「大エルミタージュ美術館展」 於森アーツセンターギャラリー

ロシアのエルミタージュ美術館の作品が展示されている。エカテリーナⅡ世の時に集められはじめた作品が基礎になっているそうだ。ちなみにエルミタージュとは「隠れ家」という意味で、エカテリーナⅡ世とねずみだけが観覧できるような場所に当初は展観されていたとのこと。エカテリーナⅡ世はドイツの小貴族の娘で、ロシア皇室に嫁ぎ、ロシア語もマスターしたとのこと。トルコとの戦争に勝利し、国は発展した。日本の宝暦、明和、宝永、天明頃である。

この展覧会はルネサンス、バロック、ロココの時代の巨匠たちという意味で「オールドマスター 西洋絵画の巨匠たち」という副題がついている。展示の部屋は「1.イタリア:ルネサンスからバロックへ」、「2.オランダ:市民絵画の黄金時代」、「3.フランドル:バロック的豊穣の時代」、「4.スペイン:神と聖人の世紀」。「5.フランス:古典主義的バロックからロココへ」、「6.ドイツ・イギリス:美術大国の狭間で」と地域別に分かれている。

イタリアではティツィアーノの「羽飾りのある帽子をかぶった若い女性の肖像」の女性は、ちょっとぞくっとする顔である。少し退廃的な感じもある。16世紀前半のルネサンス期の作品である。
風景画もあり、ベロットの「ドレスデンのツヴィンガー宮殿」の絵は横長の大きな絵で精密に風景を描き、建物の屋根の汚れや光の濃淡まで描いてあり、驚いた。風景画はヴェネチアを描いたカルレヴァリス、カナレットなどの作品もそうである。これらの風景画は、いずれも18世紀の前半と時代は下がる。

オランダはレンブラント風の光の濃淡が強い作品が多い。「運命を悟るハマン」は深みのある絵だ。ハルスの「手袋を持つ男の肖像」も同様に肖像画の人物の内面もわかるようだ。オランダは17世紀前半には日本にも貿易に来ていたが、このような貿易で財をなした市民が多くいたのだろう。王侯・貴族ではない市民の画であり、しかも笑顔がみられる人物像もあり、面白い。これはホントホルストという画家の作品である。絵の中に風刺・教訓が入るようなこともあるようだ。この国では17世紀中期に風景画もある。

フランドルは今のベルギーである。ブリューゲルの風景画が17世紀前半にある。ルーベンスの影響も強かったようだ。ヨルダーンスの「クレオパトラの饗宴」は登場人物の顔が生き生きしていてドラマチックな絵だ。
幻想的なスネイデルスの「鳥のコンサート」やブールの「猫の頭部の4つの習作」などが17世紀の前半に画かれたのは凄いと思う。20世紀を先取りしている。

スペインは、この時期、宗教改革が他国であっても、カソリックの牙城であった。その為に宗教的な絵が多いようで、今回の作品もそういうものである。スルバランの「聖母マリアの少女時代」は少女時代として、マリアらしくない顔(もちろん可愛いのだが)を画いているのが目を惹く。少し神様から人間的になったかなと思う。

フランスは男と女の遊びの場面の絵が18世紀前半に出る。饗宴画というジャンルと説明があったが確かではない。ヴァトーの「困った申し出」、フラゴナールとジェラールの共作とされる「盗まれた接吻」などである。
シャルダンは静物画で名高いが、今回の出品作はオランダの絵のような「食前の祈り」だ。

ドイツ、イギリスではクラーナハの「林檎の木の下の聖母子」が色も鮮やかで、描かれた人物の視線が理知的、かつ官能的で印象に残る。16世紀と早い時期である。
ゲインズバラの「青い服を着た婦人の肖像」は素晴らしい。髪型、服飾と当時のファッションの粋をまとった女性で美しい。18世紀後半の作品である。






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