「更級日記」 池田利夫 訳・注

菅原孝標の娘が平安時代の半ば(1050年代頃)に書いた更級日記を読む。読むと言っても、古文であり、大半は現代語訳である。
上総国の介(親王国であり、実質は国司)となった父親の任国で少女時代を送り、その当時は都で源氏物語などを読みたいと思っていた文学少女が、13歳の時に上総から京に上る紀行文を日記形式に書き、それは後年の都での生活にまで書き進められている。
菅原家は菅原道真でも知られているように、文章の家であり、女性と言えども、読み書きの修業ができていたわけである。

昔の記憶だと、上総から都までの紀行文という印象だったが、改めて読むと、後年になってから、当時の思い出(これも日記の原典があった可能性がある)をまとめ直して一冊にまとめたものであることを知る。

当時の道中の風景が書かれている箇所は少ない。貴族だが、中央の高位の貴族ではなく、かと言って最下級の貴族でもなく、国司クラス(夫も下野守)の貴族(だから経済的には裕福)の”女の一生”的な物語である。

夢の話も多く、また仏教への傾倒も窺える。不幸なこともあるが、肉親、親しい人の死は誰もが経験することであり、特にそれらのことがドラマティックに書かれているわけではない。淡々と記述されている。その分、いかにも人生という感じもする。

また夫との愛憎なども書いているわけではない。

源氏物語、枕草子などもそうだが、平安時代の女性は大したものだと思うし、日本というのは不思議な国だとも改めて誇りに思う。

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