「第25回浮世絵オークション」

浮世絵商協同組合主催のオークションが開催される。下見会に行ったが、私の好きな広重の名所江戸百景に良いものが出ていた。最低入札価格が低いから、保存あるいは摺りの状態が悪いのかと思って出向いたが、摺りもよく、保存状態もいいものだった。額に入った状態であり、裏の状態などは確認できないが、懇意の浮世絵商は「裏も問題もありません」と言われる。下値が安いだけで、実際の落札価格は、私が欲しいと思うものは皆、倍以上にいくのではないかとのことだった。
「パドルを用意するから、当日にどうぞ」と言われたが、ちょっと自宅の方で所用もあるが、興味深いものだ。

「両国花火」(両国橋にシュルシュルと花火が上がり、花開いた図だ。夜景が濃い。花火打ち上げの主旨は、ご供養の為というのを感じる華やかだが寂しさを感じるもので好きだ。高騰期は1千万を越えるもの)、「駒形堂吾嬬橋」(浅草駒形堂の上空を切り裂いて飛ぶホトトギスを描き、雲にボカシ、降り始めた雨は銀色ではないか。200万は超えるのだろうか)、「深川洲崎十万坪」(これは雪景色の十万坪の埋め立て地の上空に大鷲を描いて、下を睥睨している図。名所江戸百景の昔からの役物の一つで1千万円を超えても不思議ではない)、「墨田河橋場の渡かわら竃」(隅田川をバックに、今戸焼の竈から煙りが立ち上っている図で、初摺りは煙にもボカシが入り、奥行きもありいい絵。私は初摺りだが保存状態の悪いものを所有している)など魅力的だ。

他に「鉄砲洲稲荷湊神社」(これは初摺りの説が2つあり、もう1枚の絵の方は私が所有している。帆柱を前景に大きく描き、その向こうに大川、さらに富士山を描く)、「四ツ木通用水引ふね」(S字状の川の姿が面白く、色遣いも緑と黄色が川の青、藍に映えて美しい)も良いものだ。これらは下値の倍まではいかないだろうとのことだが、どうなるのだろう。

他では写楽の「嵐竜蔵 金貸石部金吉」も魅力的だ。雲英摺りが落ちているような状態だから下値は写楽にしては安いのだが、これも倍以上いくのだろうか。

広重の木曾街道六十九次の「望月」(夜景で月が出て、松並木の街道を歩く旅人)も摺り、保存の状態の良いものだ。静かな良い絵だと思う。

国芳の「魚づくし 岩に取りつく蛸」も面白い絵だ。国芳は摺り、保存が悪くても人気があるのか価格は高い。好みではないが大きな魚を描いた三枚続きの「讃岐院眷属をして為朝をすくふ図」など面白い。また「稚立功名鑑 鬼若丸」なども面白い。これは保存が悪いのか安価な下値だった。

明治以降の版画も多い。私が後摺りの状態の良いものを持っている井上安治の「霊岸島高橋の景」が下値80万円で出ていた。私の後摺りの方が青が味があると思うが、これは洋画の松本竣介、版画の藤巻義夫のような都会の寂しさを、明治初期に表現していて好きだ。また良い絵だと思う

川瀬巴水も多く出ているが、伊東深水に下値が安い、いい絵が出ていた。織田一磨の「モデル女」もけだるさが出て面白い。豊成の「梨園の華 十三世守田勘弥のジャンバルジャン」もいい絵だ。下値が55万円と出ていて驚いた。土屋光逸の絵は川瀬巴水と同じような絵(少し賑やかかな)であり、価格は大幅に安い。こういうのも将来は巴水のように値上がってくるのかもしれない。

無款(作者不明)の肉筆の御軸で雪景色の中の正月の風俗を描いた絵があったが、雪の膨らみが良く書けていて気になる絵だ。10万円の下値で安いが、上手な良い絵だと思う。

棟方志功の風景画の肉筆紙本が出ていた。これも、下値近辺で落ちないと思うが、棟方らしい色遣い、タッチで面白いと思う。

秋は美術品の季節で、色々な分野で活発になっている。

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