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zoom RSS 「近代工芸の名品−棗にまつわるエトセトラ」 於国立近代美術館工芸館

<<   作成日時 : 2019/02/03 10:35   >>

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刀剣の畏友H氏からのお誘いで、標記の展覧会に出向く。お茶道具の中の棗(なつめ)に焦点を当てた展示である。刀装具ほどではないが、棗も小さなものであり、見にくい展示であったが仕方がない。

棗の製作にかかわるのは漆芸家、木工芸作家であり、蒔絵師、木地師、塗師などとも呼ばれている。螺鈿細工も使われる。

展示されている作家は明治以降の人で、赤地友哉、音丸耕堂、音丸淳、黒田辰秋、田口善明、田口善国、増村益城、松田権六、室瀬和美、三代渡辺喜三郎、松波保真、川北良造、中野孝一などである。他に近代の工芸ということで荒川豊蔵、石黒宗麿、三輪寿雪、15代楽吉左衛門、富本憲一、藤田喬平、増田三男、松井康成、三浦小平二などの作品も展示されていた。

赤地友哉については館内で製作過程を紹介したDVDが流されていた。曲輪っぱを組合わせて造形して、その後に和紙、麻布などを張り、そこに漆を何度も塗っていく製作過程だが、丹念、精巧な作業で、漆の工程では少しのチリが入っていれば、それを除去することも必要となる。

このように棗が出来るまで、木地から造形する人、漆を塗る職人、そこに螺鈿や蒔絵を施す職人など多くの手間がかかっている。棗は深い蓋で閉めて湿気を防ぐのだが、ピタッと閉まるようにするだけでも大変だと思う。
刀装具を保管する箱は桐が大半だが、昔は閉める時に空気の抵抗を確かめながらゆっくり閉まり、ピタッと収まったが、最近の桐箱はガバガバなのも多く、職人技術の劣化を感じる。

松田権六の蒔絵はデザインも色も細工も凄いと思う。また黒田辰秋の螺鈿も美しい。

漆芸に関して、昔は武士の表道具である刀剣の鞘の塗りが一番大切だったはずであり、鞘にも様々な塗りの技法が使われている。しかし、今では、私もそうだが、それらの技法を知る人もいないし、愛でることができる鑑賞者もいなくなっている。こうなると技術が途絶えてしまう。困ったものである。

この展示は明治以降の作品だが、江戸時代の作品の中には近代をはるかに凌駕するものもあるはずであり、日本の工芸品は絵などに比べると、評価が低く、かわいそうになる。

なお近代美術館の工芸館は、金沢に移転するようだ。東京一極集中よりもいいのではないかと思う。

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