「かわら版で読み解く江戸の大事件」 森田健司 著

江戸時代に発行されたかわら版を取り上げ、その内容を紹介している。かわら版は全部で29枚を紹介しており、それを次の5章に分けている。
「第1章 かわら版は江戸のタブロイド紙」、「第2章 江戸の日本は怪異がいっぱい」、「第3章 天災地変で大騒ぎ」、「第4章 かわら版」から読み解く江戸庶民の嗜好」、「第5章 異国人と異国文化 そして崩れゆく幕府」の5章である。

「第1章 かわら版は江戸のタブロイド紙」では、現存する最古のものは大坂夏の陣に関連するものであるようだが、ここに掲載しているものは後年に版を改めた模刻のものである。戦争の状況が散発的(密集した状態でなく)に絵として描かれていてる。これは官製のもので、徳川優位をアピールするもののようだ。

ここで当時の飛脚のことに触れているが超特急だと江戸と京都を60時間程度、普通は6日程度でつないだそうだ。かわら版は文化文政の頃は1枚ものは4文ということが多い。当時の四文銭一枚ということである。

他のかわら版としては、結城家の埋蔵金を発掘したニュース、孝行息子に町奉行が報償したこと、不思議な神意があったこと、3つ子誕生、悪女などの凄惨な事件、ダルマ形の隕石の落下事件などである。

「第2章 江戸の日本は怪異がいっぱい」では人面魚出現(これは見世物小屋の宣伝物か)とか不思議な動物の出現ニュースである。中には絵からアザラシ、オオサンショウウオとわかるものもある。
江戸最大のミステリーは円盤のような船が茨城の海に漂着し、中に異国の女性が乗っていたというニュースである。うつろ舟と呼んでおり、著者は甲賀流忍者の家に伝わった資料(これは公表する必要のないもの)にも掲載されており、ある程度は事実ではと思っているようだ。1803年に茨城県神栖市波崎舎利浜での出来事である。

「第3章 天災地変で大騒ぎ」では明暦の大火、浅間山の噴火、大塩平八郎の乱のことや、嘉永の金環日食、安政の三大地震、文久の麻疹流行のことを伝えたかわら版の紹介だ。

「第4章 かわら版」から読み解く江戸庶民の嗜好」では曾根崎心中のような江戸での事件、歌舞伎関連のニュース、研辰の仇討ち事件などのかわら版を紹介し、歌舞伎、心中、仇討ちが江戸っ子が好んだ話題であるとする。

「第5章 異国人と異国文化 そして崩れゆく幕府」では黒船来航のこと、修好条約締結時におけるアメリカの贈り物(蒸気機関車の模型、電信機)と、お返しに米を贈ったがそれを運搬する日本の相撲取りの怪力に米国水兵が驚いた話、攘夷事件、開国してからの異国からの珍獣紹介、長州征伐のことなどのが紹介されている。

なお江戸時代であるから、幕府の目が光っており、かわら版といえども、自由には書けなかったのである。




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