「日本の近世 14 文化の大衆化」 竹内誠 編

江戸時代後期における文化面の出来事、状況を書いている。出版文化の隆盛、浮世絵・多色摺りの発達、俳諧の隆盛、旅・巡礼・遊山が盛んになる。遊郭も発達し、蘭学は広まり、ご開帳などの行事に江戸の住民が目を輝かすという状況について書かれている。
天明期=田沼時代だが、このあたりで江戸の知識人(旗本・御家人、江戸定府の藩士、上層町人)の文化が発達する。それが文化・文政になって下層の町人にも広がったことが書かれている。

寺子屋の隆盛などで識字率が高まり、江戸で出版物の需要が高まる。貸し本屋も相当に出来て(1808年に江戸の貸本屋組合に所属していた人数656人、同じころ大坂では300人、天保の頃には江戸で800人になった)、庶民はそこで本を借りて読む。このような所では御禁制の本の写本もあって、借り出されて読まれていたようだ。

俳諧は天明の中興と呼ばれるように、この時期に盛んになる。与謝野蕪村が現在は知られているが、他に4人、都合5人が高名であった。このような有名な師匠一人に、全国に広がる門人が3000名というような状況であったようだ。小林一茶はもう少し後に有名になる。

俳諧のサークルの中では、絵暦の交換をする大久保巨川という旗本が鈴木春信を登用する。これから多色摺りの木版画=浮世絵が盛んになっていく。

旅は伊勢参り、西国三十三カ所の巡礼などが盛んになり、今の旅行代理店のような機能を持つ業者もあらわれる。
旅に関連する出版も増える。「東海道中膝栗毛」もそうだし、広重の浮世絵による「東海道五十三次」のシリーズもこの一環である。
大それた旅ではなく、江戸の名所巡りも盛んになる。これには参勤交代で来た武士も参加する。集大成の出版物が「江戸名所図会」である。また祭礼も賑わう。盛り場も両国広小路、浅草浅草寺などが賑わい、浅草寺の大絵馬も人気になる。

女子も遊芸(踊り、琴、三味線など)を嗜むようになり、このような芸を身につけている方が武家奉公にも有利だったようだ。

遊郭も賑わい、「遊女評判記」のような出版も盛んになる。

蘭学も盛んになり、それを学ぶ者は全国に及び、各地に蘭学の塾が生まれ、草莽の蘭学との称される。種痘などはこの流れで広まる。

出版物や情報の流れは浮世床(床屋)から噂話となって拡散された。



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