トルコ旅行②-トルコ・ブルー(青は天空の色)

トルコ石にある美しい深い青色のことを書きたい。まずはトルコ石だが、カッパドキアの直売所で話を聞き、名品を拝見する。3種類ほどあるのだが、一つはアンティーク・トルコ石で、これは現代では採れないという意味のアンティークのようだが、薄緑色(中国、高麗の青磁にもあるような色)に、褐色がかった模様が不規則に入る石である。それに常に我々がイメージする濃いブルーというか濃い空色のトルコ石。この石は、青が濃く鮮やかなほど、形が大きいほど、また形が扁平ではなく丸みを持ったものの方が高価である。

この青色に関連した話であるが、セルジューク朝トルコの首都であったコンヤに行くと、メヴラーナ霊廟がある。これはマホメッドの子孫の一族だったというジェラルディン・ルーミー師の霊廟である。この人物は清く正しいイスラム教を教えた人のようで、セルジューク・トルコの皇帝にも信頼されたそうだ。この人の父親の霊廟を造りたいという皇帝の申し出に対して、ルーミー師は「どんな霊廟の天井よりも、この青空の方が尊く、父にふさわしい」として申し出を断ったという逸話を聞く。

この時に、「そうか、人類は青に対して、天の色としての憧れというか畏敬の念を持ったのだ」と思った。南宋青磁の逸品の色は「雨後天晴」と言われる。雨が降って、塵も流れた後の天空の色=青空を理想としたのだ。このブログで最近記したが、知人と高麗青磁の逸品を拝見して喜んだばかりだ。高麗青磁は南宋の青磁よりも人間的というか暖かみがあるが、この高麗青磁の名品の色も「翡色」と評され、翡翠の深緑に青が入った色だ。もっともトルコ石の青とは違っているが、青への憧れだと思う。

トルコ石の深い青は、絶対神アッラーがいます天空の色として愛されているのだろう。トルコ旅行①の中でも触れたが、遊牧民にとっては嵩張らないで貴重なものが大切になるが、その一つが宝石だ。

ブルーは、見学した大半のモスクの天井、あるいはステンドガラスで、それぞれに魅力的に使われている。天井、壁に貼られているのは各種のブルーのイズニック・タイルだ。モスクの中でもイスタンブールのスルタンアフメット・ジャミイは「ブルーモスク」と言われているほどだ。ただし、実際にモスクの中に入ると、それほど青一色という感じではなかった。ステンドグラスは濃い青で、タイルは薄い青だ。

トプカピ宮殿のハレムも、その中の壁はブルーのイズニック・タイルだらけだ。その青も緑がかった色から、濃い青、薄い青、藍色、空色と様々だ。

ガイドが言うには、トルコの女性が最も好む色は赤と青だそうだ。

日本には、トルコ石のような鮮やかな青の宝石が無かった為か、あまり青は使わない。もう少し地味な藍染めとなる。もっとも、幕末には船来の藍色(ベルリン藍)をベロアイとして使い、世界にヒロシゲ・ブルーとして名を成した歌川広重がいる。

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