「水を描く」 於山種美術館

刀剣の畏友のH氏のお誘いで標記展覧会に出向く。ここは駅から上りの坂道が続き、横断歩道橋も昇らねばならずに、加えて残暑でいささか疲れる。副題に「広重の雨、玉堂の清流、土牛のうずしお」とあるが、浮世絵の広重から現代に至るまでの作家が水を描いた作品を展示している。

今の暑い季節に、水の絵を観て、涼を感じてもらえばという趣旨の展覧会なのであろう。ただ山種だけあり、各作家の力作、意欲作が陳列されていた。広くない美術館だが、それなりに観客は多く感じる。

水は川であり、海であり、滝であり、雨であると表情を変える。50点以上の作品が展示されていたが、以下は私がいいなとか、気になった作品の感想である。

前田青邨の「鶺鴒」は水面の上をセキレイが飛んでいる絵だが、水の色、模様とセキレイが一体となっているような絵でハッとする。武者絵が多い作家とのイメージがあったが認識を新たにする。

奥田元宋の「奥入瀬(秋)」は奥入瀬渓流の秋の紅葉を大きな屏風に画いた大作だが、見事な紅葉で奥入瀬に出向きたくなる絵であった。

広重の浮世絵は3枚続きの大作「阿波鳴門の風景」が展示されていたが、保存が良く、摺りも良い作品で、淡い青緑の海面に、白浪をたてて渦巻く様子は魅力的である。奥村土牛の「鳴門」も出品されていたが、それぞれに魅力がある。
また広重の名所江戸百景の「大はしあたけの夕立」の名作が展示されていた。私が浮世絵の名所江戸百景を集めはじめた契機の感動を与えてくれたものである。なお浮世絵は展示期間中に作品の入れ替えを行っている。

加山又造の「波濤」は色は暗い色調だが、華麗な装飾風のところもあり、心に引っかかる作品であった。重たいところも感じられる。

横山操の「滝」は滝の落ち口の岩の色調が美しく、やや抽象的になっているが力強く、好きな作品だ。
また横山操は越路十景のシリーズの「親不知夜雨」も、いかにも日本海側の暗さが出ている雨景色で素晴らしい。

宮廻正明(廻は難しい字)の「水花火(螺)」はどのように画いているのかわからないような複雑な色が花火のように開いている絵だが、力があって訴えるものを持っている。

竹内栖鳳の「緑池」は池の水面から蛙が顔を出して、泳いでいる絵だが、蛙の形、質感、色は真に迫っていて、凄いなと思う。

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!

ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。

→ログインへ

なるほど(納得、参考になった、ヘー)
驚いた
面白い
ナイス
ガッツ(がんばれ!)
かわいい

気持玉数 : 2

なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー)

この記事へのコメント

この記事へのトラックバック