「趣味の目貫」 若山猛、竹之内博 著

古書である。所載の作品、調べたいものに関するページなどは折りに触れて見ているが、今回、通しで拝読した。若山氏は刀装具を網羅的に、しかも学究的に追求した人で著書も多い。刀における福永酔剣氏とともに忘れてはいけない斯界の恩人である。

はじめに「目貫あれこれ」として目貫の歴史や、刀装具における位置づけ、作り方(ここでは裏から打ち出すと記している)、技法、表裏の掟、材質、銘の入れ方などを若山氏が書いている。

次いで「作者(金工)解説」として、後の『金工事典』の元になるように、金工別の略歴をまとめたものが付く。辞書、辞典は当該項目を読むだけで、通して読むことは無いが、今回は通して読む。後藤家とか、従来から略歴が多い金工に詳しいのは言うまでもない。

それから随想として竹之内氏が「目貫に魅せられて」、若山氏が「本づくり雑感」を書いている。この中で若山氏は偽銘が多いことを書いているが、私は以前に、この本所載品の目貫を買って、3日間観た後に偽物と判断して、購入した刀屋さんに別の理由で返品したことがあることを思い出す。

目貫は図柄ごとに所載されている。「風景」「植物」「龍・虎・獅子」「動物」「魚」「両棲動物」「虫」「神仏」「人物・物語」「その他」に分かれて総数232点である。
写真は白黒で、ほぼ現物大である。時に銘部分の拡大がある。写真の中には暗くなり過ぎているものもあり、参考にしずらいものが多い。
解説は画題に関すること、作者に関することなどが中心である。

この本、所載で、今、私の手元にあるのが216番「蝋燭」の廉乗の目貫だけだが、購入して売却したものもある。前述したように偽物と判断したものもある。また知人が購入wされたものもあり、懐かしい面がある。

作者としては後藤が多いことは言うまでもないが、宗珉、そして柳川派、大月派、一宮派、後藤一乗も含めた一乗派が多いと感じる。それに菊岡派、石黒派、東龍斎派、浜野派などである。
また流派によって図柄の特色も感じる。「龍・虎・獅子」は後藤と横谷、柳川、「魚」は岩本派、「虫」は江戸時代後期の作者などである。こういう図柄の傾向も大事だと思う。

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