「広重TOKYO 名所江戸百景」小池満紀子 池田芙美子 著

広重の「名所江戸百景」を1枚ずつ紹介しながら、その版画における摺りの見所と、現在の場所、現在の写真をつけて紹介している本である。
図版として所載している「名所江戸百景」は原安三郎氏のコレクションで初摺りのものである。従来の本で、このシリ-ズを紹介する時は、季節ごとに順序つけられた「目録」の順に紹介されていたが、この本は、取り上げられた地域ごとに集めて、紹介している。要は、この本を持って、現在の東京と昔の江戸を廻れるような楽しみを考えた為である。

だからシリーズの中で、目的の1枚(例えば「大はしあたけの夕立」)を探す時は、少しとまどうことになる。従来は夏の部を探せば良かったが、この本では「佃島 深川 向島界隈」の部を探さないといけない。
そういうところはあるが、この本の行き方に賛成である。従来と同じではわざわざ新たに「名所江戸百景」の本を出す必要性がない。

もう一つの趣向は、カラーの印刷でも表現しえない摺りの技法(雲母摺り、布目摺り、正面摺り、空摺り、板ぼかし、拭きぼかし、あてなぼかし、板ぼかし、一文字ぼかし)が施された箇所を説明する図をつけていることである。

そういう新味がある本である。私は名所江戸百景の初摺りを十数枚持っているが、このシリーズに関する本として、集英社版(広瀬本)、ヘンリースミスの本(ブルックリン美術館本)となども持っているが、それらとは違って所有する価値のある本である。

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