「城山三郎が娘に語った戦争」 井上紀子 著

城山三郎の娘さんへのインタビューをまとめて本にしたものである。だから読みやすい。そして、そこに城山三郎の若いときに書いたものなどを発掘して織り込んで構成している。
作家城山三郎は経済小説で有名だが、戦争に題材をとったものもあり、わたしも『大義の末』は良い小説だと思う。同様に戦争を材にした『一歩の距離』という小説もあるようで、今度、読んでみたい。

城山三郎は、戦争中のことを娘さんに、よく語っていたわけではない。城山三郎に限らず、人間は本当につらかったことは、家族にも語らないものだ。『指揮官たちの特攻』を書いている中で、漏らした言葉や、戦争は嫌いだが、カラオケでは軍歌しか歌えなかった(青春時代が軍歌だから)ことなどのエピソードなどが語られている。

この本は戦争のことだけでなく、城山三郎と奥様とのなれそめの話とか、家族での旅行の話、家での子供達への躾け、教育方針のようなものもまとめられている。そちらの方が印象に残るが、編集が朝日新聞だから、このようなタイトルになったのであろう。ちなみに城山三郎夫婦のことは、同じ著者が『父でもなく、城山三郎でもなく』という本を毎日新聞から発刊している。この本も新聞社の編集らしく浅いところのある本だったが。
http://mirakudokuraku.at.webry.info/201110/article_10.html

城山三郎は愛妻家であり、奥さんが病気になられ、先に逝かれたのはこたえたようだ。その時の様子なども書かれている。

個人情報保護法が成立する時に、城山三郎は強く反対をした。言論の自由が侵され、国家が、再び統制を強めるのではないかとの懸念だと思うが、私も、この時に城山三郎が強く反対したのが印象に残っている。私自身もこの法は悪法だと思うが、城山三郎の懸念した意味ではなく、この法を楯に無意味なところまで規制がかかるからである。(役所はこの法を楯に詳しい情報を教えない。同窓会名簿、町内会名簿みたいなものまで作成が控えられ、横のつながりをさらに希薄にする)

城山三郎の動物好き、乗り物好きの様子も、書かれている。そして最後に城山三郎の年譜がまとめられている。

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