「うさぎ追いし 山極勝三郎物語」

娘のつれあいの父が、この映画のエキストラとして出演しているということで、妻と観に行く。山極勝三郎とは信州上田藩士の家に生まれ、医家の山極家に養子に入り、そこで東京帝国大学に学ぶ。在学中に臨床医よりも病理学に興味を持ち、そちらに進み、ドイツにも留学し、後の東京帝国大学の教授になる。

彼は癌ができる原因を究明して、その治療に応用できないかと考え、煙突掃除人に癌が多かったという事例を参考にして、煤、コールタールを皮膚に付けて、その刺激で癌を人工的に作ろうと苦心する。

動物としてラットで実施していたが、市川という北大の獣医科出身の男が実験の手助けをするようになって、耳にタールを塗っても厭がって引っ込めないということからウサギに注目して、その耳にコールタールを塗ることをはじめる。
ウサギを静かにさせるヒントを、用務員の縁者の娘から得て実験をする。途中、ウサギが死んだり、なかなか癌化しないなど実験は苦労の連続であったが、白いウサギだけでなく黒いウサギを使ったりして、やっと成功する。

ただ世界で初めてとの快挙は外国人が寄生虫を使って癌化を成し遂げる。ともかく当時としてはノーベル賞クラスの実験成果であり、選考の対象にものぼるが、残念ながら賞を逃す。死後にスェーデン人が来日して、ノーベル賞に値する研究だったと賞賛する講演を行う。

タイトルの「うさぎ追いし」は、ウサギを使って実験したことと、この「ふるさと」の歌も信州人が作詞・作曲していることから、美しい信州上田の風景にも掛けているのだろう。映画中にも「ふるさと」の曲が流れる。君が代でなければ、この歌を国歌とすべく良い歌である。

養子に入った先の当主は「世が世であれば」との欝懐から酒に溺れている。そういう事情だから、病理学ではなく家を継ぐ臨床医へという圧力は当然である。そして1歳で長男を病気で亡くす不幸。自分の子供も救えなかったということから臨床医へなろうとすると、子供を亡くした悲しみを耐えて、妻が夫の興味のある病理学への進路を勧める。

夫である勝三郎を支える妻の苦労、そして勝三郎も結核にかかり、家族を隔離しながら生活する中での長女との葛藤もドラマを彩る。

そして勝三郎の実験を支える市川の実験への熱意と、用務員の縁者の娘との恋愛(この娘は結核で死亡)などがドラマに厚みを加える。

山極勝三郎という人物と、その業績は知らなかったが、偉い人物である。北里柴三郎も人種的偏見からノーベル賞を取れなかったと聞いたことがある。

娘の夫の父上も、映画の中で識別できた。

帰りは妻と久しぶりに三笠会館で食事をする。

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