「ベーシック・インカムのある暮らし」 古山明男 著

著者は私の高校の同期である。同期会で顔を合わすと話すぐらいの関係であるが、今度、こんな本を書いたからと言って進呈された。彼は教育に問題意識があり、自分であるべき教育を実践している。その過程で教育費の問題、家計の問題に目を向けたのであろうか。

ベーシック・インカムとは、最低生活費ということで、表紙の見開きには「赤ちゃんから、すべての人に」と書いているが、中身を読むと、18歳以上の国民全員に所得に関係無く、毎月8万円のお金を配ることである。これで、生活者の生活の不安を無くし、その結果、経済が回ってくるということである。
このような収入の支えがあれば、十分な教育も受けられ、社会が良くなるとの信念があるから、このようなことを考えたのであろう。また彼の認識は、今の労働は奴隷のように服従を売るようなものという認識があるのかもしれない。だから、このような安心できる生計費があれば、そのような労働から脱却できて、生き生きとした労働に就けるという考えである。
このあたりの認識は、私は基本的に異なっており、ついていけない。

この本の中で、日本の経済の現状を、各種のグラフで把握している。そして彼は、家計の消費が十分でないからうまく行っていないと現状認識をする。私は家計という範囲では買う物は買っているが、貧しくて買えていない人がいるという認識だろうか。各グラフの数値は精査していないが、グラフの中には面白いものもある。この努力は認めたい。

現在は高齢化で、年金受給者も多く、その年金の基礎部分をベーシック・インカムに肩代わりさせるとのことだ。生活補助も、包含されるのだろう。だから、年金を高齢者に限らず、国民すべてに支給するという考えのようなものである。今のように高齢者が増加している現状では、その延長と考え方であり、そんなに突飛な考え方ではない。

このために、Eマネー(仮称)を発行し、それでの決済を前提に考えている。そして、Eマネーは長く持つと減価していくものとし、実際の現金に換える時には手数料が必要になると言う。
この部分は、まったく新しい概念を提唱しているわけだから、このブログで簡単には解説できない。
だから、私の疑問を書いておきたい。
①毎月、支給されるEマネーが減価すると言うが、いつ支給されたEマネーかを把握できないと管理はできない。
②減価の期日が近いもの、遠いものを、受け取った企業の方でも把握しないといけないし、減価期日が近いものの受け取りは満額ではされなくなると思う。
③企業が製産したものは、消費者に使われるとの前提だが、企業は迂回生産の為の機械も販売しているわけであり、ベーシック・インカムに無縁な企業も出ると思う。これはこれで、いいのだろうが。
④買いたいものは毎月8万円で買えるようなものでないものも多い。本当に日常に使うものだけに利用されるならば、中小食料品店、食品スーパーにEマネーの利用が集中する。食品スーパーはともかくとして、零細企業に不自由な思いをさせる制度である。

方法論は、消費税の軽減税率でも、どうするかと詰めるところもあるわけであり、Eマネーの方法論はまだ詰めるところはあるのだろう。
私は、このような制度に興味が無いから、彼と一緒に考えることはできないが、こういうことを、これだけ一生懸命考えていることには敬意を表したい。


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