「小林薫と訪ねる美の巨人たち」 テレビ東京編

テレビ東京の「美の巨人たち」の番組で特集した美術家を本にしたものである。だから読みやすい。この本は、それら美術家の中から異端の作家を取り上げていて興味深い。

俵屋宗達の風神雷神図屏風、大正の天才オリオンズの村山槐多、関根正三、高間筆子、ガウディのサグラダ・ファミリア、フリーダ・カーロ、ル・コルビジェ、ルイス・バラガン、エッシャー、小川芋銭、セガンティーニ、グイド・レーニ、秋野不矩、ミロ、キスを巡る4つの愛の物語に分かれている。

俵屋宗達の風神雷神図屏風では風神は緑色、雷神は白で描かれている。言われてみれば、確かにこの色合いは不思議である。また扇屋の宗達らしく、風神、雷神は扇の要に向かって重心があるように描かれているとのことでなるほどと思う。

大正の天才オリオンズの中では、私は関根正三のファンであり、彼の「三星」は大好きな絵である。
ガウディのサグラダ・ファミリアの解説では、建築と彫刻の一体化が特徴とあるが、今一つ理解できない。

フリーダ・カーロはこの本で知った画家だが、メキシコの女性画家で脊椎に障害を負った姿を自画像として描いているが痛烈である。

ル・コルビジェのロンシャンの礼拝堂を紹介しているが、魅力的である。一方でマルセイユの集合住宅を紹介しているが、なるほど優れた建築家だったと理解できる。

ルイス・バラガンもこの本で知った建築家でメキシコのヒラルディ邸が紹介されているが、色も不思議(8色を使用)である。この中の薄紫色は彼が好きだったジャカランダの色とのことだ。私も昔、アメリカでジャカランダの花を見たことがあり、日本の桜に匹敵する魅力的な花木だと思った記憶が甦る。

エッシャーは不思議な造形の絵で奇妙な感じを持つが、忘れることのできない絵だ。
小川芋銭は牛久沼のカッパなどを画いている。
セガンティーニはアルプスの風景画を紹介している。光を強く感じる絵だ。
グイド・レーニもはじめて知った画家だが驚いた。「ベアトリーチェ・チェンチの肖像」(1600年頃)は確かにフェルメールの「真珠の耳飾りの少女」(1665年頃)の先駆となる作品だ。この頃のヨーロッパの情報革命のことを記しているが、面白い。またレーニの作品自体も実に魅力的である。

秋野不矩は、従来の日本画とは違う対象を描き、違う色を使う画家だ。インドに惹かれた女性画家だとのことだ。
ミロについては「農園」の絵を紹介しているが、色が美しいと思う。ミロの私のイメージを変えてくれた絵である。

キスを巡る4つの愛の物語では写真家のドアノーの「市庁舎前のキス」、イタリア・ルネサンス期にコレッジョが画いた「ユピテルとイオ」(男の姿(神の姿)が見えないがキスをしている女性を描いている)、それにフランチチェスコ・アイエツの「接吻」(これはドラマチックなキスの絵で美しく、なまめかしい)、それにクリムトの「べートーベン・フリーズ」である。クリムトらしい絵であるが、ベートーヴェンの交響曲No9に捧げた絵とのことだ。

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