「みちのくの仏像」展(於国立博物館)と黒田記念館

黒田記念館とは、黒田清輝の遺贈によって建設された美術館である。岡田信一郎の設計で昭和3年に建設されたもので、耐震工事が終わって、この1月にリニューアルオープンされた。黒田清輝の油彩、デッサン、その他資料を今は展示している。この人は人物画がいいと改めて感じる。人物のデッサンにも魅力的なものがある。国立博物館の左側にあり、入館は無料である。

国立博物館では「みちのくの仏像展」を観覧する。この中では福島の勝常寺にある国宝の薬師如来坐像および両脇侍立像の主尊である薬師如来は彫りの深い顔で、すっきりした仏像で印象に残る。あとは岩手の成島毘沙門堂の伝吉祥天立像はふくよかな感じがして魅力的である。
上記の仏像は、平安時代の作品である。
鎌倉時代のものでは山形の本山慈恩寺の十二神将(十二の内、4つ)が魅力的である。動きが躍動的で、表情も生き生きしている。慶派の仏師の作品のようだが、さすがである。我々は信仰で仏像を観るのではなく、美術品として観るから、主尊の阿弥陀如来とか薬師如来の取り澄まして、気品のある仏像よりも、その脇仏の日光、月光菩薩や、さらにそれらを守る十二神将の躍動感のある仏像に魅力を感じる。

木を削った仏像で、その木の表面も出ているような仏像が多い。このことは感じたが、これが”みちのく”という地域的な作風の特徴なのかは私にはわからないし、他の特長なども把握できていない。解説も時代の特色が記してあったように思う。

特別展では震災後に復旧した美術品などが修復されて展示してあった。紙のものなどは水に浸かったものだろうが、紙がふくれ、波打つようなところも見られずに、見事に修復されており感心する。

平常展では刀剣の部屋が私の興味をひくが、大包平、二字国俊(逆がかる丁字が目立ち、面白い)、石田正宗(刃が明るく、手に取って拝見したいものだ)、長光(大般若、賑やかで良い)、景光(直刃で腰元にはらみ竜の彫り)など見事なものだ。2階には元重の良いものがあるが、いいものだが古人が最上作ではなく上々作と位置づけたのもわかる感じがする。結城秀康の差料も拵とともに出ている。また大和の獅子王の太刀も出品されていた。映りか、焼きの高い二重刃かよくわからないが、巷では拝見できない御刀だ。

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