「歌川国貞展」 於静嘉堂文庫美術館

歌川国貞は江戸時代後期の浮世絵師で、後に三代豊国を襲名している。副題が「錦絵に見る江戸の粋な仲間たち」である。浮世絵は褪色の恐れがあるから、前期と後期に分けての展示で、今は後期である。
8年ぶりの国貞作品の展示とあり、静嘉堂文庫が所蔵しているものばかりだと思うが、摺りの良い、また保存状態の良い国貞作品ばかりであり、浮世絵商の店頭で観るものとは全然違う。

この国貞は長寿で、当時の人気作家である。大奥を風刺したとされる作品も画く。春画も多いとされるが、日本の展覧会ではほとんど展示されず、今回もない。

浮世絵の女性像は、作者によって顔が統一されており、歌麿の顔、国貞の顔、英泉の顔として作者ごとには特徴があるが、国貞の中では、どれも同じような顔になる。そういう意味で女性の顔は面白く無いが、今回の「北国五色墨」の2枚などは特徴的な顔でなるほどと思う。
顔はともかくとして、女性の姿態は様々であり、たくみな素描が前提にあったことが伺える。仕草も面白いものが多い。

浮世絵を観ると、いつも思うのだが、着物の柄、模様は様々で、また工夫も凝らしている。女性の顔の描写に掛ける時間が1とすれば、着物の描写には7くらいの時間をかけているのではなかろうかと思う。
当時のファッション誌だったことが理解できる。着物や、髪形、アクセサリーの最新情報を、このような錦絵から江戸の娘、夫人は得ていたのだろう。
人気作家だけに、当時の彫師、摺師も一流職人の手になったもので、髪の毛なども見事である。

1点、肉筆浮世絵で、屏風絵になっている「芝居町 新吉原 風俗絵鑑」というものが展示されていたが、絵は細かく、美しく、力作であった。芝居茶屋、仲之町の桜、格子先、表座敷という表題が、それぞれに付けられているが、上手で見飽きないもので、保存も最高であった。

広重が背景の風景を描き、国貞が前景の女性を描いた「双筆」というものが東海道五十三次のシリーズであった。今では「合作」というものだ。

作品名は失念したが、後期の作品になると、絵具の色が変化しているのがわかる。鮮やかな赤、青、紫が使われ、明治の浮世絵の色になる。ベロ藍(ヒロシゲ・ブルー)もそうした顔料の一つだが、保存がいいから、それぞれの色の違いが鮮明に理解できる。

今の静嘉堂の庭は梅が斜面に咲いて、下草には水仙が咲いて綺麗であった。

帰りはH氏と、歩いて二子玉川駅を目指したが、途中で道に迷う。通りすがりの女子高生に尋ねたが、見事に無視される。変なおじさんからの呼びかけには気をつけましょうという指示が徹底されているようだ。

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