から錦絵(続き絵、揃い物)などの形式が説明される。
絵では宗教画があり、それは釈迦などの説話画である本生図や、仏伝図で有名な画題「捨身飼虎」などがある。浄土の有様を画く浄土変相図、曼荼羅図などもある。

歴史画は縁起絵からはじまり、伝承画(伴大納言絵詞)、文学画(源氏物語絵巻)、御伽草紙、戦記物語(平治物語絵巻) などとなる。

絵画の中国での発達は、人物画、山水画、草木、禽獣、器物などへ移っている。

山水画は現実には存在しない山を描き、それから実際の山を描くようになる。そして構図や画法で四季山水、日月山水、楼閣山水や破墨山水、水墨山水、竹林山水などと分かれる。

人物画は中国では道教の老荘思想の竹林七賢などの画題や、漁師と樵夫もよく登場する。儒教系の人物は孔子が代表だが、鍾馗、西王母なども好まれる。
江戸初期に岩佐又兵衛が近世風俗画を描く。浮世絵は悪所を描く絵画でもある。その4大テーマは歌舞伎役者、遊女と各種女性、相撲の力士、物語の中の人物となる。

花鳥画は江戸後期に写実性が強まるが、それは西洋絵画の影響である。それから静物画が生まれる。生命体を見て写す写生と、静止した物体として写実するヨーロッパの違いでもある。

水墨画は中国で文人が放縦な詩情をあらわす絵画として生まれ、禅僧が日本に伝え、雪舟で頂点となる。近世は侘び茶での心象表現として描かれ、江戸時代後期に文人画となる。

文人画は詩画一体の絵画として文人が描く画で、やがて文雅を基調とする詩情がある絵となる。江戸後期に南画として流行する。

風景画は山水画から分化した。名所旧跡を書き、道中絵、都市の景観(室町期に洛中洛外図があるが)を描くようになる。

日本では妖怪、幽霊図がある。鬼がはじまりであるが、幕末に多様となる。また風刺画は信貴山縁起、鳥獣人物戯画からあるが幕末には国芳となる。

日本画は幕末には大和絵、狩野派、浮世絵、南画、円山四条派の5系統になる。フェノロサは外人なのに日本讃美者であり、この時代の共感を得る。彼は西洋のマネの油絵と南画を排斥する。狩野芳崖、岡倉天心などが賛同する。そして黒田清輝が帰朝して、東京美術学校に洋画科が生まれ、以降、洋画も発達する。

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