「刀 KATANA」 小笠原信夫 著

この本は角川ソフィア文庫として、日本の美術・工芸などを幅広くジャパノロジーとして取り上げた中の一冊として刊行されている。本の表紙の見返しにはジャパノロジーとは「日本を総合的にとらえることを目的とする学問。日本学。日本研究」とある。他には妖怪、和菓子、千代紙、盆栽、金魚、切子、琳派などの本があるようで、ジャパノロジーは美術だけでもないような、私にはよくわからない概念である。

それはさておき、この本は刀の入門書である。それも刀の鑑賞の入門書というよりは、刀を託して伝えられてきた武士、武士道、あるいは日本人の特性を伝えようとしている本である。だから、私もどういう人に薦めるべき本なのかがわからない。刀剣愛好家には物足りないだろう。では刀剣を知らない刀剣女子のような人に、面白いだろうか。私にはよくわからない。外国人に良いのかもしれないが、日本語だ。


第1章は「名刀とは何か?」というもので、そこに「一国に換えても手放さない」という土佐山内家に伝わる一国兼光の逸話から入っている。そして名刀とは第一に品格の高さにあるとする。美は個人の好き嫌いに属するが、多くの人が共感する美の要素をもったものが名刀ともいう。
だから名刀と愛刀は違って、万人が認める宝物で貴重性の高いものとする。

「名刀とはどのような刀を言うのですか?」という質問も、素人から多い質問内容である。だから著者は、それに答えることも念頭にあったと思う。
次いで、時代を追って、各時代を代表する流派の刀を簡単に解説している。

写真も多いが、昔ながらの刀剣の写真であり、刀の姿がわかり、茎(なかご)の銘文がわかる程度の写真であり、日本刀の美しさは伝えられないと思う。

江戸時代の刀剣を佩刀した儀礼装束の写真や、刀の製作過程の説明や、写真も入っている。宮入行平氏の仕事ぶりを写真に撮って簡単に製作過程を説明している。また研ぎの道具は本阿弥光洲氏のものだが、その写真もある。




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