「月夜の記憶」 吉村昭 著

吉村昭の随筆集である。この本の最後に吉村昭の年譜と、著書目録が付いていて吉村昭の全貌を知りたい読者にとっては便利な文庫本である。
この著書目録をみると、膨大な著書である。吉村昭の小説は好きで、よく読んでいる方だがこれだけの著作があることに改めて驚く。

この随筆集は5章に別れている。文庫の解説の秋山駿が1章から5章の性格づけをしているが、私には違和感を感じる分類もあるが、秋山駿の分類に基づきながら、私なりに分類してみる。

1章が人間の原型などを探る原理編と秋山が書くが、吉村昭が小説を書くようになった経緯や狙いが述べられている。
2章がその視線を歴史に投げての実験編とあるが、吉村昭の病気・手術のこと、歴史小説を書く意義、動物小説を書く一つの動機が述べられている。
3章が戦争と敗戦、日本のことを考える編とあるが、一貫して戦争のむごさを書いている。左翼の反戦的な主張ではなく、戦争時に人が取る行動のおぞましさ=これは私も含めてほとんどの人間がとるような行動を抉りだしている。
4章が社会問題編で日本社会について吉村昭が違和感を抱いている点について述べている。発表した時期が様々であり、今、読むとどうかなということもある。
5章が日常の中の自分、いわば私小説編となり、自分の行動、性格などを身の周りのことから述べている。

多くの随筆が収められており、一編ごとの短評は控えたい。





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